「Pixel 10 Pro XL」のコンピューテショナルカメラはどのくらい進化した? 撮ってみて分かったこと:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/3 ページ)
「Pixel 10 Pro」シリーズには、「超解像ズームPro」なる生成AIを活用した100倍デジタルズームが備わっている。どんなものか、実際に撮ってみようと思うのである。
AIを駆使した「カメラコーチ」で写真はうまくなるか?
Pixel 10 Proでもう1つ、AIパワー炸裂なのが「カメラコーチ」機能だと思う。
これ、この辺で撮ろうかなとカメラを向けたとき、コーチに登場願うと「君は何を撮りたいのかね? ああ、それだったら、こういうセッティングでこうしたらどうかね?」って感じでAIベースのコーチが教えてくれる機能だ。
使ってみよう。まず、カメラアプリで「☆」の付いたカメラアイコンをタップする。これでカメラコーチが“登場”する。
するとクラウド経由でその画像が解析され、「どういうのを撮りたいのかね?」と聞いてくる。この間、数秒かかる。
「うーん、違うんだよな」という場合は、「再スキャン」をタップすると違うテーマを持ってきてくれる。
どれにするか決めたら、指示に従ってあれこれして撮るわけである。
試しに、歩道の脇に捨てられたゴミに向けてカメラコーチに指示を仰いでみた。そしたら、「広がる都市景観」なるゴミを含めた街の様子を撮るアイディアが提示された。これは面白い。
よく見ると、カメラを向けたときの画像をベースに、生成AIが「こんな感じ」ってイメージを作ってくれてもいる。
こんな調子でいろいろ試してみると、面白いことに何を被写体にしても、それなりに対応してくれるのである。「器と肉で画面いっぱいにします」ってのもいいよね。
では、もうちょっと普通の撮影をしてみよう。
カメラコーチは、以下の流れで進む。
- カメラコーチボタンを押す
- 映っている映像を、クラウドAIがチェック
- 何を撮りたいのかの候補を提示
- 選ぶと、どういうセッティングにすべきかガイダンス
- どこにどう気をつけて撮るべきかをガイド
- 撮影!
下の撮影画面の例だと「赤いアートのポートレート」か「表情にクローズアップ」など、撮りたいであろうものの候補を3つ出してくれる。「再スキャン」をタップすると、別の候補を出してくれるという仕組みだ。
ガイダンスを3つほど経て、撮影したのがこれ。
面白いので他の被写体でも教えを仰ごう、ということでネコを撮ってみる。
コーチを受けてたら、ネコがじっとしていられず動いちゃったので、なかなか難しかったのであるが、こんなのが撮れました。
なお、カメラコーチ機能では「このヒントは気に入らない」「このヒントは気に入った」といったフィードバックもできる。
AIに撮影をコーチしてもらう、というのは昨今の会話型AIの応用編という感じで面白いし、文章と生成AIが作ったイメージでコーチングしてくれるのは分かりやすい。時には「何をいってるのかよくわからない」っていう文言もあったりするけれども、それはさまざまなフィードバックを経て改善されていくだろう。
漫然とカメラを向けたとき「あなたはどういう写真を撮ろうとしてるの?」とAIに問いかけられているようでもあり、イラッとする人は使わなければいいし、結局シャッターを押すのは自分なので、コーチが無茶いっても無視すればいいし、ときには「あ、そういうことに気をつけるといいのか!」とか「あ、そう撮った方が伝わりやすいかも」ってなりそうである。
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