Apple Watch 11/SE 3/Ultra 3、衛星通信「au Starlink Direct」に対応
KDDIは、Apple Watchのセルラーモデルが衛星通信「au Starlink Direct」に対応したと発表。これにより、iPhoneが圏外や電源オフの状態でも、Apple Watch単体でメッセージ送信や位置情報共有が可能に。山間部や島しょ部など従来の圏外エリアを含む日本全土で、通信手段が確保されることになる。
KDDIは、衛星とスマートフォンを直接つなぐ通信サービス「au Starlink Direct」が、auで取り扱う「Apple Watch」のセルラーモデルに対応したと発表した。これにより、従来の携帯電話ネットワークが届かない圏外エリアや、手持ちのiPhoneの電源が切れた際にも、Apple Watch単体での通信が可能となる。
Apple Watch単体で圏外通信を実現
今回新たに対応したのは、「Apple Watch Series 11(GPS + Cellularモデル)」「Apple Watch SE 3(GPS + Cellularモデル)」「Apple Watch Ultra 3」の3機種。これらの機種を利用し、iPhoneと同じ電話番号で通信できる「ナンバーシェア」や、Apple Watch専用の電話番号を利用する「ウォッチナンバー」サービスに加入している顧客が対象となる。
利用には、iPhoneとApple Watch双方のOSを最新バージョンへアップデートする必要がある。アップデート後、対象の顧客は衛星通信サービスを利用できるようになる。
この対応により、山中でのハイキング中や海上、または災害時などでiPhoneが通信圏外になったり、電池が切れて使用できなくなったりした場合でも、手首のApple Watchから衛星経由で通信を確保できる。具体的には、テキストメッセージの送受信や、現在地の位置情報を共有する機能が利用可能だ。
au Starlink Directに対応するのは「Apple Watch Series 11(GPS + Cellularモデル)」「Apple Watch SE 3(GPS + Cellularモデル)」「Apple Watch Ultra 3」の3機種。写真はApple Watch Ultra 3(左)とSeries 11(右)の実機(出典:「Apple Watch Series 11/Ultra 3」実力検証記事)
テキストメッセージは、ナンバーシェア利用者はiMessage、ウォッチナンバー利用者はSMSおよびiMessageに対応する。これにより、圏外でも家族や友人と連絡を取り合うことが可能になる。さらに、緊急地震速報や津波警報、国民保護情報(Jアラート)といった緊急速報も受信できるため、もしもの際の安全確保にも役立つ。
「空が見えれば、どこでもつながる」体験へ
KDDIはこれまで、5Gおよび4G LTE通信によって、日本の人口カバー率で99.9%以上を達成してきた。しかし、山間部や島しょ部が多い日本の地形的特性から、国土面積に対するカバー率は約60%にとどまっていた。
au Starlink Directは、この残りの約40%のエリアを補完し、日本全土での通信を可能にするサービスである。米スペースXの衛星コンステレーション「Starlink」とスマートフォンなどの端末を直接接続させる技術を活用し、地上基地局の整備が困難なエリアでも通信手段を提供する。
既存の通信網にこの衛星通信が加わることで、「空が見えれば、どこでもつながる」体験が可能になった。すでにスマートフォンではメッセージ送受信や位置情報共有、緊急速報受信、AI相談、対応アプリでのデータ通信などを利用できる。今回、スマートウォッチであるApple Watchが対応に加わったことで、利用シーンがさらに広がることが期待される。また、このサービスはauの利用者に加え、他社回線を契約中の顧客も利用できるのもメリットだ。
衛星通信対応端末の普及を後押し
KDDIは、au Starlink Directサービスの普及とエコシステムの拡大を目指し、端末メーカーへのサポートも強化している。2025年9月には、端末メーカー向けのサポートサイトを開設した。
サイトでは、スマートフォンなどの端末を衛星接続に対応させるための開発要件を掲載しており、端末メーカーであれば会員登録の上で誰でも閲覧が可能だ。さらに、メーカーが衛星通信機能を端末に実装した後には、その接続性を検証し、試験できる環境も提供する計画であり、衛星通信に対応した端末の開発を後押しする構えだ。
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