Xperia 5 IVがスマホカメラのトレンドを変えると感じた理由(1/2 ページ)
4キャリアが発売した「Xperia 5 IV」。専用アクセサリーとの組み合わせで、いわゆるスマホVLOGが可能だ。Xperia PRO-Iなどと比べて導入のハードルは下がったのか。
ソニーのAndroidスマートフォン「Xperia 5 IV」が、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルから2022年10月に発売された。
Xperia 5 IVはアウトカメラに約1220万画素の広角、超広角、望遠の3眼カメラを搭載し、自動で被写体の瞳に焦点が合う「リアルタイム瞳AF」に対応。立体感のある音質を楽しめる独自の「フルステージステレオスピーカー」や、約6.1型の有機ELディスプレイ、5000mAhのバッテリーも備える。
プロセッサはSnapdragon 8 Gen 1、メインメモリは8GB、内蔵ストレージは128GB。nanoSIM/eSIMのデュアルSIM仕様で、おサイフケータイやIP68等級の防塵(じん)・防水にも対応する。5GはSub-6のみに対応し、ミリ波には対応しない。
これまでにXperia 5 IVとXperia 5 IIIの違いを比較した記事、価格の記事は本誌でもお伝えしてきたが、スペックや実機だけでは分からなかった見逃せないトピックがある。VLOGだ。
ソニーが推進するVLOG向けのカメラ機能と周辺機器
Xperia 5 IVは配信者に向けた動画アプリVideo Pro(Videography Pro)や、シューティンググリップなどのアクセサリーに対応しており、よりVLOGに力を入れたモデルといえる。
スマートフォンそのものの完成度が高まり市場が成熟したこともあり、昨今のデジタルカメラ市場は苦境と見られている。そこでデジタルカメラ各社がスマートフォンに対抗馬として打ち出しているのがVLOG向けのカメラだ。一方、スマートフォンメーカー各社もそれに負けじとハイエンドモデルを中心にカメラ機能を年々強化している。
このVLOG、実はコロナ前まではあまりなじみのない言葉で、SNSでもそのワードは今のように飛び交っていなかった。VLOGはVideo Blogの略で、自宅での商品紹介やマスクをして街歩きをしたような動画など、SNSやYouTubeを中心にあらゆる作品が存在している。
配信手段はスマートフォン、デジタルカメラと人によって違うだろう。スマートフォンが動画配信アプリを使って直接手軽に発信できるのに対し、デジタルカメラはレンズ交換やレンズならではのボケ表現に向いている。手持ちで簡単撮影ならスマートフォン、質を求めるならデジタルカメラがいいだろう。
だが、個人的にはスマートフォンのVLOG活用に向けた、各社の訴求力は足りないと思う。手持ちならスマートフォン1台でいいだろうが、手ブレを抑えて録画開始/停止の操作を行うならやはりコントローラーになる三脚やジンバルを別途買うはめになる。多くのスマートフォンには付属、あるいは純正のオプションが用意されていないからだ。
ところがソニーのXperiaはどうだろう。過去を少し振り返ってみると、プロクリエイター向けモデルの「Xperia PRO-I」 で初めてソニー純正アクセサリーが用意された。Bluetooth対応のシューティンググリップ「GP-VPT2BT」(家電量販店価格は1万2900円)と、それにマグネットで簡単に取り付けられる「Vlog Monitor XQZ-IV01」(家電量販店価格は2万4200円)だ。
どちらも別売りだが、これはソニーが「スマートフォンのVLOGカメラ化」に本腰を入れたと見てとれる。
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