「iPhone 16e」と「iPhone SE」の使い勝手を実機で比較 サイズや画面の見やすさはどう違う?(3/3 ページ)
6.1型の有機ELディスプレイを搭載した「iPhone 16e」。ホームボタンと指紋認証のTouch ID、4.7型の液晶ディスプレイを搭載した「iPhone SE(第2世代)」。実機を用意し、使い勝手を比較した。
キーボードを片手で入力しやすいのはどちら?
最後に、片手でiPhone標準のキーボード入力がしやすいのはどちらか考えてみよう。結論としては、iPhone SE(第2世代)の方が操作しやすい。その理由は、iPhone 16eよりも横幅が4.2mmスリムな67.3mmであるためだ。71.5mmのiPhone 16eでも片手入力は可能だが、画面の端から端まで指を届かせやすいのは、やはりコンパクトなiPhone SE(第2世代)だろう。
ただし、これは日本語配列のテンキーを使用する場合の話だ。QWERTY配列では、iPhone 16eの方が各キーがiPhone SE(第2世代)よりも大きく表示されるため、打ち間違いが少ない。
画面の左端から右端までキーが並ぶ点はどちらも同じだが、iPhone 16eではキーを切り替える際などに使う「地球儀のようなマーク」「音声入力キー」がQWERTYキーの下に配置されているため、キーの間隔に余裕があり、iPhone SE(第2世代)よりも打ちやすいと考えられる。
なお、iPhone標準キーボードは左右どちらかに寄せて使うこともできる。これも試したが、結論は変わらなかった。横幅71.5mmのiPhone 16eでは片手入力がしやすくなるものの、日本語配列のテンキーではiPhone SE(第2世代)の方が打ちやすい。一方、QWERTYキーボードでは、キーが詰まっているiPhone SE(第2世代)よりも、iPhone 16eの方が快適に入力できる。
キーボード左下の地球儀のようなマークを長押し(ロングタップ)し、ポップアップウィンドウ下部に表示される左右の矢印が付いたキーボードのアイコンをタップすれば、片手で入力しやすくなる。画像は日本語配列のテンキーを左側に寄せた様子
iPhone SE(第2世代)とiPhone 16e、どちらが使いやすい?
このように、iPhone SE(第2世代)とiPhone 16eのサイズとディスプレイの見やすさを比較すると、どちらにもメリットとデメリットがある。特に一度に表示できる情報量では、iPhone 16eに軍配が上がる。iPhone SE(第2世代)は、ディスプレイが小さいとはいえ、片手で持ちやすい。
加えて、iPhone SE(第2世代)はディスプレイから遠くない位置、ひいては親指がすぐ届く位置にホームボタンがあるため、ロックされた状態で親指を置けば、Touch IDでロックを解除でき、1度押せば作業中の画面からすぐにホーム画面に戻れる。この使い勝手はiPhone SEやベースモデルのiPhone 8ならではといえる。
iPhone 16eには、Touch IDを兼ねたホームボタンはないが、顔を立体的に捉えて認証するFace IDがある。ホームボタンが省かれた分、ディスプレイサイズも大きい。Face IDが機能するためのTrueDepthカメラがディスプレイ上部にあるため、コンテンツを全面いっぱいに拡大したときには阻害されるが、それでも大きいディスプレイはアドバンテージだ。
iPhone SE(第2世代)とiPhone 16eを片手で握っている様子。iPhone SE(第2世代)はコンパクトで持ちやすいが、iPhone 16eはボディーサイズが大きい分、ディスプレイも大きく見やすい
(製品協力:ソフトバンク)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「iPhone 16e」発売後に「中古iPhone SE」の売れ行きが倍増したワケ SE人気はいつまで続くのか
伊藤忠グループのBelongは、「iPhone 16e」の発表に伴い、中古スマホ販売サイト「にこスマ」における「iPhone SE」シリーズの販売動向を発表した。携帯電話市場では、「iPhone SE(第3世代)」の在庫がキャリアで一斉になくなったり、小型スマホを求める声がSNSで一部見られたりした。iPhone SEシリーズはなぜここまで人気なのか……?
「iPhone 16e」にまつわる7つの謎 「e」の意味は? LTE対応バンドはなぜ減った? Appleキーパーソンに聞く
最新「iPhone 16e」について、Apple ワールドワイドiPhoneプロダクトマーケティング担当バイスプレジデントのカイアン・ドランス氏にお話を聞いた。iPhone 16eのeに込められた意味や、カラーバリエーションが2色の理由は? 初の自社開発モデム「C1」についても聞いた。
新型iPhoneはなぜ「iPhone SE」ではなく「iPhone 16e」なのか
iPhone 16eは、従来の「iPhone SE」シリーズの系譜に位置付けられるモデルだと考えると、製品名は「iPhone SE(第4世代)」とするのが妥当だ。しかし、ふたを開けてみたら、製品名はiPhone SE(第4世代)ではなくiPhone 16eだった。その理由はデザインとApple Intelligence対応にあると考える。
iPhone SE(第3世代)の新品在庫が“ほぼ”全滅 「16e」に落胆した人が大手キャリアで買い占めか
2025年現在、小型の部類に入る4.7型ディスプレイとホームボタンを備えた「iPhone SE(第3世代)」。大手通信キャリアでは、既に在庫がなくなっている。なぜだろうか。
「iPhone 16e」実機レビュー カメラや処理性能、独自モデム「Apple C1」による通信品質はどうか
iPhone 16eは、iPhone SE(第3世代)の後継モデルと呼べる存在だが、iPhone 16のファミリーとして登場。これまでiPhone SEシリーズの特徴だったホームボタンを廃している一方で、処理能力の高さは受け継がれている。実際の使い勝手を確かめるべく、発売に先立って試用できた実機をレビューしていきたい。


