ドコモら、エリアや時間/指定のネットワークスライシングの実証実験 イベント会場や災害地域などで活用
NTTドコモらは、ハイブリッドクラウド構成で構築した5Gコアネットワークと5G SAの商用無線基地局を利用し、エリアや時間を指定したネットワークスライス技術の実証実験に成功。イベント会場や災害地域などへの活用が期待できる。
NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、日本電気(NEC)、Sandvineは、1月15日にエリアや時間を指定してネットワークスライスを提供する技術の実現に向けた実証実験に成功した。
本技術はハイブリッドクラウド構成で構築した5Gコアネットワークと、NTTドコモが提供する5G SAの商用無線基地局を利用したもの。イベント会場や災害地域など通信トラフィックが集中する特定スポットで日時を指定して用途に応じた最適なネットワークの提供が可能になり、ユーザーの多様な要望に対応するネットワークを提供できる。また、Quality of Service (QoS)とQuality of Experience (QoE)を可視化し、提供するネットワーク品質の監視が可能になるという。本技術の実証実験成功は世界初をうたう。
具体的にはオンデマンドかつ即時対応を実現するネットワークスライス生成技術実証、5Gネットワーク上でのネットワークスライス接続技術実証、ネットワークスライスを活用した高精度の映像処理ユースケース実証、ネットワークスライスの品質監視技術実証を実施。利用エリアや時間などの利用用途に応じたネットワークスライスをオンデマンドで生成し、そのネットワークスライスが5Gネットワーク上で利用可能であるとユースケースを含めて商用の無線基地局環境で確認した。
「次世代クラウドスライシング」の取り組みは、1月17日からNTTドコモが開催する「docomo Open House'24」へ出展する。
関連記事
- NTTら4社、スマホとHAPSの直接通信に向け研究 超高速化技術も開発
Space Compass、NTTドコモ、日本電信電話(NTT)、スカパーJSATは、成層圏を飛行するHAPSとスマートフォンの直接通信の早期実用化に向けて、システムの開発を加速していくと発表した。合わせて、実用化後の利用拡大を見据えた超高速化技術の研究開発を始めた。 - 「docomo Open House'24」2024年1月に開催 先進技術やプロジェクトを展示
NTTドコモが、2024年1月17〜18日に「docomo Open House'24」をリアル開催する。通信技術、コミュニケーション、都市デザイン、交通、生成 AI、メタバース/XRなど6分野31展示が出展される。 - ドコモが「6G」実証実験の協力体制を拡大 新たにEricssonとキーサイト・テクノロジーが参画
NTTドコモとNTTが主要ベンダー3社と進めている「6G」に関する実証実験の協力体制を拡大する。今後、新たにEricsson(エリクソン)とキーサイト・テクノロジーが参画し、計5社でさまざまな周波数帯を想定した実証実験を推進するという。 - ドコモとYKK APが「電波の窓」を開発 電波品質改善と高断熱化を目指す
NTTドコモとYKK APは、エアロゲル素材を用いた「電波の窓」の実証実験を開始。高断熱化に伴い高周波の電波が屋内へ入りにくくなる課題を解消すべく、電波品質の改善と高断熱化の両立を目指す。 - ドコモ、屋外建物の足元エリア化手法を拡充 透過型メタサーフェスでミリ波帯がつながりやすく
NTTドコモは屋内のミリ波帯(28GHz帯)の電波をフィルム形状の「透過型メタサーフェス」で曲げ、屋外の建物の足元をエリア化する実証実験に成功。設置が容易かつ透明化も可能で、他の周波数帯に影響を与えずに利用できる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.