「Pixel 8」はもはや“AIカメラ端末”だ 8/8 Proの違い、驚きの新機能を検証:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/4 ページ)
「Googleが作ったAIスマホ」と銘打って販売されている通り、「Google Pixel 8/8 Pro」は「AIカメラ端末」といえるほどにAIによる処理機能が向上している。今回はそれぞれのカメラ性能を比較しつつ、どれだけAI機能を楽しめるのかをチェックする。
「Made by Google」で発表された「Google Pixel 8/8 Pro」だけど、イベントで目立ったのは「AI推し」。Google PixelのWebサイトへいくと「GoogleがつくったAIスマホ」とコピーがついているくらい、携帯情報端末はAI情報端末へ向かっているようで、さすが早くからコンピュテーショナルフォトグラフィーをうたうGoogleだなあと思うことしきりな昨今である。
そんなGoogleのPixel 8とPixel 8 Proのカメラ性能はどのくらいAIなのか。
取りあえず、最後に登場するけど「音声消しゴムマジック」はまさにマジックでしたよ。
新しくなったカメラアプリでProモデルとの差別化がはかられた
何はともあれ、カメラユニットの話から。
Pixel 6以来続いている帯状にデザインされたカメラ部は継承している。
一見、Pixel 8とPixel 8 Proの差はカメラがデュアルかトリプルかにあるかと思いきや、実はカメラユニットの性能も、一番重要な広角カメラについては同じものを使っているが、超広角では異なるのだ。
まずPixel 8。
デュアルカメラは超広角と広角だ。
メインとなる広角カメラは50MP(5000万画素)で絞り値はF1.68。センサーサイズは1/1.31型とこのクラスのメインカメラとしては最大級である。
超広角カメラは12MP(1200万画素)で絞り値はF2.2。AF搭載。センサーサイズはPixel 8 Proよりちょっと小さい。
続いてPixel 8 Pro。
広角カメラはPixel 8と同じ。すごいのは、超広角カメラも5x望遠カメラも48MP(4800万画素)の高画素センサーを採用してきたことだ。
超広角カメラは48MPで絞り値はF1.95。
望遠カメラは同じく48MPで絞り値はF2.8。センサーサイズは超広角カメラよりちょっとだけ小さい。
実はカメラアプリの機能もちょっと違う。Pixel 8は基本的に「オート」で撮るもの。撮影画像サイズは12MPサイズに固定されるが、カメラプリの設定からRAW撮影に変更することはできる。
【訂正:2024年3月13日21時30分 初出時、Pixel 8ではRAW撮影できない旨の記述がありましたが、誤りでした。おわびして訂正いたします。】
Pixel 8 Proになるとこうだ。「全般」(これはPixel 8の写真メニューと同じ)の横に「プロ」タグが追加されているのだ。
「プロ」を開くと項目が3つある。
1つ目は写真の画像サイズ。12MPか50MPかを選べる。
2つ目はRAWデータを一緒に保存するかどうか。まあ、RAWで撮って自分で現像するより、PixelのAIが現像してくれたJPEG画像の方がキレイなんじゃないかという問題はあるけど、それはそれとして。
3つ目はレンズの選択の「手動」だ。
「レンズの選択」についてはちょっと補足が必要かも。
カメラアプリでは0.5x、1x、5xと撮影時の倍率を選べるが、3つあるどのカメラを使うかは状況によって異なっている。
被写体が近すぎるときはオートマクロが働き、1xを選んでいても超広角カメラを使用する。5xの望遠カメラは最短撮影距離がちょっと長めなので、比較的近い距離から5xで撮ると、自動的に広角カメラのデジタル5倍ズームになる。
レンズの選択を「手動」にすると、画面上の表記が「UW/W/T」(ウルトラワイド、ワイド、望遠)の3つになり、どのカメラを使うか自分で指定するのだ。
だからこれを手動にすると、自動的に超広角カメラに切り替わる、オートマクロは使えないし、最短撮影距離より近いものを撮ろうとするとピンボケになる。だからそれを理解して使う人向けである。
関連記事
- 「Pixel 8/8 Pro」を試して分かった、カメラ×AIの驚くべき進化 値上げでもハイエンドの有力候補に
10月12日に発売される「Pixel 8/8 Pro」を一足早く試した。Pixel 8は小型化を進め、Pixel 8 Proは大画面を行かす方向に進化した。Tensor G3で実現した画像の新編集機能にも注目したい。 - 「Pixel 8 Pro」「iPhone 15 Pro Max」ガチンコ勝負 カメラ、ディスプレイ、パフォーマンスはどちらが上か
Googleの「Pixel 8 Pro」、Appleの「iPhone 15 Pro Max」が発売された。ともに2023年秋、注目のハイエンドスマートフォンで、推されているのはカメラ機能だ。特に注目したいのがPixel 8 ProのAI強化、待ちに待ったiPhone 15 Pro Maxの望遠カメラ強化だ。具体的にどういったところがそれぞれの強みなのかを実機で比較する。 - 「Pixel 8/8 Pro」は何が進化した? Pixel 7/7 Proとスペックを比較する
Googleが発表したばかりの「Pixel 8」「Pixel 8 Pro」。国内ではGoogle Store(直販サイト)、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが取り扱う。スペックについて、先代の「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」と比較し、それぞれの違いを整理した。 - 「Pixel Fold」のカメラはどう? Pixel 7 Proには一歩譲るが折りたたみ機構が面白い
とうとうGoogleも発売した、横開き式スマホ「Google Pixel Fold」。撮影の自由度が上がり、撮った写真を大画面で見られる点は折り畳みスマホの大きな魅力といえる。今回は閉じたり開いた状態での使い勝手や機能について、いろいろと遊びながら確かめてみた。 - 「Pixel 7 Pro」のカメラは何がすごい? iPhone 14 ProやPixel 6 Proと撮り比べて分かったこと
性能的にもカメラ的にも安定感があり、企業としてはとても知名度が高いのに日本ではメジャーになりきれない「Google Pixel」シリーズ。個人的にはAndroidのSIMロックフリー端末デビューに最適だと思うが、カメラの性能はどうか。「Pixel 7 Pro」の他に、「Pro」が付く端末「Google Pixel 6 Pro」「iPhone 14 Pro」のカメラを撮り比べる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.