スマホの「バッテリー交換」を簡単にする動きは“良しあし”両面あり:Mobile Weekly Top10
EU(ヨーロッパ連合)の指令に基づいて、ヨーロッパでは2027年までに「バッテリーを内蔵するデバイス」におけるバッテリー交換の容易化が義務化されました。このことは、一見すると良いことのように思えますがリスクも抱えています。
ITmedia Mobile Weekly Access Top10
2023年11月9日〜2023年11月15日
- 「スマホのバッテリー交換」を容易にする動きが進む それでもデメリットが消えない理由
- 日本通信の「合理的30GBプラン」は安すぎる? 福田社長「キャリアが高すぎるだけです」
- OPPOが日本で再びスマホを拡充するワケ 「Reno 10 Pro 5G」の販売は「信じられないような伸び」
- 楽天モバイル、2024年末までに800万回線突破で黒字化を目指す SPUは「多くの方々にはアップグレードになる」と三木谷氏
- 楽天モバイルの「プラチナバンド」拡大計画が遅いワケ 背景にある“複雑な事情”
- 日本通信が月額2178円の「合理的30GBプラン」発表 20GBから10GB増量、5分かけ放題付き
- 中古iPhone 11が1980円に ゲオがUQ mobileのMNPキャンペーン
- パイオニアのカーナビアプリ「COCCHi」がApple CarPlay/Android Autoと連携
- 今、あえて小型モバイルルーター「Stick WiFi」を購入した理由 これは誰向けの製品か
- ドコモのPixel 8、実質負担額を約1.8万円に軽減 「いつでもカエドキプログラム」利用で11月10日以降
ITmedia Mobileにおける1週間の記事アクセス数を集計し、その上位10記事を紹介する「ITmedia Mobile Weekly Top10」。今回は2023年11月9日から2023年11月15日までの7日間について集計し、まとめました。
今回のアクセス数の1位は、EU(ヨーロッパ連合)が進める指令に基づく「バッテリー交換の容易化」がもたらす影響を考察した記事でした。
EUに加盟する国は現在27カ国あり、加盟国は独立を保ちつつも「共通政策」を実施しています。その共通政策の1つとして2020年に定められたのが「電池(バッテリー)規則」です。この電池規則は主に「バッテリー類の生産からリユース/リサイクルまでのライフサイクル」について細かく定めているのですが、規制の中に「バッテリー駆動に対応するデバイスにおける交換の容易化」も盛り込まれています。
この命令に基づき、EU加盟国で販売されるバッテリー交換対応デバイスは、2027年までにバッテリーの交換を“簡単に”できる設計にする必要があります。EU加盟国は27カ国ですが、ヨーロッパのEU非加盟もこの規制を準用するため、この規制に対応できないと「ヨーロッパ市場を失う」ことになってしまいます。
EU指令に基づく仕様変更というと、Appleが「iPhone 15シリーズ」からメーカー独自のLightning端子を廃止して汎用(はんよう)規格であるUSB Type-C端子に移行したのも、EUが定めた「無線機器指令」に対応するためです。
このUSB Type-C端子の“強制”も、バッテリー交換の容易化の“強制”も、消費者保護の観点で行っているものです。ただ、この“強制”が技術的な革新を妨げるのではないかという意見がないわけでもありません。
スマートフォン(あるいはタブレットやPC)においてユーザーによるバッテリー交換に“対応しない”モデルが増えたのは、スリム(薄型)化とバッテリー容量の拡大という「二律背反」なニーズに応えるためという側面があります。ユーザー(≒素人)に交換させないことで、ある種の技術革新が進んだともいえます。
バッテリー交換を容易な設計にするということは、ユーザーが“安全に”交換できることが大前提です。簡単そうに思えるのですが、安全性を確保しようとするとバッテリーモジュールに一定の強度が求められるため、厚みがどうしても増してしまいます。また、本体内の配線や部品配置にも一定の制約がかかるので、設計の自由度が低くなってしまいます。
いわゆる「SDGs」あるいは「サスティナビリティー」を重視する場合、EUの命令は良いことなのですが、一定のデメリットもあります。本当に悩ましいですね……。
関連記事
- 「スマホのバッテリー交換」を容易にする動きが進む それでもデメリットが消えない理由
EUにてスマートフォンのバッテリー交換規制が強化され、2027年にはバッテリーを容易に交換できる機種でないと、同地域では販売できなくなる見込みだ。これについてメーカー各社も既に手を打ち始めている。既にEUでは「修理のしやすさ」が市場でスマートフォンを選択する上での差別化要素になっている。 - 日本通信の「合理的30GBプラン」は安すぎる? 福田社長「キャリアが高すぎるだけです」
日本通信が、月額2178円で30GBのデータ通信を利用できる「合理的30GBプラン」を発表。ネットでは「安すぎる」という反響が挙がっているが、福田尚久社長は「キャリアが高すぎるだけです」とコメント。競合サービスと比べてどれだけ安いのか? - OPPOが日本で再びスマホを拡充するワケ 「Reno 10 Pro 5G」の販売は「信じられないような伸び」
10月6日に発売した「OPPO Reno 10 Pro 5G」は、ソフトバンクが取り扱う他、オープンマーケットモデルとしてOPPO自身でも販売する。この機種を皮切りに、OPPOは日本でのラインアップを強化していく。SIMフリーだけで販売する予定は今のところないが、2024年は2023年よりも機種数が増える見込み。 - 楽天モバイル、2024年末までに800万回線突破で黒字化を目指す SPUは「多くの方々にはアップグレードになる」と三木谷氏
楽天モバイルは赤字が続いているが、営業利益は改善している。700MHz帯の獲得や新ローミング契約でネットワークの品質も改善していく。契約者数と売上アップのためには、「楽天グループのエコシステムのベネフィットを最大に活用していく」(三木谷氏)という。 - 楽天モバイルの「プラチナバンド」拡大計画が遅いワケ 背景にある“複雑な事情”
6月に導入した「Rakuten最強プラン」や各地域でのマーケティング強化、法人契約の拡大などにより、楽天モバイルが好調だ。KDDIとの新ローミング契約や、プラチナバンドである700MHz帯の獲得により、エリアの拡大にもめどが立ち始めている。一方で、同社はコスト削減の必要もあり、700MHz帯のエリア展開はやや消極的にも見える。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.