KDDI×ローソンの「リアルテックコンビニ」始動 Ponta経済圏拡大、povoの利用促進を目指す仕掛けとは(3/3 ページ)
三菱商事、KDDI、ローソンの3社は9月18日、「コンビニの未来の姿」を明確にし、その実現に向けた取り組みを始めた。同日、3社トップが顔をそろえた。この記事ではコンビニとモバイルの関係性などを解説する。
KDDIはポイント経済圏の拡大など、ローソンは街づくりを目指す
KDDIはこうした取り組みだけでなく、「Pontaポイント経済圏の拡大」「通信サービスの活用」により、ユーザーとの接点を強化していく。
Pontaについては、10月2日にクーポンやコンテンツのセットサービス「auスマートパスプレミアム」を「Pontaパス」へリニューアル。月額料金は548円(税込み)となっている。ローソンで利用可能な無料、割引クーポンを週替わりで提供する他、ローソンでau PAYを利用するときにPontaポイント還元率を上乗せするなどして、「お得」をアピールしていく。
高橋氏は「ローソンが5月から全国に導入した次世代発注システムのAICO(アイコ)、KDDIが持つデータ、在庫データ、SNSのトレンドデータなどを組み合わせて、利用者に合う商品をレコメンドするサービスも提供したい」と今後の構想を語った。
通信サービスの活用については、オンライン専用ブランド「povo」とローソンの連携を指す。KDDIはローソンに来店した人に対して、1回あたり100MB(月あたり1GB、最大10回)を付与する「povo Data Oasis」を2024年内に開始予定だ。「皆さんがお使いの主回線にトラブルがあったとき、主回線においてデータ上限に達したときに、このサービスをお使いいただける」と高橋氏。
来店時に自動でチャージされるのかどうかについては、こう説明した。「来店時にアプリケーションでの操作は少し必要になると思うが、GPSのデータ(スマートフォンの位置情報)を組み合わせながら確認をしてチャージをする(ような仕組みになる)と思う」(高橋氏)
KDDIはローソン店頭でのデータ専用eSIMも同年度内に販売開始予定で、これら2つのサービスで「ローソンへの来店機会を増やす」(高橋氏)狙いがあるようだ。「povoはさまざまなサービスに埋め込まれていくようなイメージで、2つのサービスはコンビニエンスストアに埋め込まれる1つのサービスの形としてご提案した。povoを使うとコンビニへ行きたくなるようなサービスを目指している」(高橋氏)
このように、3社が描くコンビニの未来像の実現が目前に迫っているわけだが、実はローソンとして目指すのは「コンビニのさらに先の世界観」だ。「血脈を超えた老若男女が楽しくリアルで出会い、リアルで過ごして、それをテクノロジーで便利につないで、サービス展開していく――そんなハッピー ローソン・タウンづくりにチャレンジしていきたい」と竹増氏は熱弁する。
街中でドローンでの商品配送、ローソン運営の農場/保育園の併設、自動運転バスの運行などが実現する予定だ。ローソンは4月、この街づくり構想を「ハッピー ローソン・タウン」と銘打ち、2030年の実現を目指すことを発表していた。「次の50年」を竹増氏は「店舗の出店・運営にとどまらない」年とし、小売業態の1つであるコンビニの垣根を越え、テクノロジーで人同士をつなぎ、コミュニティーを作っていく考えを示した。
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