「スマホ熱中症」に要注意 スマホが熱くなる原因と“やってはいけないこと”
人間の熱中症対策はスマートフォンにも当てはまります。外気温が適正な使用温度に近づいたり、超えたりするとスマホも発熱しやすくなります。スマホが熱くなったからといって、急激に冷やす行為はNGです。
夏本番となり、海や川あるいは山などにでかけている人も多いのではないでしょうか。ただ、気温が高くなると熱中症の心配が出てきます。小まめに水分補給をしたり、日陰で涼んだりといった対策が重要です。この熱中症対策、スマートフォンにも当てはまります。もちろん、スマートフォンが熱中症になるわけではありませんが、この時期にしばしば問題となるのがスマートフォンの発熱です。
今回は、そんなスマートフォンの発熱について、そもそもなぜ熱くなるのか。そして、熱くなったときにやってはいけないことをまとめてみました。
スマートフォンはなぜ熱くなるのか
スマートフォンにはプロセッサ(CPU/GPU/通信チップ)やディスプレイ、バッテリーなど発熱しやすいパーツが多く使われています。もちろん、スマートフォンにはそうしたパーツからの発熱が問題にならないよう、冷却機能も備わってはいるのですが、状況によっては排熱が間に合わなくなることもあります。
普段、ほとんど意識することはありませんが、スマートフォンには適正な使用温度が定められています。たいていの場合は、取扱説明書やサポートサイトに注意書きの一部として記載されており、例えばSamsungのGalaxy S23シリーズでは「温度は0℃〜35℃、湿度は0%〜95%の範囲でご使用ください」との記載が取扱説明書に、iPhoneシリーズでは「動作時環境温度:0℃〜35℃、相対湿度:5%〜95%(結露しないこと)」との注意書きがWebサイト上にあります。外気温がこの使用温度に近づいたり、超えたりすると発熱の可能性が高くなってしまいます。
また、夏場の直射日光にも気を付けなければいけません。スマートフォンを屋外に放置することは少ないと思いますが、車のダッシュボードに置きっぱなしということはしてしまいがち。走行中にスマートフォンをカーナビ代わりにするため、ダッシュボードに設置している場合も注意する必要があります。
この他、スマートフォンの処理性能の高さも発熱の要因になっています。ゲームプレイ中に本体が熱くなって動作が遅くなったり(サーマルスロットリング)、動画撮影中に高温の警告が出て録画が止まってしまったりした経験がある人もいるでしょう。
バッテリーからの発熱も見逃せません。といっても、これに関してはスマートフォンの使用時には気になることはまずありません。発熱するのは充電中です。特に最近のスマートフォンは、急速充電に対応しているものも増えており、通常の充電と比べて発熱量も大きくなっています。
スマートフォンが熱くなったときにやってはいけないこと
スマートフォンが熱くなったら、すぐに冷まそうと水につけたり保冷剤を背面に貼り付けたり……そういうことを思い浮かべた、あるいは実際にやったことがある人もいるかもしれません。ですが、これらのことはスマートフォンが発熱したときには、絶対にやってはいけません。
スマートフォンが発熱した際、保冷剤を背面に貼り付けると、急激な温度差により、スマートフォン内部に結露が生じる可能性があります。防水仕様のスマートフォンなら問題ないのではと思うかもしれませんが、防水はあくまでも水が侵入しないというものなので、内部に生じた結露には無防備です。最悪の場合、内部の回路がショートして故障したり、故障しないまでも水濡反応シールが反応したりしてしまい、修理代が高くなるなどのデメリットが生じる可能性があります。
同じ理由で、エアコンの冷風に当てる、冷蔵庫に入れるというのもNGです。水道の流水や常温の水に沈めるのなら問題ないのではと感じるかもしれませんが、本体が熱くなっていると予想外に温度差が生まれてしまうことがあるので、これも避けた方が無難です。
スマートフォンを冷ます方法
では、スマートフォンが発熱した際にはどうすればいいのでしょうか。最も簡単な方法は、涼しい部屋の中、屋外であれば直射日光の当たらない木陰などに電源を切って放置しておくこと。少しでも早く冷やしたいのであれば、扇風機の風に当てるというのも効果的です(エアコンの冷風はNGです)。
実際、ゲーミングスマートフォンなどには、冷却のための外付けファンがオプションとして用意されていることあり、一般的なスマートフォンにも使える冷却ファンも販売されています。
最近はあまり聞きませんが、数年前はスマートフォン背面の最も熱くなる部分にヒートシンクを貼り付けるというハックもありました。ただ、現在ではスマートフォン用の冷却シートというのも販売されています。保冷剤で冷やすのではなく、熱伝導率が高い素材を背面に貼り付けて、効率よく放熱させるというものです。あまり厚みも増さないので、普段から貼り付けたままでスマートフォンを使用できます。
過度な発熱は、バッテリー劣化の原因ともなります。適切な発熱対策を行い、快適なスマートフォンライフを過ごしたいものです。
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