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「Galaxy S25」シリーズが“Androidを再構築”したといえるワケ GoogleとAI強化も差別化には課題も石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

「Galaxy S25」シリーズのハードウェアや外観は2024年に発売された「Galaxy S24」「Galaxy S24 Ultra」から大きな変更はない。一方で、サムスン電子がUnpackedで全面に打ち出したのは、「Galaxy AI」や「Gemini」の進化だった。こうした点から、サムスン電子の新たなAIスマホ戦略が垣間見える。

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Gemini Liveも進化、独自機能のAIセレクトでは操作の提案も

 また、対話型のAIである「Gemini Live」も進化し、Galaxy S25シリーズとPixelシリーズで画像や動画に関する解説が可能になる。Unpackedでは、冷蔵庫の中にある食材を写し、それを使って作れる料理をGemini Liveが回答するデモが披露された。レストランのメニューを写し、会話で予算を伝え、その範囲内で注文できる最適な組み合わせを提案するといった使い方も披露された。

Galaxy S25
Galaxy S25
冷蔵庫にある食材から、レシピを提案。Gemini Liveがマルチモーダル化したことで、これが可能になる
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メニューを見て、予算に応じた注文の提案もできる

 同様のことを、検索やアプリだけで実現するのは難しい。先に挙げたGeminiのアプリ連携とは異なるが、これもAIエージェントの1つの形といえそうだ。このGemini Liveの機能には、Googleが2024年5月に開催したGoogle I/Oで披露した「Project Astra」の技術が採用されている。イベントにビデオメッセージを寄せたGoogle DeepMindのCEO、デミス・ハサビス氏は「われわれがサムスンと提携し、その画期的な機能をGemini Liveにもたらすことに興奮している」と語った。

Galaxy S25
ビデオメッセージでUnpackedに登場したGoogle DeepMindのハサビスCEO

 これらはどちらかといえばGeminiの機能で、Googleの技術に依存している部分は大きいが、先に挙げたシームレスなアプリ連携では、サムスン電子も開発に関与しているという。Galaxyシリーズに内蔵されるアプリが対象になっているのは、その証拠だ。アプリ連携では、検索結果を「Samsung Notes」アプリに保存したり、Galaxyの標準アプリであるカレンダーに登録できたりと、端末の機能としっかり連携している。

 Google マップやGmailといったGoogleアプリも対象だが、それをサムスン製のアプリと連携できる点はGalaxyならでは。近いタイミングでこの機能が実装されるGoogleのPixelシリーズと、差別化も図れている。この点では、2024年に同様の座組で導入されたかこって検索よりも、サムスン電子の強みを生かすことができるといえそうだ。同機能は今後、他のAndroid端末にも搭載されていくことになるとみられるが、先行搭載以外の面でも差別化を図れる。

Galaxy S25
Geminiのアプリ連携で利用できるのは、Googleアプリとサムスン電子のアプリ。自社サービスが対応できているのは、共同開発しているからこそといえる

 他社との違いを打ち出す点では、サムスン電子が独自に実装した「AIセレクト」も目新しい機能だ。これは、画面内に表示されているコンテンツをAIが読み取り、次に取るべき最適なアクションを提案するというもの。画面上に外国語で書かれたレストランのメニューを表示している場合には「翻訳」や「マップ」が表示された他、ドキュメントデータを開いているときには文章生成ツールが提案された。

Galaxy S25
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画面に表示されているコンテンツに応じた機能を提案するAIセレクト
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画像とテキストが混ざった書類を囲ったところ、文章内の単位変換や画像の生成AI編集といった機能が提案された
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外国語のレストランのメニューを囲むと、翻訳やマップが候補に挙がる。前者は文字の翻訳、後者は近い場所にある同ジャンルのレストランを検索するためのボタンだ

 AIセレクトは、どちらかといえばユーザーがやりたいであろうことを先回りして提示する機能で、ユーザーが指示を与えて目的を達成するGeminiとはやや趣が異なるものの、スマホの操作を助ける点は共通している。ここで示したように、Galaxy S25シリーズやOne UI 7に搭載されるGalaxy AIやGeminiは、文章作成や画像生成にとどまらず、ユーザーの行動を支援するものに進化した格好だ。

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