宇多田ヒカルさんのあの名曲、実はNTTドコモFOMAケータイのCMソングだった:ふぉーんなハナシ
宇多田ヒカルさんのあの名曲、実はNTTドコモ(FOMA)のCMソングだった。それは2001年11月28日に発売された「traveling(トラヴェリング)」だ。名曲travelingとFOMAはいま、どうなっているのだろうか
宇多田ヒカルさんのあの名曲、実はNTTドコモ(FOMA)のCMソングだった──。その楽曲とは2001年11月28日に発売された「traveling(トラヴェリング)」だ。
歌い出しは「仕事にも精が出る金曜の午後」から始まり、旅に繰り出すような歌詞が続く。まだ電子音で構成される楽曲を表す「EDM」という言葉すら聞き慣れない時代だったが、ポップでデジタルチックなサウンドが特徴の楽曲だった。
ドコモは同年12月から宇多田ヒカルさん出演のCMを放映した。2001年にスタートしたドコモの3Gサービス「FOMA」のエリア拡大に伴い、宇多田ヒカルさんをFOMAのCMキャラクターに起用し、CMで端末とFOMAのエリア拡大を宣伝していた。
CMは街中を歩いた宇多田ヒカルさんが空飛ぶタクシーに乗り込み、携帯電話でのコミュニケーションが始まる、という曲に合ったストーリーで、通信と端末の具体的な利用シーンが示されていた。
宇多田ヒカルさんが手にしていた端末は「P2101V」。音声通話、テレビ電話、動画配信サービス「M-stage visual」に対応し、回線交換を使った64Kbpsデジタル通信、上り64Kbps/下り最大384Kbpsのパケット通信(ちなみに503iシリーズのパケット通信速度は最大9600bps)など、当時としては先進的な機能を搭載していた。
CMにも宇多田ヒカルさんが空飛ぶタクシーに乗りながらP2101Vでテレビ電話を行うシーンがある。
そんなtravelingは6年ぶりに開催される「HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024」にて披露されるが、「綾鷹」(日本コカ・コーラ)CMソングに起用されたバージョンで、FOMAのCMではない。
2000年代以降、日本の携帯電話を支えてきたFOMAは、携帯電話からインターネットやメールを利用できるサービス「iモード」とともに、2026年3月31日で終了となる。
travelingはドコモだけでなく日本コカ・コーラのCMソングにもなり、FOMAは長い歴史に幕を閉じることを考えると感慨深いと同時に時代の流れを感じる。
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