なぜ? ドコモが6980円のスマートウォッチ2種を発売する理由、広報に聞いた
NTTドコモは7月7日、6980円(税込み)という手頃な価格ながら多機能なスマートウォッチ「スマートウォッチ01」「スマートウォッチ02」の2機種を発売した。全国のドコモショップおよびドコモオンラインショップで販売する。突然の発表に発売……狙いは何だろうか?
NTTドコモは7月7日、6980円(税込み、以下同)という手頃な価格ながら多機能なスマートウォッチ「スマートウォッチ01」「スマートウォッチ02」の2機種を発売した。全国のドコモショップおよびドコモオンラインショップで販売する。
両モデルはスマートウォッチとしての基本機能を備えつつ、それぞれ異なるユーザーニーズに応じた設計となっている。スマートウォッチ01は、時計や通知の視認性を重視した大型ディスプレイモデルであり、スマートウォッチ02は、軽量で動きの妨げにならない装着感を意識した小型ディスプレイモデルとなっている。いずれもスマートウォッチ初心者でも手に取りやすい価格帯に設定されている。
通知機能では、スマートフォンに着信やメッセージが届くと手首への振動で知らせる仕様となっており、ビジネスや家庭での重要な連絡を見逃しにくい。また、歩数や心拍数を測定できる健康管理機能も備えており、スマートフォンが手元になくても基本的な計測が可能だ。睡眠に関しても単に就寝時間を記録するだけでなく、睡眠の質を可視化する機能がある。
さらに、100種類以上の運動に対応したスポーツモードが用意されており、ウオーキングやランニングをはじめとした多様なアクティビティーに合わせてデータを記録できる。操作面においても、ディスプレイの輝度やリフレッシュレート、解像度といった基本性能がしっかり確保されており、屋内外問わず快適に利用できるよう配慮されている。
計測された健康データは、専用アプリを通じて「dヘルスケア」と連携することが可能で、日々の体調管理や生活習慣の見直しに活用できるという。
なお、これら2機種の製造元はフューチャーモデルであり、同社はクラウドファンディング「Makuake」で1000万円超の支援を集めた小型携帯電話「NichePhone-S+」などを手掛けてきた実績を持つ。スマートフォンが主流となる中でも、カードサイズの携帯電話や物理キー付き端末を通じて、独自のニーズに応える製品を展開している。
ドコモが低価格のスマートウォッチを発売する狙いは何かなどを広報に聞いた。以下に質問と回答を掲載する。
―― ドコモが低価格スマートウォッチを販売する狙いを教えてください。
ドコモ スマートウォッチは、スマートフォンと組み合わせてご利用いただくことで、通知に気付きやすくなるなど日常生活における利便性向上や健康管理に役立つ商品です。
しかしながら、国内のスマートウォッチ普及率は2割弱(※)というデータもあるように、まだまだこの価値を体験いただけていないお客さまが多くいらっしゃるのが実態と認識しております。
ドコモはこれまでスマートウォッチをお使いでなかったお客さまにも、まずはその価値を気軽に体験いただきたいと考え、スマートウォッチデビューに最適な手に取りやすい低価格の商品を発売しました。
ドコモは、国内のスマートウォッチ普及率は2割弱にとどまっているというデータを挙げ、まだその価値を体験していないお客さまが多く存在しているのが現状と認識している。画像はNTTドコモ モバイル社会研究所の調査資料より引用
(※)スマートウォッチ所有率2割弱:若い世代の所有がのびる(NTTドコモ モバイル社会研究所が2024年6月13日に発出)
―― 2機種を用意した背景や意図を教えてください。
ドコモ 商品開発時点で実施したドコモの独自調査では、スマートウォッチに対して「視認性の良さ」を重視するお客さまと、「装着感の良さ」を重視するお客さまの両方が一定数いらっしゃることが分かりました。
多様なお客さまのニーズにお応えするため、「視認性の良さ」を重視する方向けのスマートウォッチ01と、「装着感の良さ」を重視する方向けのスマートウォッチ02の2機種をご用意しています。
―― このタイミングでの発売に至った理由を教えてください。
ドコモ 国内のスマートウォッチ普及率は2割弱※というデータもあるように、スマートウォッチの普及はまだまだ限定的です。当社でも複数のスマートウォッチを展開しておりますが、より多くのお客さまにスマートウォッチの利便性を体験いただける商品ラインアップの拡充をすべく、企画開発を進め、今回の発売に至っております。
―― なぜ6980円という低価格を実現できたのでしょうか。
ドコモ 今回の商品は初めてスマートウォッチを使われるエントリー層のお客さまをターゲットとしております。スマートウォッチが初めての方でも使いやすい商品をめざし、機能をシンプル化することで、手に取りやすい価格と使い勝手の良さを両立しました。
―― スペックが異なるにもかかわらず価格が同一である理由はありますか。
ドコモ スマートウォッチ01とスマートウォッチ02のスペックに大きな差分はございませんが、「視認性の良さ」を重視する方向けのスマートウォッチ01と、「装着感の良さ」を重視する方向けのスマートウォッチ02の2機種をご用意いたしました。
―― 発売直後の反響やユーザーの反応はいかがでしょうか。
ドコモ 現時点では発売直後のため、お客さまの具体的なお声の収集はできておりませんが、お客さまの反響を踏まえ今後の施策等に生かしてまいります。
―― 現時点で、2機種のうちどちらの販売が好調でしょうか。
ドコモ 2機種とも大変ご好評をいただいております。なお、スマートウォッチ01とスマートウォッチ02の販売比率は同程度となっております。
―― 本製品を通じて「dヘルスケア」の利用促進を狙っているのでしょうか。
ドコモ 本製品は、「dヘルスケア」と組み合わせてお使いいただくことで、歩数や睡眠データな
どを「わたしログ」で一元管理できます。「dヘルスケア」に設定した興味・お悩みにあわせて毎日配信される睡眠や健康に関するミッションをクリアすると抽選でdポイントやクーポンの取得も可能です。
また、健康に役立つコラムを通じて、楽しみながら健康意識を高めていただけます。なお、本製品と「dヘルスケア」の連携方法は(ウェアラブルデバイス連携|アプリの使い方|dヘルスケア)をご参照ください。
―― メーカーがFuture Model(フューチャーモデル)である理由を教えてください。
ドコモ さまざまな検討を重ね選定しておりますが、詳細な理由については回答を控えさせていただきます。
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