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ドコモは「通信品質」「ネット銀行」でナンバーワンを目指す 販促費も拡大してMNPプラス成長を(1/3 ページ)

NTTドコモが11月4日、2025年第2四半期の連結決算を発表した。モバイル事業は競争が激化しており、販促費やネットワークの強化でプラス成長を目指す。既存プランから新料金プランへの移行が6割に達し、エンタメコンテンツも特典に追加する。

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 NTTドコモが11月4日、2025年第2四半期の連結決算を発表した。売上高を示す営業収益は前年同期比1.3%増の3兆327億円、営業利益は同14.2%減の4747億円となり、増収減益だった。

 スマートライフ事業は順調に拡大したものの、主力のコンシューマー通信事業でネットワーク改善費用などが増大したことに加え、競争の激化による販促費の拡大も利益を圧迫した。

 ドコモの前田義晃社長は、懸案のネットワーク品質向上に向けた基地局の増設について、2025年下期には、上期の3倍超を構築するめどが立ったと強調し、2025年度内に他社並み、2026年度にはそれを超えて、ネットワーク面で「ナンバーワンに返り咲きたい」と意気込みを語った。

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ドコモの前田義晃社長

競争が激化するモバイル事業 販促費も積極投入でMNPプラス成長を目指す

 営業収益は前年同期比389億円増で3兆円を突破。それに対して営業利益は同786億円減で4747億円、EBITDAも同584億円(6.4%)減となる8563億円となった。設備投資は同980億円(38.1%)増となる3555億円だった。

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営業利益は2桁減となり、増収減益だった

 セグメント別の営業収益では、コンシューマー通信が同431億円(2.6%)減の1兆6064億円、スマートライフが同348億円(5.9%)増の6249億円となり、トータルでは同117億円(0.5%)減の2兆2087億円だった。法人事業は同591億円(6.7%)増の9380億円。

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セグメント別の売上では、コンシューマー通信事業が足を引っ張った

 営業利益では、コンシューマー通信が920億円(31.9%)という大幅減で1961億円。スマートライフ事業は同15億円(1.2%)増で、コンシューマー事業全体では904億円(21.8%)減の3251億円で着地した。

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営業利益に関してもコンシューマー通信が2桁減となり全体で減益となった

 スマートライフは順調に拡大し、法人領域の拡大もあって増収は確保した。しかし、モバイル通信サービスと端末販売収入の減少に加え、販売促進費の大幅増が利益を圧迫し、減益となった。

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大企業向けに加え、中堅・中小企業向けの事業が復調したことなどで法人事業が大きく成長。増収に貢献した
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利益では販促強化の費用が大幅に増加して利益を圧迫。ネットワーク強靱化費用も影響した

 それでも前田氏は、コンシューマー通信においては新プランの移行が促進され、収入の減収幅は縮小傾向にあると強調。実際、第1四半期は141億円の減少だったが、第2四半期は80億円の減少まで回復した。

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コンシューマー通信は減収ではあるものの縮小傾向となっている

 モバイル業界は、「これまでになく競争は激化した」と前田氏は強調する。特に販促費の拡大について前田氏は言及し、各社ともコストが増えていると指摘する。ドコモでは、MNPのポートインが改善し、10月にはMNPが純増に転じたものの、トータルではマイナスになっている状態で、ポートアウトがさらに多いことを意味している。

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競争は激化。大容量プランへのポートインが増え解約率も最低ラインだが、ハンドセットが純減。下期もさらなる顧客基盤強化で通期MNPプラスを目指す

 この背景には、各社の販促が強化されている点、ドコモのネットワークに不満のあるユーザーが離れた点などが影響しているというのが前田氏の分析だ。

 irumoの0.5GBの低容量プランを廃止した点について、MNPに利用されることが多く、早期に解約するユーザーが多かったことから、顧客基盤の質の向上という意味では「ポジティブに捉えている」と前田氏は言う。

 いずれにしても前田氏は、顧客基盤の強化を最優先としており、ネットワークの強化、販促費の投入などによって、通期ではMNPのプラス成長を目指す考えだ。

 NTTの決算発表の場で同社の島田明社長も、ドコモのシェアを維持またはそれ以上に増やすことを期待しており、「正念場」としてさらなる取り組みを促していた。

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NTTの島田明社長

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