「メルカリモバイル」を契約して“ギガの売買”にチャレンジしてみた お得度や通信速度も検証:スマホ料金プランの選び方(1/3 ページ)
メルカリモバイルは、データ通信量や請求額をメルカリのアプリ上で管理できる点に加え、特にデータ容量(ギガ)が売買できる点が話題になりました。筆者も早速契約し、通信速度の検証や、実際にギガを売買してみました。通常のメルカリとは異なるフローであることが分かりました。
メルカリが3月4日、格安SIM「メルカリモバイル」の提供を開始しました。データ通信量や請求額をメルカリのアプリ上で管理できる点に加え、特にデータ容量(ギガ)が売買できる点が話題になりました。筆者も早速契約し、通信速度の検証や、実際にギガを売買してみました。※料金は全て税込み。
メルカリモバイルの料金プラン 他社に比べると割高
まずはメルカリモバイルの料金プランを解説します。
- プラン:月額990円/2GB、月額2390円/20GB
- 国内通話料金:22円/30秒
- 通話定額オプション:なし(後日提供予定)
- 回線:ドコモ回線、5G対応(au回線にも対応予定)
- SIMタイプ:eSIMのみ(SIMカードは後日提供予定)
- 登録手数料:3300円
- 支払い方法:メルカード、メルペイのあと払い
- 容量追加購入:550円/1GB
メルカリモバイルの料金プランは月2GBで月額990円と、月20GBで月額2390円の2つです。契約時には3300円の登録手数料がかかります。現在はeSIMのみ利用できますが、いずれは物理SIMにも対応する予定です。
【訂正:2025年3月26日21時00分 初出時、Androidスマートフォンに対応予定とする旨の記述がありましたが、掲載時点では対応していたので、該当の記述を削除いたしました。】
MVNOによくある「低速モード」「専用アプリやオートプレフィクス付与で通話料金が半額」といった機能はありません。「余ったデータの繰り越し」もなく、データ容量はメルカリ上で売買することで当月中に調整することになります。
月2GBで月額990円という料金は、日本通信(月額510円)やIIJmioのギガプラン(月額850円)に比べると少し高いです。同じく月額2390円の20GBプランも、5分かけ放題込みで月額1390円の日本通信や、月25GBで月額2000円のIIJmio、月20GBで2178円のmineoなどに比べると高いです。
ただし、メルカリモバイルは余ったデータ容量を売買できるため、2GBや20GB以外の容量でも細かく調整できるのがメリットです。今後ユーザーが増えて安くデータ容量が買えるようになれば、他社よりもお得になる可能性もあります。また、メルカリやメルカードユーザーはモバイル料金がお得になるプログラムも展開予定とのことです(詳細は未定)。
一方、基本料金は日本通信の方が安く、IIJmioなら余った容量が翌月に自動で繰り越されるため、今はこちらの方が安心かもしれません。現時点ではメルカリモバイルを選ぶメリットはあまりなさそうですが、今後のアップデートに期待しましょう。
メルカリモバイルを契約してみた 意外なつまずきポイントも?
筆者も早速メルカリモバイルを契約してみました。記事執筆時点でAndroidスマホは非対応だったため、引き出しに眠っていた「iPhone SE(第2世代)」を引っ張り出し、メルカリアプリをインストールして契約を進めます。
ところが、契約時の本人確認で早速つまずいてしまいました。メルカリの登録住所が引っ越し前のままで、これを変更しないと契約に進めません。筆者はメルカリのヘビーユーザーで頻繁に売買をしており、配送先住所は変更済みでしたが、それとは別に登録住所の変更も必要だったようです。慌てて免許証の画像をアップロードして変更を申請したものの、審査完了が翌日になってしまい、出ばなをくじかれた格好になりました。
住所変更完了後、改めてメルカリモバイルの申し込みを進めます。契約時の本人確認はマイナンバーカードをかざすだけで、面倒な本人確認書類の撮影やカメラでの自撮り、首振りは不要です。
ただ、契約完了直前で再びつまずいてしまいました。メリカリモバイルの支払い方法はメルカード、またはメルペイのあと払いのみです。筆者はメルカードを持っておらず、メルカリアプリ上でメルペイあと払いの有効化もしていなかったので、最後の最後でアラートが表示され、最初からやり直しになってしまいました。これから契約する人は、事前にメルペイのあと払いをオンにしておきましょう。
申し込み完了後、審査結果は翌日午前中までに出ると表示されましたが、筆者は7分後に審査通過の連絡がきました。その後は画面の指示に従ってeSIMの設定を進めます。eSIMの発行にはEID(eSIMの識別番号)の登録が必要ですが、iOSは設定画面からコピー&ペーストが可能です。画面上で丁寧な解説があるため、迷うことなく入力ができました。
eSIMの発行には10分ほどかかりましたが、その後プロファイルのインストールを終えると無事に使えるようになりました。筆者は住所変更に半日かかってしまったものの、それがなければ30分ほどで使えるようになるはずです。
通信速度を計測 お昼はやはり厳しい?
MVNOで気になるのが通信速度です。筆者もメルカリモバイルの速度を測定しました。
測定条件
- 測定日:3月24日(月)
- 測定場所:福岡市天神エリア
- 測定端末:iPhone SE 第2世代
- 測定アプリ:Speedtest by Ookla
朝10時すぎに測定すると、15〜30Mbpsほどの速度が出ていました。決して速いとはいえませんが、スマホの通信速度は3Mbpsもあれば動画も快適に視聴できるため、この速度なら十分です。今回は4Gのみの測定ですが、5Gにつながればもっと速くなる可能性もあります。
最も気になるのが昼12時台の通信速度です。メルカリモバイルも速度は大体2.5Mbps強で、1.63Mbpsという結果もありました。最低限の速度は出ていますが、この速度ではWebサイトやSNSの画像表示が遅れたり、動画が詰まったりすることもあるでしょう。13時を過ぎると7〜8Mbpsになり問題なく使えるようになりましたが、12時台は我慢が必要かもしれません。
夕方に速度が低下するMVNOも多いですが、メルカリモバイルは15〜30Mbps前後で問題ありません。ただし、特に金曜日や祝前日は夕方に回線が混雑することもあるので頭に入れておきましょう。
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