IIJのモバイル回線数が500万を突破 IIJmioは解約率低下、ARPU向上の効果も
IIJ(インターネットイニシアティブ)が8月7日、2024年度第1四半期の決算を発表した。モバイル事業については、法人と個人を合わせた総回線数が502万5000に達した。勝栄二郎社長は、春商戦が好調で、端末の品ぞろえが豊富であることをアピールした。
IIJ(インターネットイニシアティブ)が8月7日、2024年度第1四半期の決算を発表した。売り上げは前年同期比17.3%増の720億2000万円、営業利益は前年同期比10.4%減の44億8000万円の増収減益となった。
事業別の売り上げは、ネットワークサービス(モバイルを除く)が270億5000万円、モバイル・IoTが120億円1000万円、SI(システムインテグレーション)が126億1000万円(構築)と196億4000万円(運用)で、いずれも好調を維持している。一方、VMwareのライセンス費用が増加したことで、営業利益は前年度を下回った。この費用増は期初から見通していたもので、渡井昭久CFOによると、「営業利益は期初に見通していたよりも若干いい形で推移している」とのこと。
モバイル事業については、法人と個人を合わせた総回線数が502万5000に達した。このうち、法人モバイルは255万3000回線、個人向けIIJmioが129万回線、MVNEは118万2000回線となっている。法人モバイルは2023年度第4四半期から約20万回線の純増を果たしており、特に「ネットワークカメラ、デバイス接続の取引量や新規獲得が増えている」(渡井氏)という。
IIJmioは2023年度第4四半期から約1万6000回線の純増。ギガプランの契約数は106万9000に達した。国内のSIM型MVNOのマーケットシェアで、IIJmioは2024年3月末時点で21.6%の1位を維持している。
6月には、長期利用者向けの優待施策として「IIJmioご愛顧感謝特典」を発表し、まずは端末の割り引きを行う「mio優待券」の配布をスタートした。mio優待券は6月21日に始めたばかりなので、効果が出るのはこれからだろうが、「この施策の影響かは分からないが、解約率は着実に低下している」と勝栄二郎社長。直近の手応えとしては「春商戦が非常に好調。特にモバイル端末の品ぞろえが豊富だ」と話す。ギガプランで30GB、40GB、50GBの大容量データを扱うようになり、ARPUも上がっているという。
質疑応答では生成AIについての話題になり、IIJとしてどのように取り組んでいくかの質問に対して、鈴木幸一会長が回答した。
IIJとしては、社内の業務やソフトウェア開発を、AIでどこまで運用できるか取り組んでおり、「IIJでかなりの効果が出れば、サービスとして外に出したいかは考えている」とのことだが、鈴木氏個人は「わりと冷ややかに見ている」という。「普通の人がやっていることをAIで代替できるかなと思っている。業務などで生成AIを使ってできることはやっていきたい。将来的にAIがどこまで行くかは分からない。生成AIはカッコいいけど、大したことは言っていない」と同氏。
鈴木氏が冷ややかに見ている理由は「過去の蓄積されたデータの処理やデータの収集は速いが、ロジックやアイデアは変わらない」から。「これだけ処理が速くなり、膨大なデータを瞬時に解析して予測する。それに対して結果を出すことに意味があるとは思っている」と持論を述べた。
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