スマホとマイナンバーカードで「パスポート(旅券)」を更新して分かったこと 窓口が遠い人や時間のない人にはメリット大(課題もあり)(4/4 ページ)
海外に渡航する際に、唯一の身分証明書となる「パスポート(旅券)」ですが、2025年3月の法改正によって切り替え(更新)を含むほぼ全ての手続きをオンラインで行えるようなりました。パスポートの更新で、スマートフォンでオンライン申請を試してみました。
クレジットカード/デビットカード払いだと受け取りは5分で終了
マイナポータルでパスポートの新規発行/切り替え手続きを行った場合、受け取りが可能になった場合でもアプリやメールで通知されない場合があります。
東京都の場合、独自に「旅券作成状況照会サービス」というサービスを運用しており、そこで受け取り可能かどうか確認できます。申請時に希望したパスポートセンターの名称を選択し、マイナポータルの通知(またはPDF形式の受付票)にある「申請受理番号」を入力すると受け取りの可否が表示されます。
その他の道府県(市町村)については、受け取れるようになった際の通知方法が異なると思われます。東京都でも、島しょ部の町村役場で受け取る場合は町村役場から直接連絡が来るようです。
受け取り可能となったら、申請時に選択した受け取り箇所に向かいます。その際に必要な持ち物は以下の通りです。
- マイナポータルからダウンロードした受付票
- 印刷して持ち込んでも、スマホでPDFファイルを表示しても可
- 現在使っているパスポート(切り替えの場合のみ)
- 手数料(現金払いの場合)
筆者は東京都の有楽町パスポートセンター(東京都千代田区)で受け取ることにしました。
有楽町パスポートセンターは「申請」と「受取」で導線が分かれており、オンライン申請をした人は「受取」に行くことになります。申請側の窓口に行かず、ストレートに受取窓口に行くのは新鮮です。
窓口申請をした人の場合、受取窓口に行く前に手前の納付窓口で手数料の納付(東京都手数料の支払い+国手数料分の収入印紙の購入)が必要ですが、オンライン申請の場合は何もせずに、まず受取窓口に行く必要があります。
受取窓口に着くと、オンライン(電子)申請専用のコーナーがあります。係員に声を掛けて、受付票の二次元コードを読み取ってもらってください。
クレジットカード/デビットカードでの支払いを事前登録している場合、このタイミングで決済が行われ、正常に決済されると「引換書」が渡されます。これに現在のパスポートを添えて引換窓口に提出してください。
現金払いの場合も同様に引換書が渡されますが、クレジットカード/デビットカード払いとは若干様式が異なります。これを持って納付窓口に行き、手数料を支払う必要があります。証印を受けて収入印紙をもらったら受取窓口に戻り、証印付きの引換書と収入印紙に現在のパスポートを添えて引換窓口に提出してください。
引換窓口にもろもろを提出して少し待つと係員に呼び出され、新しいパスポートを受け取りに来たのが本人なのかどうか確認されます。本人だと確認されると、以前のパスポートの無効化処理を施し、新しいパスポートと共に渡されます。
今回は手数料をクレジットカードで支払いましたが、受け取りに来てからわずか5分で全てが終わりました。これは間違いなく最短記録です。
窓口に出向くのが1回で済む しかし「受け取り日数」に課題
今回、初めてパスポートのオンライン申請をしてみましたが、窓口に出向くのが受け取り時の1回だけでいいのは大きなメリットです。キャッシュレス派としては、事前登録は必要なもののクレジットカードやデビットカードで手数料が支払えるのも助かります。
しかし、ほぼ全ての手続きがオンライン申請可能となったことで、オンライン申請が殺到し、結果としてパスポートの発給までに余計に時間を要するようになってしまったことは大きな課題です。私の想像では、特に写真回りで申請不備が相次いでいるんじゃないかとにらんでいるですが、どうなんでしょうか……?
ともあれ、発給が遅いなら早めに申請すればいいだけの話なので、これからはオンライン申請で行こうかなと思います。
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