新しいarrowsやらくらくスマートフォンは出る? Lenovoグループに入って何が変わった? キーマンに聞く「新生FCNT」(4/4 ページ)
富士通の携帯電話端末事業に源流を持つメーカー「FCNT」が、Lenovo出資のもと再出発した。「arrows」や「らくらくスマートフォン」は一体どうなるのか。Motorola(モトローラ)とどうすみ分けるのか。そしてハイエンド端末は出るのか――新生FCNTのキーマンに話を聞いた。
端末の供給(販売)先はどうする?
―― ここ数年のFCNTは、au(KDDI/沖縄セルラー電話)やソフトバンクからも発売されたarrows Weを除き、NTTドコモへの端末供給に注力していたかと思います。メーカーブランド端末も含めて、新生FCNTとして端末の供給先はどのように考えていますか。
桑山氏 歴史的な背景もあり、ドコモは大変重要なパートナーであることに変わりありません。しかし、だからといってドコモ1社にのみ端末を供給することもありません。各キャリアとしっかり関係を構築して、より多くのお客さまに自社の端末を使っていただけるように取り組みます。
そういう意味でも、エンドユーザーだけでなく、各キャリア(の端末/製品担当者)に興味を持って頂けるような製品を開発していかなければなと思います。
外谷氏 今後の市場背景を踏まえると、製品は単に送り出すだけでなく、環境への配慮など、「社会に対して責任のある製品」であることを追求していく必要があると考えています。「arrows N」では、ドコモと組んで「エシカルなスマホ」を訴求しましたが、このような取り組みはいろいろな企業と一緒にやってこそ、より広がりを持ちます。
ドコモを含む多くのキャリアと共に、社会に対して責任のあるスマホを送り出していきたいと考えています。
旧FCNTとして最後の端末となった「arrows N F-51C」ではNTTドコモと連携して「エシカル(倫理的/道徳的)」さを追求した。新FCNTでも、さまざまなキャリアやパートナー企業と協力して、責任のあるもの作りを継続していきたいという
―― メーカーブランド端末はどうですか。
外谷氏 キャリア向け端末に注力していたこともあり、SIMフリー端末は手薄になっていた面があります。arrowsやらくらくスマートフォンの良さをより知ってもらう手段として、≪SIMフリー端末にもしっかり取り組んでいきたいと考えています。
arrowsやらくらくスマートフォンは「海外でも受け入れられる」
―― Lenovoグループに入ったことで、端末事業の海外展開は視野に入れているのでしょうか。
桑山氏 現状から「次の次」になるかもしれませんが、検討は進めています。というのも、arrowsやらくらくが日本人にしか受けないということはないと考えているからです。
Lenovoグループに入った後、Lenovoグループの幹部にarrowsやらくらくを紹介すると思った以上に受けが良く、「これ、国外に持っていかないの?(海外で販売しないの?)」という提案を逆にされることもあります。スケール(規模)も狙う上では、日本国内に閉じているわけにも行きませんので、しっかりと考えていきます。
特にらくらくスマートフォンは本当に好評で「UIを全部英語にして1台用意してくれ」とお願いされたくらいです。実際に使ってみないと、良さが分からないという面もあるからだと思います。
実はらくらくスマートフォンは、フランステレコム(Orange)に「STYLISTIC S01」として提供されたこともある(参考記事)。複数国籍から構成されるLenovoグループの幹部に見せると、誰もが良い反応を示すとのことで海外への(再)進出も可能性がある
Lenovoグループとなった新生FCNTは、着実に再生の道を歩んでいるようだ。2024年夏に向けて、新端末は出るのか――いちarrowsファンとして、楽しみに待ちたい。
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