「NTT法は廃止ありきではない」 鈴木総務大臣がコメント
鈴木淳司総務大臣が、11月17日の記者会見でNTT法についてコメントした。自民党内ではNTT法廃止について賛成と反対で意見が割れている模様。鈴木氏は「制度が担保できなければ廃止はないと思う」とコメントした。
鈴木淳司総務大臣が、11月17日の記者会見でNTT法についてコメントした。
自民党では11月16日に、情報通信戦略調査会とNTT法の在り方に関するプロジェクトチームの合同役員会が開かれ、NTT法の見直しに向けた提言案が示された。役員会ではNTT法の廃止に反対する声と賛成する声が割れているようだが、この状況について鈴木氏は「総務省としては現在、情報通信審議会において関係事業者や団体などのさまざまなご意見をしっかり伺いながら精力的にご審議賜っている。今後、自民党の提言がまとまったら、それも踏まえつつ、国民・利用者の立場に立って、適切に対応していきたい」と述べた。
大臣自身はNTT法を廃止すべきなのか? という質問に対しては「いわゆる制度を担保ができれば廃止もあるかもしれないが、廃止ありきではないと思っており、その議論がこれから必要だと思っている」とコメント。NTTは「(NTT法で規定されている)公正競争やユニバーサルサービス責務に関しては電気通信事業法で規制できる」とのスタンスを貫いている。鈴木氏も担保について「外為法とか、いわゆる他の業法の中でそれがしっかり守られればいいが、それがない中でNTT法廃止ということはないと思っている」と述べる。この点は今後も議論の焦点になりそうだ。
なお、情報通信審議会での議論について鈴木氏は「与党内の議論は注目はするが、それについてわれわれが何かコメントすることはない」としている。
関連記事
- NTT広報室が楽天・三木谷氏の発言に「ナンセンス」と反論 その理由は?
NTT(日本電信電話)の広報室の公式Xアカウントが、楽天モバイルの三木谷浩史会長(楽天グループ社長)の投稿に対して“反論”を行った。どのような反論をしたのか、その概要を記す。 - 「電気通信事業法の改正ではNTTは規制できない」 KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルがNTTの主張に再反論
KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの3社が、NTTが11月7日に発表した「NTT法のあり方についての考え」についての見解を発表した。NTTは電気通信事業法で規制ができるとのスタンスだが、3社は「現実的ではない」と反論。ユニバーサルサービス(電話サービス)の考え方についても食い違いが見られる。 - NTT島田社長、他社の“NTT法廃止反対”について「誤解がある」と反論 「世界では20年前に終わっている議論」
NTT島田明社長が、NTT法の見直しについて、決算会見で改めてコメントした。公正競争の規制は、電気通信事業法でも規定されており、必要ならNTT法の規制を電気通信事業法に統合すればいいという考えは変わらない。競合他社の意見については「誤解がある」点も指摘した。 - NTT法を巡る議論 「NTTの見解」にKDDI、ソフトバンク、楽天モバイルが反論 「口約束に保証はない」
KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの3社が、NTTが発表した「NTT法のあり方についての考え」について反論。NTTは「公正競争はNTT法ではなく、電気通信事業法で規定されている」と述べるが、3社は、競争は電気通信事業法とNTT法の両輪で機能すると反論。不採算エリアで電話サービスが提供されなくなる恐れも指摘した。 - 「NTT東西とドコモを統合する考えはない」 NTTが“NTT法の在り方”について意見表明
NTTが10月19日、NTT法の在り方について、同社の考えを表明した。NTT法を巡っては、政府がNTT法の廃止を含めた見直しについて議論をしている。NTTは「公正競争はNTT法ではなく、電気通信事業法で規定されている」と主張する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.