「ahamo ポイ活」はドコモにとって“1粒で3度おいしい”プラン 金融+料金プランの競争が激化:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)
ドコモが4月に開始するdポイント連動プラン「ahamo ポイ活」は、ahamoの「大盛りオプション」加入者が付けられるオプション。d払いで支払った際の還元率が3%アップするが、終了未定のキャンペーンにより、還元率が10%になる。仕組みを見ると、ドコモにとって1粒で3度おいしい、よく練られた料金プランであることが分かる。
NTTドコモは、4月1日に「ポイ活プラン」を開始する。1日時点では、まずahamoに2200円(税込み、以下同)の「ポイ活オプション」が加わる。ahamoの「大盛りオプション」加入者が付けられるオプションという位置付けで、適用されるとd払いで支払った際の還元率が3%アップするのが特徴だ。4月1日からは、終了期間未定のキャンペーンも実施され、この還元率が10%になる。毎月の上限は4000ポイントだ。
もう1つのポイ活プランが、「eximo ポイ活」だ。こちらは、3GBを超えるとデータ容量が無制限になるeximoにポイ活要素を加えたものだが、現時点では詳細が決まっていない。夏から秋にかけて正式導入される際に仕様が明らかになるという。「ahamo ポイ活」での反応を踏まえ、単純なポイント還元ではないサービスも導入される可能性もある。他社が先行していた金融・決済連動料金だが、ドコモの勝算はどこにあるのか。プランの詳細とともに、その狙いを見ていきたい。
金融・決済連携料金プランにドコモも参入、まずはahamoから
傘下の金融・決済サービスと通信料金を連動させる料金プランは、KDDIが他社に先駆けて導入していた。「auマネ活プラン」がそれだ。この料金プランは、auじぶん銀行の口座開設やau PAYカードでの料金支払いを条件に、au PAY残高へのキャッシュバックを受けられるのが特徴。KDDIフィナンシャルホールディングス傘下の金融サービスとも連動しており、金利優遇やポイント還元率アップなどの特典も用意されている。
対象サービスが多く、やや複雑になっていたauマネ活プランに対し、ソフトバンクは2023年10月にPayPayと料金プランが連動した「ペイトク」を導入する。こちらは、「ペイトク無制限」「ペイトク50」「ペイトク30」にPayPayの還元率が上がる特典が付く。データ容量無制限のペイトク無制限の場合、還元率は5%。上限は4000ポイントに設定されている。その分、PayPay連動のない通常の「メリハリ無制限+」より、料金は2200円高い。
ドコモが4月1日に導入するahamo ポイ活は、どちらかといえばソフトバンクのペイトク寄りの料金プランだ。ahamo ポイ活はahamoのオプションサービスという位置付けで、データ容量を80GB増量する「大盛りオプション」を適用する場合に申し込むことが可能。結果として、データ容量が100GBの「ahamo大盛り」にのみ付けられる専用オプションという形になっている。
決済サービスと連携する点はペイトクと同じで、d払いで支払った際の還元率が3ポイントアップする。ただし、開始当初は終了期間未定のキャンペーンで、この還元率が10%に上がっている。上限はペイトク無制限と同じ4000ポイントだ。キャンペーン期間中は、4万円分d払いで決済すれば、上限いっぱいまでdポイントを受け取ることができる。オプション料金は2200円。差し引きすると、1800円分お得になる計算だ。
通常のahamoユーザーがポイ活プランにアップグレードする場合には、1980円の大盛りオプションと2200円のポイ活オプションの2つが必要になり、料金は4180円上がる。この場合、dポイントを上限いっぱいまで受け取ることができても、実質的な料金は180円上がってしまう計算になる。ただし、付与されたポイントを料金支払いに充当した場合は、その限りではない。料金充当は税別の金額から割り引かれるため、4000ポイントが4400円になるからだ。
この仕組みを加味した場合、d払いで4万円決済すれば、ahamo大盛りが2750円になるという見方ができる。ahamo大盛りユーザーのユーザーは2200円を追加で払って4000ポイント受け取れる一方で、ahamoのユーザーはデータ容量が20GBから100GBに増え、わずかだが料金が安くなるというわけだ。d払いやd払いタッチの利用は前提だが、より多くポイントをもらいたい人や、大容量のデータ通信を安く使いたい人に向いた料金プランといえる。
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