「Pixel 10 Pro XL」のコンピューテショナルカメラはどのくらい進化した？ 撮ってみて分かったこと：荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ（3/3 ページ）

「Pixel 10 Pro」シリーズには、「超解像ズームPro」なる生成AIを活用した100倍デジタルズームが備わっている。どんなものか、実際に撮ってみようと思うのである。

[荻窪圭，ITmedia]

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基本性能の高さにAIが加わった新世代のカメラなのだった

　AI関連でいうと、複数撮った集合写真からベストな表情のものを組み合わせてくれる「オートベストテイク」という機能も面白いけれど、それは残念ながら複数人の被写体を用意できなくて試せず。

グループ写真を撮る機会がなかったので試せなかったけど、オートベストテイクを使うと「みんながいい表情をした写真」を作ってくれる

　Pixel 9シリーズからある「一緒に写る」機能も面白いかな。カメラマンが自分が後から入る位置を空けておいてまず1枚撮り、続いてそこに自分が入ってもう1枚撮ってもらったら、これらを合成するというもの。

一緒に写る機能を使ってみる。まず1枚撮り、そこに別の人を加えてとって合成するというものだ

　これ、やろうと思えば同じ人を2回撮って遊ぶこともできるので、楽しめます。

　これもAIを駆使するので撮影後の合成にちょっと時間がかかるけど、面白いのでぜひ。

この機能を使えば、こんな感じで分身の術も行けます

　と、基本性能は前モデルと変わらないこともあってAI絡みのGoogleらしいところを追求してみた。

　それだけではアレなので、最後に普通の作例もいくつかいきます、インカメラのものを含めて。

広角カメラで横顔を。HDRが仕事してくれて人物も風景もいい感じに仕上げてくれた

屋外でポートレートモード。肌がちょっとわざとらしいのは、顔加工を「強」にしてみたからである

インカメラで自撮り。仕上がりは約1000万画素サイズになる。壁から生えてるのはカメレオンなり

青空とヒマワリ……撮った時点でヒマワリはもうかなり終盤だったけど、青空作例も欲しいなと思って撮った次第

走ってくる電車（京王電鉄8000系）を望遠カメラで

　夜景は「夜景モード」を使用してみた。無理にシャドウ部を持ち上げた不自然な夜景ではなく、暗いところは暗く、明るい所は白飛びせずというバランスの撮れた映りにしてくれる。

夜景モードで団地裏の公園。シャドウ部を無理に明るくせず、夜景らしい夜景を撮ってくれる

　被写体にググっと近づくと、オートマクロが働く。

公園のテーブルにカエルの置物があったので。日陰だったので明るくして撮影。

ググっと寄ってオートマクロ（超広角カメラに切り替わる）。写りはけっこうよし。

　という感じである。基本的な画質についてはもう特に得手不得手も感じず、問題ないのでさらっとすませてしまった。

　何より、超解像ズームProとカメラコーチが面白かったのでそこを重点的にレビューしてしまったわけである。

おまけ：「Pixel 10」のカメラはどう？

　Pixel 10 Pro XLをレビューした後、「Pixel 10」も使う機会があったので追記する。

Pixel 10は「Pixel 10 Pro」とサイズや見た目は同じだが、カメラの中身が違う

　Pixel 10も、アウトカメラは超広角／広角／5倍望遠のトリプル構成で、カメラユニット部の“見た目”もほぼ同じ。カメラコーチや「一緒に写る」などの機能は同様に使える。

　ただし、全てのカメラの“中身”がProからワンランク落ちているので、その点は要注意。

　まず、超広角カメラは約1300万画素センサーで、固定フォーカス。画角もProと比べると少し狭い。メイン（広角）カメラは約4800万画素で、センサーのサイズもProよりちょっと小さい。

　まあ、明るい場所では画質にそれほど差は出ないけど、暗所撮影時では条件によっては違いが出るかな。

Pixel 10の広角カメラで撮影したガスタンク。昼間の屋外では、Proとの差はほぼ感じない

こちらは望遠カメラで撮ったもの

ナイトモードの撮影も、この条件ではそれほど大きな差が出ていないが、条件によっては差が出る可能性がある

　望遠カメラは同じ5倍ズームだけど、センサーが約1080万画素と画素数が少ない上にサイズも小さめ。3つのカメラの中で一番差が出やすい。

　Pixel 10 Proは超解像ズームProを使うと最大100倍までデジタルズームできるが、Pixel 10は最高でも20倍止まりだ。

Pixel 10で5倍の撮影

デジタルズームは最大20倍止まりとなる。超解像Proズームは未対応だ

Pixel 10の5倍で人物撮影

　センサーサイズやレンズ性能といったカメラ自体に違いはあっても、最終的な画像はデジタル処理を施されて出てくるので、拡大して見比べない限り、そこまでの差は感じない。ただし、望遠カメラを多く使う人はProモデルにした方がいいことは確かだ。

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　最後に1つ。Pixel 10シリーズは、ワイヤレス充電において「Qi2」に対応した。これに伴い、充電位置を決めるための磁石が装備されたのだ。

　これ、iPhoneの「MagSafe」と同じなので、iPhone用のMagSafeグッズをそのまま使えるのである。例えば、テーブル三脚になるMOFTの「七変化マルチスタンド」をこんな風につけられるので、端末を固定して動画を撮る時やセルフタイマーで撮る時にすごく便利。

Qi2対応してマグネットが付いたので、iPhone用のMagSafeを使った七変化マルチスタンドを着けてみた。これはけっこう便利である

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　かくして非常に安心して使えるカメラに、プラスαとしてGoogleらしいAIがついてきたのがPixel 10 Proといっていいと思う。