Xperia 5 IVがスマホカメラのトレンドを変えると感じた理由(2/2 ページ)
4キャリアが発売した「Xperia 5 IV」。専用アクセサリーとの組み合わせで、いわゆるスマホVLOGが可能だ。Xperia PRO-Iなどと比べて導入のハードルは下がったのか。
Xperia 5 IVならXperia PRO-Iよりも安価にVLOGを導入できる
だが、これで手軽にVLOGを始められるか? と聞かれると首を縦に振れない。非常に高額だからだ。発表時(2021年秋)の市場想定価格はXperia PRO-Iだけで19万8000円。それから約1年後の2022年10月現在でも量販店では約15万円で売られている。いくら値下げされたとはいえ、財布のひもが緩むことはなかろう。
単純計算すると、Xperia PRO-Iにこれらのアクセサリーの価格を足した合計金額は約20万円。SIMフリー市場向けに家電量販店やAmazonで売られているため、大手キャリアのように一定期間使用した後に返却して割引を受けられない。
そのデメリットを踏まえてなのか、大手キャリアが2022年夏商戦向けのモデルとして発売した「Xperia 1 IV」、そして同じく大手キャリアが2022年秋冬商戦向けモデルとして間もなく発売する「Xperia 5 IV」でもようやくソニー純正のアクセサリーに対応した。前述のトピックというのはまさしくこれで、当初はPRO-Iでしか使えなかったアクセサリーが他の機種にも対応した格好だ。
Xperia 5 IVでも1回払いの価格は10万円を超えるが、大手キャリアの端末購入補助プログラムの利用で実質負担額を抑えることが可能だ。ソニーは対応機器と選択肢を広げたことで「VLOGカメラフォン、お高いんでしょ」とためらっていた人を、今度こそ本気で取り込めるかもしれない。
しかし、そのためには各機種の違いが分かりやすく明示されていなければならない。Xperia PRO-I、Xperia 1 IV、Xperia 5 IVはそれぞれスペックや価格帯が異なる。
Xperia 1 IVやXperia 5 IVでも手軽にVLOGを導入できることの訴求が足りない?
そもそもXperia PRO-Iは1型センサーを搭載し、イメージングを売りにした製品。プロやセミプロをターゲットとしたPROシリーズの1機種で、一般的なスマートフォンを購入する層をターゲットとしていないのは確かだ。
それに対してXperia 1 IVとXperia 5 IVは1型センサーを搭載していない。Xperia 1 IVとXperia 5 IVではVideo Pro(Videography Pro)から直接ライブ配信が行えるようになるなど、ソフトウェアの部分もテコ入れした。Xperia PRO-Iも「2022年中のソフトウェアアップデートで対応予定」だが、先に対応したのはXperia 1 IVとXperia 5 IVだ。
だが、それらの違いをソニーは分かりやすく示せていないし、公式サイトではソニーがキャリアに納入しているモデルを含めて比較できない。もちろん情報の全てをソニーがコントロールできない事情もあるだろうが、それでもユーザーから見れば「何がどう違うの?」をぱっと見で分かるようにしてほしいところだ。
とはいえ、これからのスマホ選び、特にハイエンドモデルというくくりでいえば、差別化はメーカー、端末独自の個性が光ったものの方が、評価されやすいと感じる。そういう点ではPRO-I、Xperia 1 IV、Xperia 5 IVは純正アクセサリー対応などで、他の端末との差別化を図っているといえる。
XperiaにはミッドレンジのXperia 10 IVやエントリーのXperia Ace IIIが存在する。これらも今後、純正アクセサリーに対応するかどうか、2022年11月時点では不明だが、多くのVLOGユーザーの端末をXperiaにさせられるかどうかは、ハイエンドよりも安価な端末にも左右されるところではないだろうか。
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