「iPhone 16/16 Pro」に触れて実感した進化 16/16 Plusの性能底上げで“間違いない選択肢”に(2/3 ページ)
9月20日に発売される「iPhone 16」シリーズを試した。おあずけ状態になっているApple Intelligenceだが、それを除いても、ハードウェアは進化している。新たに搭載された「カメラコントロール」やカメラ機能、処理能力などを検証した。
カメラコントロールの操作感は? 新しくなったフォトグラフスタイルも要注目
新たに加わったカメラコントロールも、プロモデルとノーマルモデルの共通点だ。これは、2段階の感圧センサーと静電容量式のセンサーを組み合わせたボタンで、その名の通り、カメラをコントロールするために使用する。一般的なシャッターボタンとの違いは、単に押し込めるだけでなく、左右のスワイプにも動作が割り当てられているところにある。
初期状態では、カメラコントロールをクリックすると即座にカメラが起動する。もう一回クリックすると、シャッターが切られる。カメラアイコンをタップし、シャッターボタンをタップするのを1つのボタンで済ませられるため、素早い撮影が可能だ。特に本体を横位置で持つと、人差し指が自然とカメラコントロールに当たるため、操作がしやすい。iPhoneを、よりデジタルカメラのように扱えるようになったといえそうだ。
ただし、現状では半押しにフォーカスロックが割り当てられておらず、年内のアップデートで対応する予定だ。これができないことで、少々操作に戸惑うこともあった。これは筆者がデジタルカメラで撮影する際に、フォーカスロックをかけた後、シャッターを切っているためだろう。現状だと、半押ししたときにズームなど、ユーザーが選択したメニューが表示される。半押ししてからシャッターがクセになっていることもあり、間違えてズームしてしまうことが何度かあった。デジタルカメラに慣れていると戸惑うところなだけに、早期の対応を期待したい。
カメラコントロールは、半押しを2回した後左右にスワイプすることで、ズーム以外の機能に切り替えることが可能だ。半押し2回には慣れも必要になるが、操作体系をいたずらに複雑にせず、各機能にスムーズにアクセスできるのはiPhoneの美点だ。半押しした際に「トクン」と返ってくるフィードバックも心地いい。ここで呼び出せるのは、「露出」「被写界深度」「ズーム」「カメラ(どのカメラを使うかを切り替える機能)」「フォトグラフスタイル」「トーン」の6つ。利用頻度としてはズームが多そうだが、人によっては露出やフォトグラフスタイルを頻繁に呼び出すこともありそうだ。
なお、カメラコントロールによるカメラの起動は、感圧センサーのみをトリガーにしているため、指でタッチしなくてもカメラを起動できてしまう。試用時に困ったというわけではないが、ギュッと本体を握ったとき、間違ってカメラが起動することもありえなくはない。こうした誤動作が心配なときには、設定でカメラの起動をカメラコントロールのダブルクリックに変更できる。使い方に合わせ、この設定は変更しておくといい。
新しくなったフォトグラフスタイルも、シリーズ共通で搭載されている。これまでのフォトグラフスタイルは写真全体のトーンを変更していたが、新機能では、人肌(スキントーン)を調整しつつ、背景などの色味の変更は最小限に抑えられるようになっている。また、トーンマップを使って調整できるようになったUI(ユーザーインタフェース)も、フォトグラフスタイルの新機能だ。加えて、これらの調整を撮影後に適用できるようになった。
スキントーンの好みは人それぞれで、白っぽい方がいい人もいれば、温かみのある方がいい人もいる。筆者の場合、好みに近いのは「ローズゴールド」や「ゴールド」。これらを設定した写真を見た後、標準に戻すと、色が少々浅いように思えてくる。AI任せにしてしまうと、好みと違うスキントーンになってしまうこともあるが、これを手動で変更できるのは面白い。
動画の音声を調整する「オーディオミックス」も、iPhone 16シリーズ共通の新機能。例えば、「フレーム」を選択すると、写っている人以外の音が小さくなり、被写体の声が強調される。「スタジオ」だと、より反響を抑えたクリアな音声になる。以下が、標準とフレームの効果を100にした動画。標準だと騒音がかなりあり、筆者の声もはっきり聞こえるが、フレームだとあたかも一人語りしているように仕上がる。
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