OPPOが日本で再びスマホを拡充するワケ 「Reno 10 Pro 5G」の販売は「信じられないような伸び」(2/3 ページ)
10月6日に発売した「OPPO Reno 10 Pro 5G」は、ソフトバンクが取り扱う他、オープンマーケットモデルとしてOPPO自身でも販売する。この機種を皮切りに、OPPOは日本でのラインアップを強化していく。SIMフリーだけで販売する予定は今のところないが、2024年は2023年よりも機種数が増える見込み。
バッテリーについて10年以上の研究があり、4億人以上のデータを持っている
―― 急速充電というと中国メーカーがリードしているイメージがあります。なぜ、ここに注力しているのでしょうか。
河野氏 スマホのフィーチャーとして訴求できるポイントの1つが軽さですが、あとはカメラや基本性能ぐらいでした。ディスプレイの明るさやタッチパネルの感度もありますが、バッテリーはお客さまの安全性にも直結するため、なかなか多くのメーカーが踏み込めていませんでした。最近ではエッジAIがさらに進化するという話はあるものの、それを除くとバッテリーは最後のフロンティアです。
その中で、少なくともOPPOはバッテリーで、VOOCという名称をつけているぐらいマジメにやっていたのは、当初うちぐらいでした。題材的には、10年以上に渡った研究の歴史があり、4億人以上が使っているビッグデータもあります。そういった意味で、OPPOには知見がある。品質に厳しい日本市場においても、安心して出すに値したということはありますね。
―― 一方で、神ジューデンはメーカーをまたがったプロモーションの枠組みになり、Xiaomiの端末もこれをうたっています。他社端末も同じ神ジューデンとして並ぶなか、どうやって差別化をしていくのでしょうか。
河野氏 1つはミドルハイの端末としてしっかり訴求できるカメラや、カメラ以外の基本性能です。今回は、ソフトウェアでポートレートモードのときに自動で2倍の望遠カメラに切り替える処理を入れたり、撮影前後でお使いいただける14種類のフィルターを入れたりしています。ソフトバンクの製品の差別化について私どもが申し上げるのはおこがましいので発言は控えたいのですが、他には、やはり充電速度と価格、あとは薄さと軽さです。
―― 控えてないですね(笑)。確かに、このクラスの端末として持ったときに軽いという印象はありました。
河野氏 OPPOのユーザー調査で、いつもおほめいただくのが持ちやすさや軽さで、そこは継承していく必要があると思っています。社内の目標値として、180gという数値があり、ここにいかに近づけていくのかがポイントになります。180gも200gも変わらないという人はいますが、200gが20g軽くなれば1割ですからね。この違いは大きいと思います。
SIMフリーだけで販売する予定は今のところない
―― 実際に出されてみて、反響はいかがでしたか。ソフトバンク版だけでなく、オープンマーケット版についても教えてください。
河野氏 ソフトバンクには、非常に強力な販売推進をしていただけていて、ありがたく思っています。今回はキャリア版ということもあり、具体的な数を申し上げることはできませんが、Reno3 5Gの頃と比べると、信じられないような伸び方をしています。また、OPPOの市場認知も広がっています。SIMフリー版(オープンマーケット版)の価格は正直ソフトバンクより高いのですが、直販で買わせていただいたというありがたいお声もちょうだいしています。
―― 2つに違いはほぼないんですよね。
河野氏 はい。ソフトウェアのプリインストールが違うのと、ソフトバンクモデルはOPPO Careに入れないところが差分になります。
―― Reno 10 Pro 5Gを皮切りに、ラインアップを拡大していくというお話がありました。Reno 10 Pro 5Gはミッドハイですが、どの辺までこのレンジを広げていくのでしょうか。
河野氏 答えとしてはド直球で、全てのラインアップを投入したいと思っています。しかしながら、三方よしという言葉があるように、私どもにとってもいいし、エンドユーザーにとってもいい、さらにはそれを販売している販売店にもよかったと言ってほしい。SIMフリーだけで販売する予定は今のところなく、販売するとしたら、何らかのパートナーと一緒に組めるところがいいと思っています。それは、OPPOのよさを実感していただけるパートナーです。
―― そのパートナーには、ソフトバンクのようなMNOだけでなく、MVNOも含まれますか。
河野氏 もちろんです。
―― ちょうど、フォルダブルスマホの「OPPO Find N3」「OPPO Find N3 Flip」が発表されたばかりですが、フォルダブルはいかがですか。
河野氏 ただ、Find N3は日本で出すとすると、23〜24万円になってしまいます。20数万円のSIMフリーモデルを、果たして何人が買うのかというのはあります。やはりキャリアが乗ってくれないと厳しいですね。
―― Reno 10 Pro 5Gはおサイフケータイにも対応していますが、日本特化型のReno Aシリーズをやめてしまうというようなことはないですよね。
河野氏 今は3万円台を超えてしまいましたが、この価格帯のミドルレンジスマホは、もともとOPPOが一番得意なところです。むしろ、フラグシップはあまり得意ではない(笑)。テクノロジーショーケースとしてご用意している側面があるので、真骨頂はミッドレンジで、これをやめるということはありません。
逆に、エントリーモデルも苦手だったりするのですが(笑)。OPPOは、年間数億台という単位でQualcommと交渉していて、恐らく世界中で一番チップを買っている。2年、3年後に何億買うという話をして、その中でコストメリットを出していくメーカーです。
―― では、どのぐらいラインアップが増えるのでしょうか。
河野氏 コンサバなので、一気に増えることはありません。今年(2023年)は3機種構成で、ローエンドのAと、ミッドレンジのReno A、ミッドハイのRenoがこれに当たります。来年(2024年)の話をすると、出して4機種ですね。これがいきなり5機種になることはありません。
―― その増える1機種にFindがあるといいですね。
河野氏 これはぜひ(キャリアに)採用してほしいと思っています。
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