楽天三木谷氏が語る「AI」×「モバイル」の未来像 「楽天モバイルAIアシスタント2.0」も展開予定(2/3 ページ)
楽天グループの三木谷浩史氏が、Rakuten Optimismのオープニングキーノートで登壇し、AIに対する取り組みを中心に語った。楽天グループでは、誰もがAIを活用できる「AIの民主化」を目指しており、そのためには3ステップが必要だという。「楽天グループの全てを包含したコンシェルジュ」サービスも開発している。
若年層を中心に楽天モバイルのユーザーが増えている
三木谷氏は「楽天グループが、なぜモバイルという非常に挑戦的なことをやっているのか」も語った。冒頭で述べたように楽天モバイルは「人工知能の分野におけるニューロン、伝送路を作っている」が、今までのモバイルネットワークは「古い専用型のサーバを使った人力によるネットワーク」で、楽天モバイルのネットワークは「それまでは不可能と言われた仮想化(ネットワーク)。ソフトウェアによって構成されていて、抜本的、根本的に違うもの」とおなじみの説明を展開した。
仮想化ネットワークのメリットは、「単純にコストが安いことだけではなくて、人間ではなくAIがネットワークをデザインし、マネジメントできること。設計、構築、デプロイ、セキュリティ、運用監視、それからトラブルがあったときの対応も、基本的にはAIベースで行っている」。
また、ユーザー対応も今後はAIでの対応が増えていく。今後展開予定の「楽天モバイルAIアシスタント2.0」は、「こんなサービスないですか?」「海外に行くときに使って大丈夫ですか?」「家族が増えたけど、どうしたらいいですか?」といった質問にもAIがより自然な形で回答し、サポート。携帯市場の民主化を進めるという。
三木谷氏は「AIはみなさんのもの」といい、楽天モバイルは「みなさんをつないでいく伝送路を安く、自由に、制限なく使っていただくため」に最強プランを提供。携帯料金の値下げに寄与し、消費者物価指数の上昇も抑制していると語った。
「今まで出してこなかった」楽天モバイルユーザーの年齢構成も紹介した。2024年6月末時点の人口対契約回線比は、23歳から29歳が9.7%、30歳から34歳までが10.7%、35歳から39歳が10%、40歳から44歳までが8.5%と、若者層を中心に楽天モバイルユーザーが増えている。
楽天モバイルのユーザーになると「副次的な効果」もあり、契約者は非契約者より楽天グループのサービスを2.45個多く使う。買い物も約50%多い。
三木谷氏は「エコシステムの根幹は楽天モバイルが加わることによって強化されている」と述べ、MMD研究所の「通信4キャリアユーザーの共通ポイント・金融サービス利用に関する調査」のデータも紹介。4キャリア全てで、楽天カードと楽天証券の利用者が最も多い。楽天ポイントも他3キャリアで2位。楽天経済圏の強さをアピールした。
「楽天モバイルの方が電波が入る」という声も
ネットワーク品質の向上についても言及。6月下旬から商用サービスを開始したプラチナバンドについて、「プラチナバンドが始まるということは、本当に画期的なことなので作った」というテレビCMを紹介した。
5Gの取り組みも紹介。「爆発的に5Gネットワークを増やして」おり、楽天の5Gネットワークは8割超でMassive MIMOを採用するという。「そうすると、ますますスピードがよくなってくる。でも、いくら使っても2980円(税別)というところがミソ」。また、人口カバー率は他社と遜色ない99.9%。「最近は『楽天モバイルの方が(電波が)入る。この会社は入らない』という言葉をたくさんのところで聞くようになった」と胸を張った。
2026年には、米AST SpaceMobileの衛星とスマホ間がブロードバンドで直接つながる「スペースモバイル」を始め、「自然災害が起こっても、必ずインターネットにつながる状況を確立する」。
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