スマホゲームで犯罪に関与する恐れも 「オンラインカジノ」で賭博をした際の法的リスク
近年、オンラインカジノの利用が社会問題となっています。特にスマホゲームの延長として軽い気持ちで始めた結果、知らぬ間に違法行為に関与してしまうということも。警察庁も注意喚起を行っており、利用者はそのリスクを正しく理解しておく必要があります。
近年、オンラインカジノの利用が社会問題となっています。特にスマホゲームの延長として軽い気持ちで始めた結果、知らぬ間に違法行為に関与してしまうということも。警察庁も注意喚起を行っており、利用者はそのリスクを正しく理解しておく必要があります。
オンラインカジノは、スマホやPCを通じて、スロットやポーカーなどのカジノゲームを楽しむサービスです。もちろん、純粋にゲームを楽しむだけであれば問題はありませんが、金銭を賭けることは賭博となり、違法となります。
オンラインカジノは明確な「犯罪行為」
海外の事業者が合法的に運営しているものであれば、日本国内から利用しても犯罪にならないと考えている人もいるかもしれませんが、警察庁によると、「海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪」とのこと。現在、日本国内から利用できる合法的なオンラインカジノは存在しません。
オンラインカジノの実態把握のための2024年に行われた大規模調査(※PDF)によると、日本国内におけるオンラインカジノの利用者数は推計で約196.7万人、年間賭額の総額は約1兆2423億円に上るそうです。また、2024年中には279人が検挙されており、前年の107人から大幅に増加しています。
アンケート調査を実施した2万7145人のうち、56.5%が違法性を「認識していた」と回答した一方で、43.5%が「認識していなかった」とのこと。また、オンラインカジノ利用経験者(942人)の60.2%は違法性を認識しながらもオンラインカジノを利用しており、39.8%の経験者は違法性を認識していませんでした。
特に注意しなければいけないのが、最近増えているスマホから利用できるオンラインカジノで、中にはスマホ用の専用アプリを用意しているものもあるそうです。そうしたオンラインカジノでは、ログイン不要で無料で利用できる「デモプレイ」が可能だったり、「ボーナスポイント」を付与してユーザーを誘導したりしています。そして、ついのめり込み、本登録をしてしまうということも少なくないようです。
オンラインカジノに関与した場合の法的リスク
実際にオンラインカジノを利用した場合、以下の様な罪に問われる可能性があります。
- 賭博罪:賭博をした者は、50万円以下の罰金または科料
- 常習賭博罪:常習として賭博をした者は、3年以下の懲役
他にも、利用者というわけではありませんが、以下のような事例もあるとのことです。とくに賭博ほう助罪は、YouTuberやブロガー、SNSなどを使うアフィリエイターは注意したいところです。
- 賭博開帳図利罪:日本国内において、海外に設置されたサーバ上のオンライン賭博サイトを運営し、賭客に賭博をさせていた者を賭博開帳図利罪で検挙
- 賭博ほう助罪:海外のオンラインカジノサイト運営者との間でアフィリエイト契約を結び、動画配信サイトなどで海外のオンラインカジノサイトを利用するように勧誘していた者を常習賭博ほう助罪で検挙
- 組織犯罪処罰法違反:決済に関与した場合、海外のオンラインカジノサイト運営者から収納代行を請け負ったように装って、自身が管理する銀行口座に、同カジノサイトへの賭け金を入金させた者を組織犯罪処罰法違反で検挙
手を出さないのが肝心
オンラインカジノは、スマホアプリなどから手軽に始められる反面、違法性や依存性、詐欺被害など多くのリスクを伴います。「知らなかった」では済まされない問題であり、軽い気持ちで始めた行為が人生を大きく狂わせる可能性もあります。そのリスクを正しく理解し、安易に手を出さないよう心掛けることが重要です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「闇バイト」や「オンラインカジノ」から子どもを守るには 親がすべきこと、見直すべきスマホの設定
昨今では、ふとしたきっかけで犯罪に手を染めてしまう10代も増えています。その1つである「闇バイト」では、応募すると強盗や詐欺などの犯罪を実行する役目を担わされます。闇バイトから子どもを守るために、保護者としてはどんなことに注意すればいいのでしょうか。
特殊詐欺は「あらゆる世代に広がっている」 警視庁と携帯4キャリアが「ストップ!詐欺」共同宣言 具体的な対策は?
警視庁と携帯4キャリアが、「特殊詐欺」を撲滅するための取り組み「ストップ!詐欺」共同宣言を行った。固定電話や携帯電話をターゲットにして金品をだまし取る特殊詐欺は、年々、増加している。4キャリアは詐欺防止対策の啓発活動を行い、警視庁との情報共有も進めていく。
なぜ警察署の番号から詐欺の電話が掛かってくるのか ネット電話サービス悪用の可能性、スプーフィング対策方法は?
詐欺被害に遭わないために「相手の電話番号やWebサイトのURLをよく確認する」と、よく言われていたものですが、スマホの着信画面に表示される電話番号が本物だとしたら、見分けはつきません。
横行する“闇バイト”、SNS運営元は対策せよ 総務省が要請
総務省はSNSの運営元に対し、闇バイトに関連する投稿の削除や、注意喚起を行うなどの対策を講じるよう要請した。闇バイトとは、高額収入などを誘い言葉にし、実際には特殊詐欺や強盗の実行犯として働かせることを指す。SNSで“闇バイト”の募集活動が横行している。
その言葉、“闇バイト”かも スマホ文字入力「Simeji」が警告機能 きっかけはSNSでの声
中国の検索エンジンBaidu(バイドゥ)は文字入力アプリ「Simeji(シメジ)」(Android/iOS)に“闇バイト”対策の機能を実装した。闇バイト関連の文字を入力すると、キーボードの上部に注意喚起の文言が表示される。Simejiの闇バイト対策機能は一体どんなものなのか、実装の背景は何かなどを、Simejiの運営責任者である古谷由宇氏に聞いた。

