Xiaomiキーパーソンが語る日本市場の手応え 「ライカ」コラボモデル発売の可能性も示唆(2/2 ページ)
MWC Barcelona 2024で「Xiaomi 14」シリーズを発表したXiaomi。グループインタビューでは、日本市場での手応えや今後の戦略を語ってくれた。日本で発売された「Xiaomi 13T」シリーズも好調だという。
年内に「POCO」シリーズの新製品を発売する
―― Xiaomiの製品には「Xiaomi」「Redmi」「POCO」の3つのブランドがあります。日本での市場規模では、ユーザーに違いが分かりにくいのでは?
李氏 日本はまだこれからの市場であり、国際部(Xiaomiの部門)の大きな戦略に従う必要があると考えています。3つのブランドは、それぞれ明確にポジショニングが異なります。Xiaomiはハイテクノロジーのブランドで、ハイエンドの製品を出していきます。Redmiは、ハイエンドの機能を一般のみなさんにいいコストで提供するブランドです。POCOは、EC専用のブランド。ECチャネルのコストが最も低いため、究極のコスパを追求することができます。
ですが、おっしゃる通り、日本のユーザーにとって、これら3つのブランドを認知するのはハードルがあると思います。今後、日本市場に対する投資、そしてより多くの製品を導入するのにつれて、3つのブランドを認識してくれるようになると考えています。
―― 日本ではPOCOの新モデルがなかなか登場しませんが、今後リリースする計画はありますか?
李氏 今年の年内にPOCOの新しい製品、スペックの強い製品を出す予定があります。
―― Xiaomiのファンを増やして盛り上げていきたいという話がありましたが、具体的に、どういう人にファンになってもらいたいと考えていますか?
李氏 Mi Fan(Xiaomiのファン)の歴史を語ると、最初、中国とインドでMi Fanになる人は技術オタクの方が多かったです。18歳から30代の男性が中心で、ハードコアのテクノロジーに興味を持っていて、当初は「MIUI」をMi Fanが作ったりしていました。ブランドの成長につれて、ファン層は広がっています。中国では既に1億を超えるユーザーがいます。最近はライカとの協業をきっかけに、カメラが好きな方々もMi Fanになってくれています。
ドコモとの会話は継続していきたい テレビも好調に売れている
―― 日本で販売台数をさらに伸ばすには、最大キャリアであるNTTドコモに取り扱ってもらうのが一番だと思います。そのための秘策はないのでしょうか?
大沼氏 われわれからドコモさんに対して活動していないわけではなく、その都度、しっかりと会話をしています。いろいろ言えないことはありますが、会話は継続していきたいと考えています。
―― 昨年はKDDIからテレビ(Xiaomi TV A Pro)を発売しました。売れ行きはいかがですか?
大沼氏 おかげさまで、ものすごくいいです。KDDIさんが記事に書かれていましたが、当初予定していたより3倍ぐらい売れているそうです。
―― 売れた理由は、どこにあるのでしょうか? 指名買いが多かったのか、ショップですすめられて買う人が多かったのか?
大沼氏 コストパフォーマンスが評価されたと考えています。キャンペーンも行われたので、けっこうお得な価格で購入された方もいらっしゃると思います。それから一番根底にあるのはチューナーレステレビであったこと。若い人を中心にテレビを見ない人が増えています。ですが、映像は見るわけです。家の中心にはチューナー付きテレビがあったとして、自分の部屋ではチューナーレステレビでいい。そういうニーズが高まっていることは分かっていました。そうしたニーズに応えて、4つのサイズをそろえたことがよかったと思っています。
―― Xiaomiは家電も扱っています。今後、製品ラインアップを増やして、日本では家電メーカーとして認知されることもあるのでは?
李氏 中国では家電は大きなカテゴリーとなっています。エアコン、冷蔵庫、洗濯機など、Xiaomiの全ての家電製品が中国市場でトップ5に入っています。ただし、大きな家電を日本で販売するにはハードルがあります。配送やアフターサポートなど、付随するサービスが重要だからです。スマホを販売する以上に、複雑な準備が必要です。チューナーテレビに続く製品の導入も検討していますが、恐らく時間はかかると思います。
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