「レンタルWi-Fiからの旅立ちを」 海外eSIM「トリファ」が“eSIM後進国・日本”からの脱却に本腰(2/2 ページ)
海外用eSIMサービスを提供しているトリファが、eSIM事業者では初のテレビCMを展開する。日本のeSIM利用率は主要国で最下位だが、一度使えば普及率は大きく高まると同社は期待する。トリファのアプリでは、最短3分でeSIMの設定が完了するという使いやすさにもこだわった。
「最短3分」でeSIMを設定可能、24時間の有人サポートも
「最短3分で設定できる」という使いやすさにもこだわった。アプリ起動後は「行き先を選択する」「プランを選んで購入する」「手順に沿って回線を切り替える」という3ステップで通信を開始できる。クレジットカードで支払える他、AppleやGoogleのアカウントからログインすれば、Apple PayやGoogle Payで支払うこともできる。

韓国に7日間滞在する場合の料金。無制限、10GB、3GBの3つから選べる(写真=左)。支払い方法はクレジットカードやApple Pay、Google Payを選べる(写真はApple IDでログインした場合)(写真=右)アプリ内に「旅行前にやること」「現地でやること」といった説明が表示され、これらの情報を画像として保存させる導線もある。そうすることで、現地で通信がつながらない状態でも焦らず通信の設定ができる。さらにトリファでは、24時間有人の日本人によるサポートも展開しており、日本人が安心して利用できる環境を作っている。
現時点でトリファのユーザー層は20代後半の女性が最も多いのだという。これは、InstagramやTikTokなどのSNSで、インフルエンサーを使ったマーケティングに注力していたことが大きいそうだ。今回、テレビCMを打つことで、「30〜40代の男性にも使っていただきたい」と嘉名氏は期待を寄せる。
若い女性も違和感なく使えていることを示すエピソードとして、嘉名氏は「ユーザーさんの中にはトリファのことをeSIMのサービスではなく、Wi-Fiにつながるサービスだと思っている方もいる」と話す。「アプリをインストールして、ポチポチ進めていけば、勝手につながるようなサービス」だと認識している人が多いそうだ。「eSIMをブラックボックス化させても成り立つようなユーザー体験を提供していることが、強みだと思う」(同氏)
ITに詳しくないユーザーでも簡単に使える工夫が功を奏し、App Storeでは平均4.6点、Google Playでは平均4.5点という高いレビュー点数を獲得している(2025年7月14日時点)。今後海外への渡航者がさらに増え、トリファの認知が進むことで、日本でのeSIM普及率が高まることは間違いないだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
MVNOでもeSIMで海外ローミングを JCOMが「Airalo」と提携した狙い、J:COM MOBILEはシェア4位に躍進
MVNOの弱点は、データ通信の海外ローミングサービスを提供できていないこと。こうした状況の中、J:COM MOBILEを提供するJCOMはトラベル用eSIMサービスを提供するAiralo(エアロ)と提携した。J:COM MOBILEではeSIMを一向に活用できていなかったという。
海外向けeSIM「Lesimo」、開始からわずか1年で終了 提供元のNTTメディアサプライが案内
エヌ・ティ・ティ・メディアサプライは海外渡航者向けのデータ通信サービス「Lesimo」を2024年4月18日で終了する。eSIM対応端末の増加に伴い、海外渡航者向けのサービスも増える中、Lesimoは2023年4月にサービスを開始。SIMの差し替えが不要なeSIMを導入した他、低価格で出費を抑えらえる点などをアピールしていたが、わずか1年ほどでその幕を閉じる。
「ドコモが取れていないユーザーを取る」 NTTメディアサプライが海外eSIMサービス「Lesimo」を始めたワケ
NTTメディアサプライは、4月に海外旅行用eSIMサービスの「Lesimo(ルシモ)」を提供開始。NTTグループにはご存じのようにドコモもあり、国際ローミングサービスを提供しているが、海外向けeSIMはこことも競合する恐れがある。なぜ同社はあえて海外向けeSIMサービスの提供に踏み切ったのか。
eSIMの普及にまだ時間がかかると感じる理由
eSIM採用端末iPhone XSやGoogle Pixel 4が登場した2018年に比べて対応端末は増えた。それでも普及に至るまでの道のりは長い。そんなeSIMのデメリットは何か、それを探りながら未だに普及しない理由を読み解く。
ソラコムが海外向けeSIMサービスを提供 QRコード不要でiOSアプリから設定可能
ソラコムが、海外で利用できるeSIMサービス「Soracom Mobile」を2020年2月21日から提供する。海外へ出張や旅行をする人を主なターゲットとした、コンシューマー向けのサービス。QRコードを読み取る必要がなく、iOSアプリからプロファイルの書き込みができる。



