NTTがNTTデータグループを完全子会社化へ グローバル事業やAIサービスを強化
NTTが5月8日、NTTデータグループの完全子会社化について発表した。5月9日から6月19日まで、NTTデータの普通株式を公開買付けにより取得する。NTTグループのキャッシュフローと資金調達力を生かし、北米マーケットやAIサービスの強化、データセンターの拡大などを図る。
NTTが5月8日、NTTデータグループの完全子会社化について発表した。NTTは5月9日から6月19日まで、NTTデータの普通株式を公開買付けにより取得する。1株あたり4000円で、総額2兆3000億円超となる。
完全子会社化の目的について、NTTは「親子上場に伴う利益相反」「複雑な意思決定プロセス」「経営資源投下に伴う株主への説明責任」といった課題の解消を挙げる。
NTTグループのキャッシュフローと資金調達力を生かし、北米をはじめとする海外事業やAIサービスの強化、データセンターの拡大などを図る。NTTデータグループとNTTグループ各社の連携によって法人営業も強化していく。研究開発の分野では、IOWNを活用したデータセンターの高度化や、tsuzumiを活用したAIの社会実装も推進する。
ガバナンスの簡素化や重複機能の整理により、迅速な意思決定を目指す。AIも最大限活用してグループを横断したDXを推進することで、CX(顧客体験)の高度化やEX(従業員体験)の向上を目指す。
NTTデータグループとNTTグループ各社での連携も強化する。法人営業分野ではNTTコミュニケーションズと、AI技術ではNTTテクノクロスと、ITサービスを活用したBPO事業ではNTTマーケティングアクトProCX、NTTネクシアと、研究開発分野ではNTT研究所と連携していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ドコモがNTT Com/コムウェアの子会社化を発表
NTTドコモが、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)とNTTコムウェアの子会社化を発表。法人ユーザーへのワンストップでのサポートや、移動と固定を融合した高品質で経済的なネットワークの実現を目指す。法人事業とスマートライフ事業のさらなる成長と通信事業の構造改革を推進していく。
会食問題でドコモのNTTコム子会社化に待った 21社が総務省に意見書を提出
ソフトバンクやKDDIなど電気通信事業を行う21社が4月5日、総務省に連名意見書を提出した。NTT持株のNTTドコモ完全子会社化が与える影響を中心に議論する「公正競争確保の在り方に関する検討会議」の報告書(案)に対するもの。NTT持株と総務省の会食問題により、情報通信行政がゆがめられたのではないかとの懸念を指摘する。
NTTのドコモに対する株式公開買い付けが終了 ドコモを完全子会社化する手続きを開始へ
NTTが進めてきたNTTドコモ株式の公開買い付けが終了した。今後、NTTはドコモの完全子会社化に必要な手続きを進める。
NTTによるNTTドコモの完全子会社化 KDDIとソフトバンクの反応は?
NTTがTOB(株式公開買付)によるNTTドコモの完全子会社化を発表した。携帯電話事業でドコモ、固定通信事業でNTT東日本やNTT西日本と競合するKDDIやソフトバンクは、この動きをどのように受け止めたのだろうか。
ドコモ完全子会社化の背景にある“危機感” 法制度上は「問題ない」とNTT澤田社長
NTTがNTTドコモを完全子会社することが9月29日に決定した。NTTの澤田純社長は、ドコモの収益が3番手になり、競争環境が変わったことから完全子会社化を決めたという。一方で公正競争を阻害するのでは? との懸念については「法制度上は問題ない」との認識を示した。
「公正競争を阻害する」 KDDIやソフトバンクらが“ドコモ完全子会社化”の意見申出書を提出
電気通信事業サービスを提供する28社が11月11日、NTT(持株)のNTTドコモ完全子会社化に関する意見申出書を総務大臣に提出した。ドコモの完全子会社化は公正競争を阻害するというのが趣旨。子会社化は阻止できないが、しっかり議論をすべきと主張している。



