「NHK受信料がいらない」テレビは誰向けか チューナー内蔵テレビは「オワコン」なのか(3/3 ページ)
近年、内蔵チューナーのない「チューナーレステレビ」が注目されている。これは地上波の受信ができず、NHKを含むテレビ放送を視聴できないタイプのテレビを指す。チューナーレステレビを導入することで得られるメリットとデメリットは何か、また、チューナー内蔵テレビが必要なのはどのような人なのかを考えてみたい。
チューナー内蔵テレビは「オワコン」なのか……?
……と、ここまで聞くと、「チューナー内蔵テレビはもう必要ないのでは?」と思うかもしれない。あるいは、「地上波放送は時代遅れで、すでに終わったコンテンツ(オワコン)なのでは?」という考えが浮かぶかもしれない。
しかし、実はチューナー内蔵テレビにも確かなメリットがある。
チューナー内蔵テレビは、どのような人にとって必要なのか。メリットを考えてみる。1つは、リアルタイムにテレビ番組を視聴したい、あるいはそのような視聴習慣がある人だ。
TVerでも、主にゴールデン・プライムタイム(19時頃〜23時頃)を中心とした時間帯の番組なら、リアルタイムに視聴できるが、全番組ではない。見逃し配信サービスを活用する手もあるが、放送後1週間程度の視聴期限や広告挿入の制約がある点には注意が必要だ。
もう1つのメリットは、災害時のテレビ視聴だ。「災害時の情報収集手段」を重視する人にとっても、チューナー内蔵テレビは必要だ。災害時に通信障害によりネットワーク環境が確保できなければ、いくらプラットフォームの多いチューナーレステレビでも太刀打ちできない。
ネット全盛期の現在は、需要が薄れているかもしれないが、チューナー内蔵テレビはブルーレイディスクレコーダー一体型のモデルも多く、録画後すぐにディスクに保存したい場合にも役立つ。
オールインワンをうたうチューナー内蔵テレビが多機能であることも、本体価格に少なからず影響しており、機能を求め使いこなす人にとってはメリットといえるため、チューナー内蔵テレビの全てが悪とは言い難い。
どちらを取るか悩ましいテレビ選び――「コスト」か「機能」か
このように、ネット動画配信サービスが全盛の現在、チューナー内蔵テレビの必要性が薄れてきたように思われるが、テレビ放送の全ての番組のリアルタイム視聴には欠かせない存在で、大規模災害によってネット環境が絶たれれば、チューナー内蔵テレビの利便性が再び注目されそうだ。
とはいえ、最初はチューナーレステレビを導入したものの、必要に迫られて後から追加コストを払い、チューナーやアンテナを取り付けることは可能となる。
チューナーレステレビとチューナー内蔵テレビにはそれぞれメリットがあり、一概にどちらがベストとはいいづらい。チューナーレスかチューナー内蔵かで迷った場合は、 「本当に地上波を観る機会があるのか?」 を基準に考えるといいだろうが、利用環境や予算の考慮も忘れずに選びたい。
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