「Xiaomi 14T/14T Pro」開発の舞台裏 深化したライカとの協業、スマホの中身も強化して「ギアが2段上がった」(1/3 ページ)
Xiaomi Japanは、廉価ハイエンドモデルの「Xiaomi 14T」「Xiaomi 14T Pro」を発売する。2機種ともカメラ機能をライカと共同開発しており、日本で販売されるXiaomi Tシリーズとしては初めて同ブランドを冠している。AI機能やスマホとしての完成度にもこだわった14Tシリーズの狙いを聞いた。
Xiaomi Japanは、廉価ハイエンドモデルの「Xiaomi 14T」「Xiaomi 14T Pro」を発売する。前者は12月中旬にau、UQ mobileが、後者は11月下旬にソフトバンクが販売を開始する予定だ。また、Xiaomi 14T ProはXiaomi自身もオープンマーケットモデルを投入する。2機種ともカメラ機能をライカと共同開発しており、日本で販売されるXiaomi Tシリーズとしては初めて同ブランドを冠しているのが特徴。いずれも日本向けのカスタマイズが施されており、おサイフケータイにも対応する。
Xiaomi 14Tシリーズは、9月に独ベルリンで発表された端末で、その約2週間後に日本でもお披露目された。2023年に登場した「Xiaomi 13T」「Xiaomi 13T Pro」よりもタイムラグを短くした格好だ。グローバルイベントから間髪入れずに日本での導入を発表したところからも、Xiaomi Japanがこの2モデルにかける気合いがうかがえる。Xiaomi Tシリーズとして初のライカブランドを冠したモデルなだけに、ユーザーからの注目度も高まっている。
ライカだけに注目しがちだが、Xiaomi 14T/14T ProはAI機能も強化。ボイスレコーダーの文字起こしや翻訳機能などにも対応している。また、Googleとの連携も深め、サムスン電子に続き「かこって検索」を搭載。Geminiアプリもプリインストールする。では、Xiaomi Japanはどのような戦略でこの2モデルを販売していくのか。取締役社長の大沼彰氏と、プロダクトプランニング部 本部長の安達晃彦氏に話を聞いた。
「何でライカが付いていないの」という声があった
―― まずは2機種を日本に投入する狙いを教えてください。
大沼氏 昨年(2023年)はグローバルでライカが入っていて、われわれも付加価値として検討していましたが、日本ではそれができませんでした。キャリアとのビジネスの中で発表はしましたが、やはり皆さまからのご意見として「何でライカが付いていないの」という声もありました。
今年(2024年)は、Xiaomi 14 Ultraをライカ共同開発モデルとして発売できましたが、あの機種は(広く)ユーザーに届けるには少しお値段も高めです。それもあって、(Xiaomi 14T/14T Proには)期待を持たれていたのではないでしょうか。Xiaomi 14T Proは昨年から価格も据え置きで、なおかついろいろなアプリケーションも含めて進化をしています。
―― ライカの画質が入ったことで、商品性も高まったと思います。
大沼氏 Xiaomiのブランドを上げる価値もあります。単にライカの名前を使っただけではなく、ソフトウェア、ハードウェアともにコラボレーションしながら取り組んできました。アプリの改善も含めてやってきましたが、これからそれをどうお伝えしていくかというところです。
―― 一方で、今回はGoogleとの協業も目立っていました。
大沼氏 ご存じの通り、GoogleとはXiaomi設立時からずっと一緒にやってきていますが、最近はそういった取り組みを全面に押し出せるような内容のものが増えてきました。根底ではずっとやっていましたが、ユーザーに見えやすい形で特徴が出てきたのだと思います。
安達氏 Xiaomi 14T/14T Proはこれまでになかったシリーズではなく、日本市場では11、12、13に続く4世代目の端末です。下期には、フラグシップ級の機能をお手頃な価格でという思想に基づいた端末を投入し続けています。大沼からお話ししたように、今回はそのギアが変わり、カメラにライカがついて、AI機能もより分かりやすい形で追加されました。また、お客さまの声をうかがった上で、Proは非接触充電にも対応しています。チップセットもシンクロする形で、MediaTekのAIに強いものを採用しました。
スマホが停滞しているという空気もありますが、同じシリーズの中で、ギアが2段ぐらい上がったような形でローンチできたと考えています。お客さまのフィードバックを見てもそれを感じていますし、実際に商品の仕上がりもよくなっています。
Googleとの協業というところでいうと、Androidをどうプレミアム化していくかを戦略的に取り組んでいるところです。その結果として、今年はXiaomi 14 Ultraという形として市場に出すことができましたし、Xiaomi 14T/14T Proも積極的なサポートをいただいています。これは、先頭グループとしてGeminiアプリやかこって検索を搭載できたことや、いくつかのサービス特典にも表れています。
AIはロールアウトの時点から日本語に対応 カメラの画作りにも活用
―― AIに関しては、独自実装されたところも進化していますが、文字起こしなどがいきなり日本語対応したのには驚きました。
安達氏 規模が大きくない国や地域は後回しになっていますが、日本語にはロールアウトのタイミングから対応できました。試していただければ分かりますが、精度もそこそこあります。ここまで本格的に生成AI的なものを取り入れてから、まだ日は浅いですが、業界での動向も含めて注視しています。
大沼氏 AIについてはわれわれも注目しています。独自AIで進化していくところでは、競争も始まりました。当たり前にできるものと、われわれ独自のとがったところのバランスは見極めていきたいですね。
―― とがったところというと、今回はどのような機能になりますか。
安達氏 AIポートレート(写真を元に、ポートレート画像を生成できる機能)ですね。
―― 確かに、発表会で安達さんのポートレートが大写しになったところは面白かったです(笑)。
安達氏 他にもグラフィック系は分かりやすく、消しゴムも「消しゴムプロ」という名前になり、精度が上がってにじみが出にくくなりました。AI画像拡張もそうですが、あの辺は日常的に使えるので分かりやすいですね。
あとは黒子としてのAIで、カメラの画作りにもめちゃくちゃAIを使っています。生成AI的なものが注目を集めがちですが、昔からある機械学習もいろいろなところで使っています。アプリケーションとして表に出ていないところにも、AIは使われています。
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