「Google Pixel 10 Pro/10 Pro XL」8月28日発売 望遠カメラが最大100倍の“超解像ズーム Pro“に進化
グーグルが、Pixelシリーズの最新モデル「Pixel 10 Pro」と「Pixel 10 Pro XL」を8月28日に発売する。Pixel 10よりも高いカメラ性能やメモリ、バッテリー性能を実現している。AIによる画像復元技術を活用し、最大100倍の超解像ズーム Proを利用できる。
グーグルが8月21日、Pixelシリーズの最新モデル「Google Pixel 10 Pro」と「Google Pixel 10 Pro XL」を発表した。8月28日に発売する。通信キャリアではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルが取り扱う。
Pixel 10 Pro/10 Pro XLは、Pixel 10シリーズの中でも最上位に位置付けられるモデル。Pixel 10よりも高いカメラ性能やメモリ、バッテリー性能を実現している。カラーはObsidian、Porcelain、Moonstone、Jadeの4色を用意する。
ストレージごとの価格は以下の通り。
Pixel 10 Pro
- 256GB:17万4900円
- 512GB:19万4900円
Pixel 10 Pro XL
- 256GB:19万2900円
- 512GB:21万2900円
シリーズで最も明るいディスプレイに
ディスプレイはPixel 10 Proが6.3型(1280×2856ピクセル)、Pixel 10 Pro XLが6.8型(1344×2992ピクセル)の有機EL「Super Actua ディスプレイ」を搭載。ピーク輝度はPixel 9 Pro/9 Pro XLの3000ニトよりも明るい3300ニトに進化し、シリーズで最も明るくなった。強化ガラスとして、Corning Gorilla Glass Victus 2を装備する。1〜120Hzの可変リフレッシュレートにも対応する。
Pixel 9 Pro/9 Pro XLのストレージは128GBスタートだったが、Pixel 10 Pro/10 Pro XLの日本モデルには128GBがなくなり、256GBスタートになる。ストレージは他に512GBを選択できるが、海外で展開している1TBモデルは日本では展開しない。メインメモリは16GBを備えている。
CPUやAIの性能が向上したTensor G5を搭載
プロセッサは、Pixel 9シリーズが備えていた「Tensor G4」から「Tensor G5」にバージョンアップ。「最高性能のGoogle AIを提供する」としており、より高度な処理が必要なAI機能が利用可能になった。先代のTensor G4と比較し、CPUは34%高速化し、AIや機械学習の計算を行うTPUは最大60%性能アップしているという。
なお、Pixel 10 Pro/10 Pro XLを購入すると、月額2900円のGoogle AI Proプランを6カ月間無料で利用できる。このプランでは、Googleの最上位AIモデル「Gemini 1.5 Pro」や、機能強化されたAIリサーチ・文章作成アシスタント「NotebookLM Plus」を利用できる。
30時間持続するバッテリーを搭載
バッテリー容量はPixel 10 Proが4870mAh、Pixel 10 Pro XLが5200mAhを備える。Googleの調査では、通常時で30時間以上持続し、スーパーバッテリーセーバー使用時は最長100時間駆動するという。高速充電にも対応しており、Pixel 10 Proは30Wの充電器(別売り)に約30分接続すると最大55%まで、Pixel 10 Pro XLは45Wの充電器(別売り)に約30分接続すると最大70%まで充電ができる。
Qi2規格のワイヤレス充電にも対応しており、Pixel 10 Proは最大15W、Pixel 10 Pro XLは最大25Wでの充電が可能だ。新たなマグネット技術「Google Pixelsnap」にも対応し、ワイヤレス充電器、スタンド、グリップなどをのアクセサリーを利用できる。
複数アプリを横断したタスクを提案する「マジックサジェスト」
新たに実装される「マジックサジェスト」は、Tensor G5の性能を生かし、複数のアプリを横断してタスクを実行できる。例えば、航空会社へ電話中にフライトの予約を提案する、友人からカフェへのお誘いのメッセージが来たときにカレンダーへの登録を促すといった具合だ。ユーザーごとに最適化された「デイリーハブ」では、直近のスケジュールやタスク、おすすめの楽曲リストなどを表示する。
自分の声色でリアルタイム通訳ができる「マイボイス通訳」
Tensor G5の性能を生かした機能として「マイボイス通訳」も提供する。これは、日本語と英語で通話をする際、双方の言語に自分の声のまま、リアルタイムで通訳してくれるというもの。例えば日本語を話すユーザーが海外(英語圏)でレストランの予約をする場合、自分が日本語で話した内容が、店舗側には英語で通訳されて伝わる。同様に、店員が英語で伝えた内容が、自分には日本語で通訳されて伝わる。
声のトーンはもとのユーザーのままなので、通訳されていることを意識せずに会話ができる。通訳はオンデバイスで処理され、テキストでも残るが、通話が終了するとテキストは削除される。なお、日本語を通訳できるのは現時点では英語のみ。
カメラは「超解像ズーム Pro」で最大100倍ズームが可能に
アウトカメラは5000万画素の広角、4800万画素の望遠、4800万画素の超広角で構成される。広角カメラは光学2倍相当のズームに対応し、手ブレ補正の性能が向上したという。望遠カメラは光学5倍と10倍相当のズームに対応し、AIを活用した「超解像ズーム Pro」により、最大100倍ものズームを可能にする。超広角カメラはマクロフォーカスを使ってマクロ撮影ができる。インカメラは4200万画素で103度の画角を持つ。
超解像ズーム ProはTensor G5に最適化されており、最大100倍ズームは単にトリミングをしているわけではないという。AIを活用して画像内のディテールを復元するので、データを参照しやすい風景やランドマークの撮影に適している。人物写真については、不正確な表現にならないよう、従来の「超解像ズーム」を使う。
カメラの新機能として「カメラコーチ」も用意する。カメラ撮影中にGeminiを呼び出し、被写体に応じて最適な構図と、その設定をレクチャーしてくれるというもの。例えば人物を写すと、ポートレートモードに設定してバストアップで撮影するよう促す。複数の構図を提案してくれるので、普段は撮らないような意外なアングルを発見できることもあるだろう。こちらはネットワークを活用しているため、圏外の場所では利用できない。
カメラが捉えたものを正確に説明してくれる「ガイド付きフレーム」、集合写真から最大150枚の画像を解析してより表情がいいものを合成する「オートベストテイク」も利用できる。
その他のスペック
Android 16をプリインストールしており、自分らしく見やすい表現に進化した新たなUI(ユーザーインタフェース)「Material 3 Expressive」を採用している。従来のPixelと同様に、7年間のソフトウェア更新を保証する。
Pixel 10 Proのサイズと重量は72(幅)×152.8(高さ)×8.6(奥行き)mm、207gで、Pixel 10 Pro XLのサイズと重量は76.6(幅)×162.8(高さ)×8.5(奥行き)mm、232g。背面にはマット仕上げのガラスを、側面には航空宇宙グレードをうたうアルミニウム製フレームを採用している。本体はIP68の防塵(じん)・防水に対応する。日本向けの機能としておサイフケータイ(FeliCa)も利用できる。
対応バンドは以下の通り。
- LTE:1/2/3/4/5/7/8/12/13/14/17/18/19/20/21/25/26/28/29/30/32/38/39/40/41/42/48/66/71/75
- 5G:1/2/3/5/7/8/12/14/20/25/26/28/30/38/40/41/66/71/75/76/77/78/79
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