ソフトバンク宮川社長「NTTの話は詭弁だ」と一刀両断――4社社長で「ニッポンの通信の未来像」について話し合うべき:石川温のスマホ業界新聞
NTTを規制するための「NTT法」の在り方を巡って、NTTと他の通信会社との対立が表面化している。そんな中、ソフトバンクの宮川潤一社長が決算説明会で「NTTの話は詭弁(きべん)だ」と語った。その上で、宮川社長はNTTを含む大手通信事業者が話し合う機会が必要だと主張する。
もうひとつ、ソフトバンクの決算会見で山場だったのが、宮川潤一社長が「NTTの話は詭弁だ」と断言したところであった。
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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2023年11月11日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
NTTの島田明社長は全国の局舎や光ファイバーについて「民営化時に政府に株式を割り当てた時点で資産は株主である政府に帰属した」と説明。その後、3分の2を民間に移転したことに伴い、それに見合った最終的な帰属は民間の株主に移転したとしているのだ。
それに真っ向からかじりついたのが宮川社長だった。
「公社時代の継承資産を保有して運用しているのはNTT東西であり、この東西の株はNTT持株会社が100%を保有している。継承資産は株主のものとは、僕にはNTT自身が直接関係ないと言っているように聞こえた。NTT自身が継承資産を有していることの当事者意識が希薄しているのであれば残念。継承資産を国に一度、帰すべきだ」と言及したのだった。
さらに宮川社長は「NTTとNTT以外で意見が対立している。これで強行してNTT法が廃止されれば、我々は最後まで腹落ちしない。ずっとNTTを嫌いなポジションになってしまう。このシコリは10年、20年は取れないと思う」と警鐘を鳴らしたのだった。
先週、今週と決算会見が続いたため、各社幹部のコメントがメディアに流れているが、このままではどこかが反論会見をやらなければ、すんなりと自民党のプロジェクトチームから提言が提出されておしまいということになりかねない。宮川社長が「法律をなくす議論は国会ですべきではないか」と指摘するのも納得だ。
個人的には日経BPがあたりが音頭をとり、NTT島田社長、KDDI高橋社長、ソフトバンク宮川社長、楽天モバイル三木谷会長が登壇するパネルディスカッションを開けば良いと思う。それかNewsPicksで中田敦彦さんがMCでYouTubeで議論を配信してくれればいい。
NTT法を見直すか廃止するかという小さな視点ではなく、「日本の通信インフラをどうすべきか」「NTTが全国に持つ局舎と光ファイバー網をどう生かすか」という議論を、日本を代表する通信会社4社で話し合うべきだ。
ソフトバンクは北海道にデータセンターを作ろうとしている。日本発の日本語LLMを構築し、生成AI基盤を稼働させる。このデータセンターとNTTが持つIOWN網をつなげば、ソフトバンク、NTT、さらには国民にもメリットのある通信の未来を描けるのではないだろうか。
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