デザイン刷新の「iPhone 17 Pro」実機レポート 質実剛健なアルミのユニボディー、カメラの使い勝手も向上（1/2 ページ）

「iPhone 17 Pro」と「iPhone 17 Pro Max」は、本体設計を大幅に見直したことで、デザインや放熱性能を大きく向上させた。カメラは望遠の性能が向上し、インカメラの新機能も楽しめる。ベイパーチャンバーとユニボディーの合わせ技で放熱性能も向上した。

[石野純也，ITmedia]

　Appleは、9月9日（現地時間）にiPhone 17シリーズを発表した。新しいカテゴリーとして登場した「iPhone Air」だけでなく、「iPhone 17 Pro」や「iPhone 17 Pro Max」も本体設計を大幅に見直したことで、デザインや放熱性能を大きく向上させ、よりパフォーマンスが出やすいPro仕様のモデルになっている。その中身を、写真とともに見ていこう。

デザインや放熱設計を一新したiPhone 17 Pro

アルミのユニボディーにガラスをはめ込みデザインに一新

　これまでのProモデルは、大きな枠組みで見ると、ノーマルモデルに近い設計だった。金属フレームの前後をガラスで挟んだデザインを採用しており、金属の素材やガラスを含めた仕上げで差別化を図っていた。これに対し、iPhone 17 Pro／Pro Maxは本体の設計を一新。アルミで作り上げたユニボディーに、一部分だけガラスをはめ込むことでデザインを一新した。

左が筆者のiPhone 16 Pro、右がiPhone 17 Pro Max。フレーム部分にガラスがはまっている点は同じだが、iPhone 17 Pro Maxはよりアルミ部分の面積が増え、ボディー全体を覆うようになった。ガラスはその一部にはめ込まれている

側面。ユニボディーとうたうだけに、より本体の一体感が高まっており、ガラスはデザインアクセントのように見える

背面。アルミ部分とガラス部分は同系色でまとめられているが、質感が大きく異なるため、ツートンのようになっている

上部にあるのはミリ波用のアンテナ。ミリ波非対応の日本版でも、切り欠きは搭載される【訂正：2025年9月16日11時5分 初出時、「ミリ波非対応の日本版では、この切り欠きは搭載されない」と記述していましたが、その後、Appleから訂正があったため、キャプションを訂正いたしました。】

　その結果として、よりメカニカルな印象が強い背面デザインになっている。カメラ周りのデザインも一新しており、上部全体を横切るような台座の上に、3つのカメラが搭載されている。カラーバリエーションは、コズミックオレンジ、ディープブルー、シルバーの3色に絞り込まれた。

左から、ディープブルー、コズミックオレンジ、シルバー。4色展開だったiPhone 16 Proから、1色減っている

望遠カメラの性能が向上　インカメラの新機能も搭載

　機能面では、まずカメラの仕様が変わっている。中でも大きいのが、望遠カメラだ。iPhone 16 Pro／Pro Maxでは、12メガピクセル、5倍の望遠が搭載されていたのに対し、iPhone 17 Pro／Pro Maxでは48メガピクセルに画素数が向上。レンズとしての望遠は、5倍から4倍に下がった。

　ただし、高画素化したことで広角カメラと同様、ピクセルビニングを解除し、48メガピクセルから切り出しを行うことで、この4倍をさらに2倍拡大できるようになった。これによって、4倍×2倍で最大8倍まで、画質の劣化がないズームをすることが可能になっている。2倍の次が一気に5倍まで飛んでしまうiPhone 16 Pro／Pro Maxまでよりも、より段階的なズームが可能になり、使い勝手が上がった印象だ。

レンズだけで4倍、高画素からの切り出しで8倍までのズームが可能になっている。これは、望遠カメラに48メガピクセルのセンサーを採用した結果だ

デジタルズームを組み合わせると、最大40倍までの望遠撮影が可能になる。ただし画質は劣化する

　iPhone 17シリーズの他モデルでも利用はできるが、インカメラとアウトカメラの両方で動画を撮影する「デュアルキャプチャー」にも対応する。実況しながらスポーツの試合を撮ったり、子どもが遊んでいる動画に自分を入れたりなど、工夫のしがいがある。撮影中にインカメラの映像位置は変更可能だ。また、他機種と同様、センターフレームフロントカメラにも対応する。

自分と被写体を同時に写す、デュアルキャプチャー

撮った動画には、自分の映像が小窓の中に表示される。まさに、本発表会のレポートをするような場面で活躍しそうだ