「Xperia 5 V」は何が進化したのか Xperia 5 IVとの違いを写真で解説(2/2 ページ)
9月1日にソニーが国内投入を発表した「Xperia 5 V」。キャリアからの発表も待たれる秋冬商戦向けの新モデルとなる。先代「Xperia 5 IV」から何が進化したのかを実機でチェックした。
ディスプレイは21:9比率かつ6.1型を継承
ディスプレイは21:9比率かつ6.1型のフルHD有機ELを搭載しており、通常は120Hz駆動となっているが、ゲームをプレイする際には240Hz残像低減、240Hzタッチ検出が可能だ。
ブラビアエンジン「X1 for mobile」により高精細化が可能な他、コンテンツのフレームごとに解析して明暗部を見やすくする「リアルタイムHDRドライブ」にも対応している。
ただ、先にも述べたように、Xperia 5 IVからベゼル幅が増えたため、動画視聴の際にはディスプレイの縁(黒い部分)やや気になる。
スピーカーは定位や奥行き感をしっかり再現
続いてオーディオについてチェックしていく。Xperia 5 Vも「フルステージ・ステレオスピーカー」を搭載するが、新しい(Xperia 1 Vと同じ)アンプを搭載する。
Xperia 5 IVとXperia 5 Vを横に並べて、実際に聞き比べてみると違いがハッキリと分かる。Xperia 5 Vはアンプの駆動電圧が向上したことでパーカッションやボーカルのシャウトが聞き取りやすくなった。Xperia 5 IVでつぶれがちだった繊細な音の再現性が増し、より切れ味のあるサウンドとなっている。
ただ細部の際立ちがあるだけでなく、ベースギターやバスドラムなど80Hz近辺の低音域、ボーカル、ギター、ピアノなど400Hz〜1KHzの中音域が10〜20%向上した他、音圧が底上げされている。これらのチューニングは従来のアンプでは困難で、新しいアンプゆえに実現できたことだという。
側面に3.5mmイヤフォンジャックを備える他、さまざまなステレオ音源をマルチチャネル音源に変換する360 Reality Audio Upmix(旧360 Spatial Sound)、圧縮音源をハイレゾ級の音質にアップスケーリングするDSEE Ultimate、ハイレゾ音源をBluetoothで伝送できるLDACコーデックに対応している。
内蔵マイクでボーカルや楽器のレコーディングを簡易的に行うMusic Proアプリ(別途インストールが必要)にも対応する。
独自設計による省電力化 発熱対策も
バッテリーは5000mAh。30Wの急速充電対応アダプターを使用すると、30分で50%までの充電が可能。ワイヤレス充電や他のデバイスへのワイヤレス給電機能も搭載する。こうした点はXperia 5 IVと同じだが、ソフトウェアの処理によって電力消費を削減できた他、ソニーとQualcommとの協業で電力の最適化を行ったことから、1日使っても残量が50%になるという。
ソニーがXperiaユーザーのバッテリー標準値を使用し、インターネット閲覧、動画視聴、ゲームプレイ、その他の機能を1日当たり360分使用(1080分の待機時間)すると想定した試験に基づく数値によると、消費電力量がXperia 5 IVから約20%削減できたという。
プロセッサはXperia 5 IVのSnapdragon 8 Gen 1からSnapdragon 8 Gen 2に、メインメモリは8GB、ストレージは128GBまたは256GBとなっている。
発熱対策は従来同様に行われている。Xperia 5 Vは熱を本体内に拡散し、高温度化を防ぐ熱拡散シートを本体前面と背面に使用。熱を効率よく拡散する。また、熱拡散シートの体積はXperia 5 IV比で40%増やしたことで、安定したパフォーマンスが期待できるという。
Xperia 5 Vはどんなユーザー向け?
ここまでお伝えしたように、Xperia 5 Vは3眼構成から2眼構成になり、一見すると退化したような印象だ。しかし、複眼になる(イメージセンサーやレンズが増える)ほどコストは上がるため、カメラを減らす代わりに広角カメラで望遠を補う発想が他のシリーズで定着するのかが気になる。
動画を簡易的に編集できるアプリの新規搭載で、動画撮影から編集に至るまでの“とっつきにくさ”は払拭(ふっしょく)された印象を受けた。手にしたスマートフォンですぐに撮影し、簡単に編集してSNSやYouTubeで配信したい、という人にベストな1台といえそうだ。
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