Y!mobileで激安折りたたみスマホ「Libero Flip」を投入するワケ 若年層を意識、ZTEの信頼性も寄与(2/3 ページ)
Y!mobile初の縦折りタイプのスマートフォン「Libero Flip」。2024年2月29日に発売され、Y!mobileオンラインショップ価格が6万3000円(税込み、以下同)と、7万円を切る安さに驚いた。投入の狙いなどをソフトバンクに取材した。
価格は6万円台となった理由 省令改正の影響を受けた割引額
―― Libero Flipのような価格帯のスマートフォンは今後、ソフトバンクではなくY!mobileで販売されていくのでしょうか?
宮崎氏 そのあたりは、各ブランドで出した端末に対するお客さまの反応を見ながら、検討していきたいと思います。
―― 「電気通信事業法第27条の3」に関わる総務省令が改正されたため、割引額が2万3200円となったのでしょうか。
宮崎氏 はい。おっしゃる通りです。
―― 改正前は2万2000円でしたよね。
宮崎氏 そうですね。
―― 改正前と後で1200円の差がありますが、3万円台に収めたかったという意図でしょうか。
宮崎氏 こちらもおっしゃる通り、仕上がり(割引適用後)の価格を意識した設定です。
―― 割引による効果はありましたか?
宮崎氏 まだ初めの週(インタビュー実施日が発売して間もない日)なので、これからだと見ています。
長井氏 新規契約の方がLibero Flipを購入しているようです。
宮崎氏 1台目としてはもちろんですが、2台目需要も満たせる端末なのかなと考えています。新規が多いので、その兆しがあるような気はします。
―― 一括6万円台という価格で採算は取れるのでしょうか?
宮崎氏 はい。
―― ZTEで設計を工夫されたり、スペックを抑えたりしたのでしょうか?
山田氏 恐らく頑張っていると思います。他のメーカーさんですと、チップセットといわれる部分には、ミッドハイのものを使われています。そのあたりはZTEさんにも頑張っていただいたのかなと思います。
ZTEの端末は故障率が低く信頼度が高い
―― なぜZTEのモデルを採用したのでしょうか?
宮崎氏 ZTEは、ソフトバンクとすごく密に連携しているパートナー企業の1社です。Y!mobile向けには通算5種類ほど製品を納入していますし、グローバルでもかなり製品を展開していますから、価格競争力がすごくあるメーカーさんです。比較的安価なフリップ端末を出したい、というわれわれの要望に最も近い形で応えてくれました。
ZTE製の端末は故障率が低く、他メーカーさんに引けを取らないスペックですので、製品としての信頼度が高い、というのも採用理由になります。これまでは約3万円台の端末が多かったですが、新しい市場を切り開いていきたく、ZTEさんと手を組みました。
―― Libero Flipで特徴的な機能があれば教えてください。
山田氏 まずは折りたためる構造そのものだと思います。折りたたんでコンパクトにして持ち運べる点と、サブディスプレイでさまざまな情報が確認できる点です。この2点が一番大きなポイントだと思います。OSはAndroidですので、他のストレートタイプのスマートフォンから乗り換えてお使いいただくこともできると思います。
―― ハードウェアとしては、「nubia Flip 5G」と同じですか?
宮崎氏 そうですね。グローバルモデルの詳細スペックについては公開されていないので、われわれからお答えはできませんが、差はほぼないと思います(※インタビューは、国内でnubia Flip 5Gを発表する前に実施)。
―― 発売後の反響はいかがでしょうか?
宮崎氏 フリップの形はもちろん、価格のインパクトは大きいです。やはり価格についての反響はあります。Y!mobileは既に1000万契約を超えましたので、そのお客さまからの声もこれからかなり集まってくると予想しています。
―― 他のメーカーさんを新規採用するのは難しかったのでしょうか?
宮崎氏 その物自体はよくても、デリバリーの体制が整っているかどうか、という点も重要になってきます。あとは、故障やトラブルの際、すぐにご対応いただけるかどうか、ですね。メーカーさんによっては、日本拠点がなかったり、サポート体制が整っていなかったりするので、そういったメーカーさんとの長いお取引は難しいと思います。
―― Foldと名付けられるような横開きではなく、縦折りのタイプの投入に至った理由を教えてください。
宮崎氏 高価だと買わない、という結論に至ってしまうのと、若年層を意識しているため、Libero Flipを選びました。横開きのFoldとなると、20万円前後くらいと高価な端末になってしまいますから、それはやはりソフトバンクに任せて、Y!mobileとしては折りたたみ端末の中でも比較的安価ではありながら、機能としては十分使える製品をお客さまにご提案したいという考えです。
―― 今後、横開きの検討はされていくのでしょうか。
宮崎氏 お客さまの反応を見ながらになると思います。
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