約2万円の折りたたみケータイ「Orbic JOURNEY Pro 4G」を試す シンプルで使いやすいがローカライズに課題も:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
Orbic(オルビック)が、フィーチャーフォンの「Orbic JOURNEY Pro 4G」を発売した。主に通話やSMSなどのメッセージサービスを利用する人に向けた端末。日本で初となる「KaiOS」を搭載しており、GmailやGoogle マップなどのアプリも用意している。
日本語環境で使えるKaiOS、Googleアカウント連携も便利
JOURNEY Pro 4Gに搭載されているKaiOSは、主に海外で販売されるフィーチャーフォンに採用されてきた。日本でもHMD Globalが開発したNokiaブランドの復刻端末が、時折話題になることがある。一方で、日本市場ではこのOSを搭載したフィーチャーフォンが登場するのは初めてのこと。これまでは、日本語入力などもなく、普段使いには適していなかった。
この点の心配は無用。JOURNEY Pro 4Gは日本語表示が可能なだけでなく、日本語入力をはじめとしたローカライズも施されている。日本語入力は、予測変換にも対応。2タッチ入力など、キーを押下する回数を減らせる入力スタイルは利用できないものの、まずまずのスムーズさで文字を打っていくことが可能だ。「#」キーの長押しで、文字種の切り替えもできる。
スマホのフリック入力やキーボード切り替えに慣れているとまどろっこしく感じるが、SMS程度の短い文章やメールアドレス程度であれば、特に引っ掛かることなく入力できた。フィーチャーフォンを使わなくなって久しい筆者ではあるが、昔取ったきねづかなのか、想像していた以上には快適に文章を作成できた。タッチパネルでの文字入力と違い、キーの物理的なフィードバックがしっかりあるのも悪くない。
また、連絡先(電話帳)も「姓」「名」の順に並んでいるなど、細かな点も日本語環境にローカライズされている。フリガナを付けられないのは難点だが、最低限の日本語化はされている。細かな点では、主要な国内MNO、MVNOのAPNもあらかじめ登録されていたので、自分の回線に合ったものを選択するだけだった。
もう1つ、連絡先に関しては、Googleアカウントときちんと同期できるため、スマホとの2台持ちをした際の使い勝手がいい。連絡先の管理はスマホでやっておき、実際に検索や電話をかけるのはJOURNEY Proという使い分けも可能。Googleアカウントでログインできるのは、日本で販売されているフィーチャーフォンにない利点だ。これのおかげで、メールの設定も非常に簡単で、すぐに使い始めることができた。
ちなみに、上で掲載したJOURNEY Proで撮った写真は、Gmailに添付し、PCあてに送る形で端末内からデータを移している。キャリアメールなどは使えないものの、ある程度、それをGoogleのサービスで代替可能だ。Googleマップもプリインストールされており、経路検索なども行える。フィーチャーフォンではあるが、一部スマホ的なサービスも活用できるというわけだ。
ただ、アカウントを登録しても、なぜかカレンダーの同期はできなかった。同期設定は済ませているため、筆者の環境で何らかの不具合が起こっている可能性もある。GmailもHTMLメールの場合、文字が小さすぎて読めないことがあった。液晶の解像度が低いためだ。また、GPS対応だが測位が遅いのか、Googleマップで不正確な位置が表示されることもあった。低スペックのフィーチャーフォンゆえに、それなりの制約もある点は念頭に置いておきたい。
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