8万円台のハイエンド「arrows Alpha」レビュー 快適なパフォーマンスと実用性の高い機能が魅力(1/2 ページ)
8万円台のハイエンドスマートフォン「arrows Alpha」をレビュー。arrowsでおなじみの高耐久性を継承しており、独自の落下試験もクリアしている。カメラは望遠レンズを搭載していないものの、自然な発色が好印象だ。
FCNTは8月28日、新型スマートフォン「arrows Alpha」を発売した。オープンマーケット向け「arrows Alpha M08」の他、NTTドコモからも「arrows Alpha F-51F」として発売されている。執筆時点でのオープンマーケット版のAmazonでの価格は8万8452円だ。
arrowsシリーズは最近、arrows Weシリーズなどエントリー、ミドルクラスの製品展開が続いていたが、arrows AlphaはSoCに「Dimensity 8350 Extreme」、メモリ12GBを搭載しており、久しぶりにハイエンドと呼べる仕様になった。
Pixel 10やiPhone 17に近いサイズ感で持ちやすい
本体サイズは約72(幅)×156(高さ)×8.8(奥行き)mm。ディスプレイは6.4型(1200×2670ピクセル)の有機ELを採用しており、Pixel 10やiPhone 17に近いサイズ感だ。重さは約188gと、ハイエンドモデルとして標準的な範囲に収まっている。
さらさらとしたマットな質感の本体背面は、エッジ部分がやや湾曲した形状となっており、手になじみやすく持ちやすい設計となっている。
高い耐久性と防水・防塵性能が魅力
本体側面にはメタルフレームを採用しており、落下や衝撃の際に内部部品を保護する役割を担っている。arrowsといえば高耐久性が特徴だが、arrows Alphaもそこは継承しており、米国国防総省の調達基準(MIL-STD-810H)に基づく23項目の耐久性試験に準拠。さらに、1.5mの高さからの落下を想定したFCNT独自の試験も実施している。
防水・防塵(じん)はIP66/68/69に対応。ハンドソープで洗えることもarrowsシリーズの特徴の1つだが、arrows Alphaもこの機能を備えている。日常的に清潔を保ちたいユーザーにはうれしいポイントだ。
独自機能のアクションキーとFastメモが便利
本体左側にはアクションキーを搭載。1回押し、2回押し、長押しにAIの呼び出しやアプリの起動などを割り当てられる。ユーザーの使い方に合わせてカスタマイズできる点が便利だ。
独自機能として「Fastメモ」も搭載している。ロック画面の右下からスワイプするだけで、ロックを解除せずに音声、テキスト、写真でメモを残すことができる。思いついたアイデアを素早く記録したいときに重宝する機能だ。
カメラは自然な発色が好印象 ただし望遠レンズなし
アウトカメラは、約5030万画素の広角(1/1.5型センサー、F1.88)と約4990万画素の超広角(1/2.7型センサー、F2.05)を搭載。インカメラは約4990万画素の広角(1/2.7型センサー、F2.0)だ。広角カメラは光学式手ブレ補正にも対応している。
最近のハイエンドカメラは望遠を加えた3眼仕様が多いため、スペックだけを見ると物足りなく感じるかもしれない。しかし、日常使いにおいて望遠を使用する頻度はそれほど高くないため、実用面では十分だと感じた。
以下、作例をいくつか掲載する。撮影した写真の発色は、変に誇張されることなく自然な発色が好印象だ。好みによる部分も大きいが、色味の再現性は良好と感じる。
広角カメラは最大10倍のデジタルズームに対応するが、こちらは正直なところいまひとつだ。撮影時の天候が悪く、やや暗かったということもあるが、細部がつぶれてのっぺりとした印象になってしまう。とはいえ、SNSにアップする程度ならこれでも問題はないだろう。
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