OPPOが日本で再びスマホを拡充するワケ 「Reno 10 Pro 5G」の販売は「信じられないような伸び」(3/3 ページ)
10月6日に発売した「OPPO Reno 10 Pro 5G」は、ソフトバンクが取り扱う他、オープンマーケットモデルとしてOPPO自身でも販売する。この機種を皮切りに、OPPOは日本でのラインアップを強化していく。SIMフリーだけで販売する予定は今のところないが、2024年は2023年よりも機種数が増える見込み。
端末ラインアップを増やし、魅力的な製品を出す方向にかじを切る
―― この時期にラインアップ拡大を図ろうと思ったのはなぜでしょうか。理由を教えてください。
河野氏 売り上げは、無理をすればいくらでも立てられます。ただ、ビジネスは、しっかり利益を出さなければならないですし、なおかつ利益が出たら社員にも還元しなければなりません。過去2年、はやり病の影響もあり、意図的にかなりポートフォリオを絞っていました。ただ、それだとお客さまに不安を与えてしまいますし、メディアの方々にも元気がないと思われてしまう。経営状況が悪くないことは逐一社員に伝えてはいましたが、それでも端末が出ないと不安になります。取引先のお客さまにも言われてしまう。それもあり、2024年度は端末ラインアップを増やすのと同時に、魅力的な端末を出す方向にかじを切りたいと考えました。
―― GoogleがPixelで7年アップデートを打ち出しました。他メーカーも含め、去年(2022年)ぐらいから積極的にアップデートの期間を公約するようになっています。OPPOもグローバルではメジャーアップデート最大4年といったポリシーですが、日本ではいかがですか。
河野氏 これはキャリアとの関係もあり、どのメーカーも言い出しづらいのだと思います。ただ、長年やっていてキャリアとの協力関係があるところは、それができています。私どもも、近いところまではやりたいと思っています。また、SIMフリーに関しては、グローバル版と同基準でやっていきます。
―― ただ、Reno Aにグローバル版はないですよね(笑)。
河野氏 はい。これはキャリア版もあるので、どこまでやるかを握った上でやっていきます。アップデートはOSとチップセット、この連携が非常に大事です。われわれは、まずGoogleが将来に渡ってサポートするチップセットを選ぶことが大事で、なおかつそれを選んだ後のGoogleとの関係も大事になります。ミッドレンジモデルでどのメーカーも似たようなチップセットを採用しているのは、そういう部分もあります。
取材を終えて:2024年はハイエンドモデルの投入にも期待
ソフトバンクの5G対応モデルとしてReno3 5Gが投入されてから、早3年。機種変更を考えるユーザーも、徐々に増えてくる。数年間お休みしていたミッドハイのスマホだが、コロナ禍も終息した今は。ラインアップを拡大する絶好のタイミングといえる。ソフトバンクが発売当初から実質価格を大幅に引き下げたことからも、その注力具合が伺える。ミッドレンジモデルでは満足できないユーザーにとって、いい選択肢が増えたといえそうだ。
ラインアップにミッドハイを加え、3階層に拡大したOPPOだが、2024年はもう1機種追加される可能性もあるという。ミドルレンジモデルの層を厚くするのか、はたまたハイエンドモデルが久々に投入されるのかは未知数だが、手ごろな価格の端末だけだと、メーカーとしての色を出しづらくなる。特にOPPOは、カメラやフォルダブルで技術力を発揮しているだけに、コスパだけのイメージがつくのは少々もったいない。キャリアの採用状況に左右される側面はあるが、ハイエンドモデルの投入にも期待したいところだ。
関連記事
- 「OPPO Reno10 Pro 5G」10月6日発売 80W急速充電対応の“約4年使える”バッテリー内蔵
OPPOが日本向けに新型スマートフォン「OPPO Reno10 Pro 5G」を10月6日に発売する。容量4600mAhのバッテリーは80W SUPERVOOCの急速充電に対応している。Snapdragon 778 5Gや光学2倍ズーム対応カメラを備える。 - OPPOが日本でのスマホラインアップを再強化へ 急速充電を訴求、ハイエンドは?
OPPOが日本で最新スマートフォン「OPPO Reno10 Pro 5G」を10月6日から順次発売する。これを皮切りに、日本でのポートフォリオ戦略を見直す。急速充電を軸に、より積極的に日本でもスマートフォンを展開していく。 - 変化が乏しい「OPPO Reno9 A」が先代より130%売れているワケ 貫いた開発思想に迫る
OPPOの日本専用モデル「Reno9 A」が先代の「Reno7 A」よりも130%売れているという。Snapdragon 695を維持したことが物議を醸しているが、価格を優先した結果。ハイエンドモデルの日本投入についても聞いた。 - 折り目が“目立たない”「OPPO Find N3」発表 Snapdragon 8 Gen 2搭載で、40個のアプリを同時に実行 約26万円
OPPOが10月19日、折りたたみスマートフォンの新モデル「OPPO Find N3」を発表した。価格は2399シンガポールドル(約26万円)だ。Find N3はOPPOの折りたたみスマートフォンの第3世代に当たり、3つのアウトカメラを搭載する。カラーについてはクラシックブラックとシャンパンゴールドの2色展開となる。 - OPPOが本気になった! カメラフォン「Find X6 Pro」(海外版)の実力を徹底検証する
2022年は1型センサーを採用した「カメラスマホ」が多く発売された年だった。Xiaomiやシャープが1型センサースマホを発売するなかで、OPPOも「OPPO Find X6」というカメラスマホを発売した。今回は同製品の撮り心地を実際に試してみる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.