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「NHK ONE どーもくん」誕生、新ネット配信の顔に 制作に「生成AI」を使用したのか、NHKの回答は?

日本放送協会(NHK)は10月1日から、テレビの同時配信からニュース記事まで、あらゆるデジタルコンテンツを1つに集約した新サービス「NHK ONE」を開始する。これを前に、NHKは新しいキャラクター「NHK ONE どーもくん」を発表した。「安心と進化」を重視し、生成AIは使用せず。

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「NHK ONE」は、10月1日にスタート。「いつでもどこでもあなたのそばに」がコンセプトとなっている。番組の同時配信や見逃し(聴き逃し)配信、ニュースの記事・動画などを、スマートフォン、PC、ネット対応テレビなどに向けて提供する

 日本放送協会(NHK)は10月1日から、テレビの同時配信からニュース記事まで、あらゆるデジタルコンテンツを1つに集約した新サービス「NHK ONE」を開始する。これを前に、NHKは新しいキャラクター「NHK ONE どーもくん」を発表した。

デジタル時代の視聴体験を提案する「NHK ONE」

 NHKが新たに始動させる「NHK ONE」は、現代人の多様な情報接触の在り方に正面から向き合った、戦略的な統合プラットフォームである。NHKのプレスリリースによれば、このサービスは、番組のリアルタイム同時配信や放送後の見逃し・聴き逃し配信はもちろん、日々更新されるニュース記事や解説動画といった、これまで個別に提供されてきたNHKのインターネットサービスを1つにまとめるものだ。

 これにより利用者は、スマートフォンやPCなど手元のデバイスを問わず、いつでもどこでもNHKのコンテンツにアクセスできるようになる。従来の放送の枠組みを超え、インターネットという広大なフィールドにおいて、あらゆる世代に適した情報基盤となることを目指す、NHKの未来像がここに示されている。

新たな顔に託された「安心」と「進化」のメッセージ

 この新しいサービスの象徴として誕生したのが、「NHK ONE どーもくん」だ。その姿は、従来のどーもくんのイメージを覆す大きな変貌を遂げた。NHKのステートメントでは、その特徴が「NHK ONE」のイメージカラーである白とグレーを基調とし、「ふわふわの毛をまとい、垂れた耳がチャームポイント」と紹介されている。茶色く、どこか郷愁を誘うアナログ的な温かみがあったかつての姿から、新しいサービスにふさわしいデザインへと生まれ変わった。

 この変身に込められた意図について、ITmedia Mobileの取材に対し、NHK広報局は「NHK ONEを、みなさまのより身近に感じていただくために制作しました」と説明している。

 さらに、広報局はNHK ONE どーもくんの姿には、「NHK ONEのサービスが、皆さまの日々の暮らしに役立つようにという思いや、安心感、進化をみなさんに感じてもらいたいという思いを込めています」と回答した。ここで重要なのは、「安心感」と「進化」という2つのキーワードだ。柔らかなフォルムと優しい雰囲気で、公共放送としての変わらぬ信頼性、すなわち「安心感」を表現する一方、モダンなカラーリングによって、デジタル時代に対応し続けるという「進化」への意志をも示している。

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1998年12月22日に誕生し、NHKBS10周年キャラクターになった「どーもくん」(画像=左)と、新しいキャラクター「NHK ONE どーもくん」(画像=右)

「生成AIは利用せず」という明言が示すもの

 また、現代のクリエイティブ制作において、生成AIの活用は注目の的になりやすい。NHK広報局は「キャラクターの制作にあたり、生成AIは利用しておりません」としている。

 生成AIの利用を避け、公共放送として曇りのないクリーンな形でキャラクターを展開したいというコンプライアンス上の判断があっただろう。しかし、それ以上に、キャラクターに込めた作り手の「思い」を重視する姿勢を社会に示す狙いがあったと考えられる。

 広報局が語ったように、新キャラクターには人々の暮らしに寄り添い、安心と進化を届けたいという切実な願いが込められている。こうした繊細なコンセプトや温かみは、血の通ったクリエイターが時間と情熱を注ぎ、試行錯誤の末に生み出すことを象徴している。

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