「Olive」で目指す“最高の金融サービス”とは? ソフトバンク/PayPay提携の狙いは? 三井住友カードに聞く(2/2 ページ)
三井住友カードが三井住友銀行と共に提供する総合金融サービス「Olive」は、サービス開始から約2年で500万アカウントを突破。5月15日にはソフトバンクとデジタル分野において包括的な業務提携をし、「ヘルスケア」サービスの開始や「PayPay」との連携について発表した。キャッシュレス競争が激化する中、Oliveをどう進化させていくのか。
Oliveが目指す姿とは? キーワードは「オープン」「店舗」
三井住友カードは2024年7月に、マネーフォワードと個人向け事業における資本業提携を締結した。マネーフォワードが提供するお金の見える化サービス「マネーフォワード ME」は、銀行やクレジットカード、証券、ポイントなど、2430以上の金融関連サービスを連携して、あらゆる家計や資産を管理することができる。この機能と、Oliveの金融機能を掛け合わせることで、「お客さま起点のオープンなお金のプラットフォーム」を創出。これまでにない革新的な顧客体験を提供する予定だ。
「今までのOliveは当社のサービスのみでしたが、マネーフォワードと組むことで、他社を含むいろいろな口座情報や証券情報をOliveで確認できるようになります。お金を移動させることもできるので、例えば、みずほ銀行口座から三井住友銀行口座に資金移動するといったことを、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で実現できる機能を検討しています。他の口座を含む全ての作業がOliveアプリだけで完結できるのがベストだと思っているので、これまでにない革新的な顧客体験を目指しています」
振込や送金など、さまざまな操作がアプリでできれば店舗業務が基本的には少なくなってくるので、店舗の在り方が変わってくる。SMBCでは既存の銀行店舗を、銀行とスターバックス、シェアラウンジが一体となった新しいタイプの店舗「Olive LOUNGE」としてオープン。現在、首都圏と関西に店舗を拡大している。
「Olive LOUNGEでは、Olive会員なら専用席に座れたり、スタバのコーヒーが10%ポイント還元されたりといった、会員メリットを感じてもらう場所になっています。休憩がてら来てもらって、そういえばアプリの使い方で分からないところがあるといったときに、行員が教えることもできます。Olive自体はデジタルバンクですが、こうやって気軽に銀行と触れ合える場所もあるので、若い人だけでなく全世代にとって良いサービスだと思っています」
このOlive LOUNGE は、2026年春に提供を予定する「Olive Infinite」サービスでも活用される予定だ。最高ランクのプレミアムサービスとして、デジタルとリアルのコンサルティングサービスをフレキシブルに受けることができるのだが、Olive LOUNGEもその相談拠点として想定されている。
SMBCグループでは、今後もOliveの柱である金融サービスをより便利に使うための非金融サービスを拡充していきたい考えだ。なおパートナーについてはソフトバンク、SBIなど、これまで提携しているところやグループ企業を問わず、顧客にとってベストな選択をしていくとのこと。激化するキャッシュレス競争をどのように駆け抜けていくのか、今後の動きにも注目だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
PayPayと三井住友カードの“大連立”が生まれた背景 ソフトバンクの携帯料金値上げも抑えられる?
三井住友カードとソフトバンクは5月15日、デジタル分野における包括的な業務提携に合意したと発表した。三井住友カードのOliveやPayPayなどの連携によって、新たな取り組みを展開していく。三井住友カードとソフトバンクの連携においては、まずはソフトバンクがヘルスケアサービスをOlive向けに提供する。
三井住友カードとソフトバンク/PayPayが包括提携で基本合意 相互のサービスにおける優遇を順次提供
三井住友カードが、ソフトバンクとPayPayと包括提携で基本合意した。この記事では、本合意に基づき提供される相互のサービスにおける優遇内容を紹介する。【追記】
PayPayが「他社クレジットカード」への対応継続に向けた検討を実施 2025年夏以降の提供を目指す
2025年に他社(PayPayカード以外)のVisaカード/Mastercardを使った決済を廃止する予定だったPayPay。しかしこのほど、2025年夏をめどに「新しい決済方法」で他社クレジットカードへの対応を継続する方針を打ち出した。
「クレジット」「デビット」「プリペイド」を切り替えられるカードに注目! SMBCグループが新サービス「Olive」を3月から提供
三井住友フィナンシャルグループ、三井住友銀行と三井住友カードの3社が新しい金融サービス「Olive」を開始することになった。Visaが開発した技術を活用した「フレキシブルペイ」に対応するVisaカードを発行することで、余計なカードを増やすことなく「クレジット」「デビット」「プリペイド(ポイント払い)」の3種類の決済モードを利用可能だ。
PayPayの支払い、「PayPay残高」と「クレジットカード」のどちらがお得?
PayPayには、チャージした「PayPay残高」から支払う方法と、登録した「PayPayクレジット」またはクレジットカードから支払う方法の2種類ある。PayPayクレジットやクレジットカードから支払う場合、PayPayポイントが付与されるのは「PayPayカード」と「PayPayカード ゴールド」のみ。PayPayカード ゴールドの年会費分のポイントを獲得するためには、毎月6万円以上の支払いが必要になる。
