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「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開

2024年6月成立の「スマホ特定ソフト競争促進法」は、2025年12月18日の施行を控え、通信サービス利用者への周知が始まった。KDDIは12月2日、auブランドなどの利用者に対しブラウザや検索エンジンの選択が必須になると案内を出した。従来は初期設定のまま使えたが、新法施行後は利用者が自らサービスを明確に選択する操作が必要となる。

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 2024年6月に成立した「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアにかかる競争の促進に関する法律」は、2025年12月18日の全面施行を控え、通信事業者が利用者向けの周知を進めている。

 KDDIは12月2日に自社サイトで「重要なお知らせ」などと題した案内を公開し、auやUQ mobile、povoを利用するユーザーに対して、スマートフォンで利用するブラウザと検索エンジンの選択が必須になることを説明した。これまで多くの機種では初期設定で特定のブラウザや検索サービスが選ばれており、利用者が意識せずに使い続けるケースが多かったが、新法施行後は利用者自身が明確に選択する操作を行う必要が生じる。

 スマホ新法は、モバイルOSやアプリストア、ブラウザ、検索エンジンといった、スマートフォンの利用に必須となるソフトウェアを「特定ソフトウェア」と定義し、その提供者による競争制限を抑制することを目的としている。長年問題視されてきた少数事業者による寡占状態を和らげ、複数の事業者が参入しやすい環境を整備することで、サービスの選択肢を増やし、品質向上につなげる狙いがある。

 新法の施行に伴って導入されるチョイススクリーンは、その象徴的な仕組みとされ、端末の初期設定時やソフトウェアアップデートの後に、必ず利用者の選択を促す画面が表示されるようになる。

スマホ新法 au KDDI Webブラウザ iPhone Android
2024年6月に成立した「スマホ特定・競争促進法」(いわゆるスマホ新法)が、2025年12月18日に全面施行される。スマホOSやアプリストア、ブラウザ等での寡占が進む中、公正な競争環境を整えることが目的だ。特定ソフトウェア市場における新規制が、いよいよ実際の運用フェーズに入る(画像引用元:問題点整理記事)

Androidスマートフォンにおける選択手順は

 KDDIが公開した案内では、Androidスマートフォンを利用するユーザーに対して、選択画面が表示されるタイミングや具体的な操作が示された。表示は機種ごとに実施されるソフトウェアアップデート後、または端末を初期設定する際に行われ、そこから利用中のブラウザと検索サービスを順に選択する流れとなる。

 案内では3つの手順が示されており、最初に通知や初期設定から選択画面へ進むと、まずブラウザの一覧が表示される。利用したいブラウザを選択し、デフォルト設定を確定した後に、検索サービスの選択画面へ移行する。利用者がどのサービスを選んだかによって端末の動作が大きく変わるため、「従来の設定を継続したいユーザーは、Chromeを選べば現在の操作感のまま使える」と説明している。

  1. まずは端末の初期設定フロー内・ソフトウェアアップデート後の通知画面タップで表示される上記画面の「次へ」をタップする
  2. 次に利用したいWebブラウザを選択し、「デフォルトに設定」をタップする
  3. 最後に利用したい検索を選択し、「デフォルトに設定」をタップする
スマホ新法 au KDDI Webブラウザ iPhone Android
KDDI
スマホ新法 au KDDI Webブラウザ iPhone Android
案内によると手順は3段階。通知や初期設定から選択画面へ進むと、まずブラウザ一覧が表示される。利用したいブラウザを選びデフォルト設定を確定した後、検索サービスの選択画面へ移行する流れだ

 一方、KDDIは全ユーザーに同様の画面が表示されるわけではないとも明記している。ファミリーリンクを利用しているユーザーや、企業が導入するMDMやEMMの管理下にある端末では、選択画面は表示されない。これらの端末は保護者や企業が設定を一元管理しているため、個々の利用者に選択を求める仕組みが適さないのだろう。

チョイススクリーンの義務化に伴う懸念も

 KDDIの松田浩路社長は8月の決算会見で、チョイススクリーンの義務化に伴う懸念を述べていた。詳しいユーザーであれば問題なく操作できるが、そうでないユーザーは「本来選ぶ必要のなかった項目」に直面することになり、設定を迷う可能性があると指摘した。特に初期設定の操作に不慣れな利用者は、表示される選択肢の意味が分からず混乱する恐れがあり、KDDIはカスタマーサポートへの問い合わせ状況を注視するとしている。新法の目的は競争促進だが、現場の運用では利用者の理解度や操作負担の増減が避けられず、通信事業者はそのサポート体制を整える必要に迫られている。

スマホ新法 au KDDI Webブラウザ iPhone Android
KDDI松田社長は、チョイススクリーン義務化で不慣れな利用者が設定に迷う懸念を示した。本来不要な選択で混乱する恐れがあり、問い合わせ増を警戒する。競争促進の一方、事業者には利用者の負担増を補うサポート体制の整備が重くのしかかる(画像引用元:松田浩路氏社長就任時の記事)

 iPhoneについては、KDDIが別途案内を準備している段階にとどまっており、現時点では詳細が示されていない。iOS端末におけるブラウザや検索の選択義務化は、システム設計や設定手順がAndroidと大きく異なることから、別のフローが導入される可能性がある。KDDIは準備が整い次第案内を行うとし、利用者に混乱が生じないよう段階的に情報を公開する方針だ。

 スマホ新法の施行は、日常的にスマートフォンを利用するユーザーにとって直接的な影響がある制度変更となる。これまで意識することの少なかったブラウザや検索サービスの選択が、今後は必須の操作として位置付けられ、端末の使い勝手や利便性に関わる。KDDIは今回の案内を通じて、利用者が操作フローを事前に把握し、変更点を理解しながら新法施行を迎えられるよう情報提供を進めている。

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