ニュース
ソフトバンクの無人飛行機「Sunglider」が成層圏飛行に成功 HAPSの商用化に向けて大きな一歩
ソフトバンクがAeroVironmentと共同で開発を進めているHAPS用大型無人飛行機「Sunglider(サングライダー)」の最新機体が成層圏飛行に成功した。ソフトバンクにおけるHAPS商用化に向けて、大きな一歩だという。
ソフトバンクは10月2日、HAPS(成層圏プラットフォーム)向けに米AeroVironmentと共同開発を進めている無人飛行機「Sunglider(サングライダー)」の最新機体が成層圏飛行に成功したことを発表した。へき地や被災地における通信を確保する手段としてのHAPSの商用化に向けた、大きな一歩となる。
Sungliderは78mの翼幅を備え、HAPS用無人飛行機としては大型だ。その大きな翼を生かして、最大75kgの通信機器類を搭載できるようになっている。
今回の実証実験に使われた最新機体は、構造面や機能面におけるさまざまな性能を向上し、米国防総省における実証実験の要件を満たすスペックを具備した。これを受けてAeroVironmentと米国防総省が8月上旬(米国山地夏時間)に米ニューメキシコ州で実証実験を行ったところ、成層圏を飛行できたという。
実験の結果を受けて、ソフトバンクはSungliderのさらなる改良を進め、HAPSの商用化につなげたい考えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ソフトバンクが6G時代の先端技術を披露 上空エリア化から自動運転、障害に強いネットワークまで
ソフトバンクは技術展示イベント「ギジュツノチカラ ADVANCED TECH SHOW 2023」を開催した。自動運転やHAPS、Beyond 5G/6G時代の携帯電話ネットワークなど、研究開発中の先端技術が紹介された。
ソフトバンクが6G開発に向けた計画を公開 空中含む「エリア100%」や量子コンピュータ対策も
ソフトバンクが7月14日、5Gの次世代通信を担う「6G」についての12の計画を公開した。社会インフラとして重要な役割を担うモバイル通信をさらに発展させ、山間部や海上などを含む地球全体を通信エリア化するという。2030年に実用化が予想されている量子コンピュータへの対策やCO2排出の「ネットゼロ」にも言及している。
ドコモら、空飛ぶ基地局「HAPS」で直径100キロをエリア化 26年商用化を目指すも、実現には課題も
NTTドコモなど4社は無人航空機で携帯電話網をカバーする「HAPS」の商用サービスを2026年に日本国内で開始する方針を示した。実現すれば、HAPSの商用展開として世界初の事例となる。
衛星通信サービス「Starlink」は誰向け? 将来的にはスマホとの直接通信も視野に
KDDIは10月19日、衛星通信サービス「Starlink」に関する記者説明会を実施した。Starlinkは、大量の低軌道衛星で地球上をカバーする米SpaceX社の通信サービス。au網のエリア補完に活用し、将来的にはスマホと衛星の直接通信も視野に入れている。
