約10万円〜の新フラグシップ「AQUOS R10」発表 ピーク輝度3000ニトの明るいディスプレイ搭載、スピーカーも強化
シャープが新型スマートフォン「AQUOS R10」を発表。AQUOS R9から約1.5倍明るい、ピーク輝度3000ニトのPro IGZO OLEDを搭載している。大型のスピーカーBOXを本体上下に搭載しており、上部のスピーカーBOXをフルメタルにすることで、音圧が増した。
シャープが5月29日、新型スマートフォン「AQUOS R10」を発表。グローバルモデルとして、日本の他に台湾、シンガポール、インドネシアで7月上旬以降に順次発売する。国内キャリアでは、NTTドコモとソフトバンクが扱う。シャープが販売するオープンマーケット向けモデルもあり、価格(税込み)は256GBモデルが10万円程度、512GBモデルが11万円程度を予定している。
AQUOS R10は、2024年に発売した「AQUOS R9」をブラッシュアップさせた、フラグシップモデル。視聴体験を向上させており、シャープは「生で観るより生々しい」とのキャッチコピーで訴求する。
AQUOS R9から約1.5倍明るい、ピーク輝度3000ニトのPro IGZO OLEDを搭載している。「バーチャルHDR」も搭載しており、HDRに対応していない動画配信サービスなどのコンテンツを、HDRにコンバートして明るく表示する。リフレッシュレートはコンテンツに応じて1〜240Hzで駆動し、静止状態のときは更新回数を減らしてバッテリー消費を抑えてくれる。
大型のスピーカーBOXを本体上下に搭載しており、上部のスピーカーBOXをフルメタルにすることで、音圧が増しているという。立体音響技術「Dolby Atmos」もサポートしており、臨場感あふれる視聴体験を目指した。音量に合わせて周波数特性を制御する新音響技術により、音量を小さくしても高域や低域が聞き取りやすくなったという。「8Way Audio」技術により、イヤフォンで聴く音も空間オーディオへ変換できる。
カメラは引き続きライカカメラが監修し、アウトカメラは約5030万画素の広角(標準)と超広角で構成されている。焦点距離とF値は広角カメラが23mm、F1.9、超広角カメラが13mm、F2.2。広角カメラには1/1.55型の新たなイメージセンサーを採用しており、暗部のノイズを低減する画像処理技術によって、より鮮やかに夜景を撮影できることをうたう。AQUOS R9 proが採用していた14chスペクトルセンサーも備えており、薄暗い室内など色味の調整が難しい環境下でも、自然な発色で撮影できる。
AIを活用した合成処理技術も取り入れており、RAWデータを超える情報量で画像を合成することで、デジタルズームやナイトモードで撮影した際の精細さや階調感が向上したという。写り込んだ影をAIが消す機能は、AQUOS R9でもおなじみの料理に加え、AQUOS R10では書類にも対応した。
PROモードにすると、「Dolby Vision」で動画をより色鮮やかに撮影できるようになる。AIが被写体の動きを予測して追尾するオートフォーカスにも対応し、被写体が物陰に隠れて出てきた後も捉え続けてくれる。
生成AIを活用した機能も強化している。通話をしている際、会話中のキーワードをAIが自動で抽出してメモに残してくれる。キーワードはリスト化して表示でき、メモに日時が含まれている場合は、カレンダーアプリで予定に登録するか提案してくれる。
プロセッサはAQUOS R9と同じSnapdragon 7+ Gen 3で据え置き。メインメモリは12GB、内蔵ストレージは256GBと512GBを用意し、microSDスロットでストレージを拡張できる。バッテリー容量は5000mAhを確保している。
発熱対策については、ベイパーチャンバーとCPUの間に、高熱伝導素材である銅ブロックを圧着している。これにより、CPUからの熱をより効率よく拡散し、長時間の動画撮影をするなど、高い負荷をかけてもパフォーマンスを維持できるという。
デザイナーの三宅一成氏が率いる「miyake design」監修のデザインを、AQUOS R9から継承している。円でも四角でもない自由曲線が特徴のカメラの台座や、光沢感のあるガラス素材は建材だ。カラーバリエーションは、カシミヤホワイト、チャコールブラック、トレンチベージュの3色を用意している。
本体はIP68の防水・防塵(じん)に加え、「MIL-STD-810G」準拠の耐衝撃性能も確保している。本体サイズは75(幅)×156(高さ)×8.9(奥行き)mm、重量は約197g。nanoSIMとeSIMのDSDV(デュアルSIM、デュアルVoLTE)、おサイフケータイとNFCにも対応している。OSはAndroid 15をプリインストールしている。
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