「iPhone 15(仮)」はUSB Type-C搭載が確実か 欧州の法案は関係なし?:次期iPhoneはどうなる?
次期iPhoneシリーズのうわさの中でも、確度が高い情報があります。iPhone 15(仮)シリーズがLightningを廃止し、USB Type-Cを採用するかもしれない件です。EUでは2022年10月、モバイル機器にUSB Type-Cポートの採用を義務付ける法案を可決しました。
9月12日〜13日に発表されるのではないかとうわさされている「iPhone 15(仮)」。ネット上では既にさまざまな情報が飛び交っており、iPhone 15(仮)シリーズの輪郭が大分鮮明になりつつあります。といっても、これらの情報はあくまでも非公式なもの。Apple自身がこうした情報を認めることはないので、答え合わせは発表イベントまで待つ必要があります。
ただ、そうした情報の中には、確度が高いと思われるものもあります。iPhone 15(仮)シリーズがLightningを廃止し、USB Type-Cを採用するというものその1つです。
EUでは2022年10月、モバイル機器にUSB Type-Cポートの採用を義務付ける法案を可決しました。2024年末までに、EU内で販売される全てのスマートフォン、タブレット、カメラ、ゲーム機などは充電ポートとしてUSB Type-Cを備える必要があるというもので、2026年には最大100WまでのノートPCにも拡大されます。
これを受けて、遅くとも2024年に発売されるiPhoneには、Lightningの代わりにUSB Type-Cが採用されるのではと予想されていましたが、2024年を待たずに今年発売のiPhoneからUSB Type-Cが採用されるようです。
EU対応のためにUSB Type-Cを採用すると見えてしまいますが、実際のところiPhoneがUSB Type-Cを採用するという話は数年前から出ていたものです。既にiPadではLightningが廃止され、USB Type-Cに統一されているので、EUの件がなかったとしても、iPhoneがUSB Type-Cになるのは時間の問題だったのでしょう。
このUSB Type-Cに関して、Appleの情報に詳しいアナリストのMing-Chi Kuo氏は2022年11月に、ハイエンドモデル(15 Proと15Pro Max)のみ高速転送に対応し、標準モデル(15と15 Plus)はLightningと同じUSB 2.0にとどまるとの予想を示していました。
わざわざ仕様を分ける必要があるのかという気もしますが、2022年10月に発売されたiPad(第10世代)のUSB Type-Cは、USB 2.0で転送速度はLightningと同じ480Mbps。なお、iPad mini(第6世代)はUSB 3.1 Gen 1、iPad Air(第5世代)はUSB 3.1 Gen 2を採用しています。
また、iPhoneがUSB Type-Cを採用するとしても、Lightningと同じくMFi(Made For iPhone)認証をかけ、利用できるサードパーティー製品を製造するのではないかとのうわさが流れていましたが、これに対してEU側は、共通充電器の要件を満たさないデバイスはEU市場では許可されないとする書簡をAppleに送ったと独メディアのZeit Onlineが報じています。同内容は、既に3月の会合でも口頭でAppleに伝えていたとのことです。
iPhone 15(仮)シリーズのポートがどうなるのか、正式発表までは確かなことはいえません。ただ、USB Type-CではUSB 2.0、3.1、Thunderboltなど同じ端子形状の規格違いが混在しており、ケーブルに関しても60Wまで240W対応、映像出力には非対応などカオスな状況です。このため、ここにMFiが加わり、より混沌(こんとん)とした状況に陥らないことを祈るばかりです。
関連記事
- 「iPhone 15(仮)」の発表・発売日はいつ? ラインアップはiPhone 14から変化なし?
2023年も次期iPhoneについて予想する季節となりました。既にネット上では、今回発表されるであろう「iPhone 15(仮)」についてさまざまなうわさが飛び交っています。スペシャルイベントの日程とiPhone 15(仮)のラインアップについてまとめてみました。 - “USB Type-C統一法案”が欧州で「正式に可決」 iPhoneもついにLightning廃止か
欧州議会はEU圏内で販売されるスマートフォン、タブレット、カメラなどに共通充電規格(USB Type-C)の採用を義務づける。同法案は10年以上に渡って策定されてきたもの。10月4日の欧州議会本本会議で正式に可決された。 - スマホの充電端子、なぜ「USB Type-C」に統一? iPhoneはどうなる?
欧州議会と欧州理事会は6月7日(現地時間)、あらゆる電子機器に充電用ポートとしてUSB Type-Cの搭載を義務付けるという無線機器法の改正案について暫定合意に達したと発表しました。早ければ2024年秋以降にEU圏内で発売されるスマートフォンやタブレットはUSB Type-Cの搭載が必須となります。Appleは反発していますが、既にUSB Type-Cを搭載したiPhoneをテストしているといううわさもあります。 - スマホなどの充電端子を「USB Type-C」統一 欧州で2024年秋までに
欧州議会は6月7日(現地時間)、2024年秋までに無線機器指令を施行する。EU圏内で販売されるスマートフォン、タブレット、カメラなどに共通充電規格(USB Type-C)の採用を義務づける。同法案は10年以上にわたって策定されてきたもので、2021年9月に欧州委員会が法案を提出していた。 - 「iPhone SE(第4世代)」の登場は2024年以降か ついにホームボタンがなくなりLightning廃止?
日本ではiPhone SE人気が高く、小型端末・廉価端末の需要の高さが伺えます。そうなってくると気になるのが、次期iPhone SE(第4世代)がいつ登場するのかということ。これに関して、いくつかの情報が出てきているので、まとめました。 - とっても複雑なUSB Type-Cの世界 ケーブルのトラブルを防ぐには?
従来Micro USB端子を搭載したAndroid端末が多かったが、近年はUSB Type-C端子を搭載した端末が主流だ。新しくUSB Type-C端子搭載端末を購入した人が迷うであろう、ケーブルの価格差と準拠している規格の違いを説明する。 - 気を付けないと“無駄な出費”に? 今更聞けない「USB Type-C」と「オーディオ」
3.5mmオーディオジャックを備えないAndroidスマホや一部のiPadで有線イヤフォンをつなぎたい場合、USB Type-C端子を使うことになります。実は、その際に使うオーディオ変換アダプターや直結イヤフォンを選ぶ際は、よく気を付けないといけないことがあるのです……。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.