「iPhone 16/16 Pro」に触れて実感した進化 16/16 Plusの性能底上げで“間違いない選択肢”に(1/3 ページ)
9月20日に発売される「iPhone 16」シリーズを試した。おあずけ状態になっているApple Intelligenceだが、それを除いても、ハードウェアは進化している。新たに搭載された「カメラコントロール」やカメラ機能、処理能力などを検証した。
9月20日に、iPhone 16シリーズ全4機種が発売される。「Apple Intelligenceのために設計された」とうたっているように、iPhone 16シリーズは4モデルとも同機能に対応。Apple Intelligenceはソフトウェアアップデートでの対応になるが、それを動かす器として仕様を最適化した格好だ。一方で、日本での対応は既報の通り2025年になり、細かな時期は明言されていない。
おあずけ状態になっているApple Intelligenceだが、それを除いても、ハードウェアは進化している。対応を前提にしつつ、あらかじめ端末を購入しておいてもいいだろう。その意味で、今すぐ入手するかどうかは、新たに搭載された「カメラコントロール」やカメラ機能、処理能力などで判断することになる。そんなポイントに絞りつつ、発売直前に試用したiPhone 16シリーズをレビューしていきたい。
Apple Intelligenceのために設計されたとうたうiPhone 16シリーズ。左から「iPhone 16 Pro Max」「iPhone 16 Pro」「iPhone 16」「iPhone 16 Plus」
iPhone 16/16 Plusの性能が底上げされ、プロモデルに近づく
2022年に発売されたiPhone 14シリーズ以降、プロモデルとノーマルモデルはプロセッサに差がつけられてきた。大ざっぱにまとめると、プロモデルには最新のAシリーズが搭載されていたのに対し、ノーマルモデルに採用されるのは1世代前のプロセッサというのが通例になっていた。結果として、iPhone 15シリーズはプロモデルがApple Intelligence対応なのに対し、ノーマルモデルは非対応になっている。
これに対し、iPhone 16シリーズでは、ノーマルモデルの性能が底上げされ、プロモデルに限りなく近くなっている。プロモデルには「A18 Pro」、ノーマルモデルには「A18」と違いはあるものの、その差は最大120HzのPro Motionや動画処理、USB Type-Cの転送速度といったプロモデルならではの機能を制御するコントローラーに集中している。プロセッサの基本をそろえることで、4モデルを一気にApple Intelligenceに対応させたというわけだ。
GPUのコア数がA18 Proは6コア、A18は5コアと違いもあるが、以前ほどの差はなくなっている。実際、ベンチマークアプリ「Geekbench 6」で測定したスコアも、それを物語る。iPhone 16 ProはCPUのシングルコアが3274、マルチコアが8004なのに対し、iPhone 16はシングルコアが3109、マルチコアが7280で性能はややプロモデルが上といったところ。GPUも同様で、iPhone 16 Proが3万2911なのに対し、iPhone 16が2万6583となっている。

こちらはiPhone 16での計測結果になる。CPUのマルチコアがiPhone 16 Proに比べて低いのは、キャッシュ容量の違いが原因かもしれない。GPUも、コア数が1つ少ない分だけ数値が低いものの、これでも十分高性能だプロモデルの方が性能が上という点は変わっていないものの、その差がかなり縮まった格好だ。実際のところ、1年前のプロセッサだからといって極端に性能差が出るわけではないものの、Apple Intelligenceのようにパフォーマンスを求められる場合には、ユーザー体験にも違いが出てくる。こうした点を考慮して、ノーマルモデルを選ぶのをためらっていた人もいるはずだ。逆に言えば、その差が小さいiPhone 16シリーズは、あまりパフォーマンスを気にせず選ぶことができる。この点は、iPhone 14シリーズ以降で最大の変化といえそうだ。
ちなみに、Geekbenchでスペックを見ると、プロモデルとノーマルモデルのどちらも、メモリ(RAM)は8GB搭載していることが分かる。iPhone 15シリーズもプロモデルには8GBメモリが搭載されていたが、ノーマルモデルは6GBだった。オンデバイスAIを快適に動作させるうえで重要なメモリだが、Apple Intelligenceに対応するため、この部分でもノーマルモデルを底上げしたことがうかがえる。
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