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「Galaxy S25 Ultra」のカメラは100倍大望遠で富士山の登山道も撮れる! カメラの使い分けがポイント荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/3 ページ)

サムスン電子のハイエンドモデル「Galaxy S25 Ultra」が出た。カメラ視点でいうと、超広角カメラ“も”約5000万画素センサーとなったことで、撮影の幅が広がった。「Sペン」のBluetooth機能が非搭載となったことは残念だが、それはそれとして楽しいカメラであることには変わりない。

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 恒例、サムスン電子の“春の新型ハイエンドGalaxy”は、順当に「Galaxy S25」と「Galaxy S25 Ultra」になった。

 何はともあれ、カメラ性能が強化されたGalaxy S25 Ultraである。先代の「Galaxy S24 Ultra」は5倍望遠カメラのセンサーが約5000万画素に強化されたが、今回はそれに加えて超広角カメラも約5000万画素のセンサーになった。一番大きな違いはそこだ。

Galaxy S25 Ultraレビュー
デザインは全モデルを継承しているGalaxy S25 Ultra。クールなチタンフレームが特徴だ

 先にカメラを楽しむ観点で、本機の残念なところを1つ紹介する。「Sペン」の仕様変更だ。

 従来モデルのSペンにはBluetooth通信機能があり、自撮りするときのみならず、ブレないように撮りたいときとか、固定して撮りたいときとか、サッとペンを取り出してリモート撮影できたのだけど、S25 UltraのSペンはBluetooth通信機能が非搭載となり、リモコンとして使えなくなったのだ。

 最初、気付かなくて「あれ?」と思ったけど、そういう仕様になったのである。もし今までSペンをリモコンとしても使っていた人は気をつけましょう。

Galaxy S25 Ultraレビュー
S25ではSペンの仕様が変わり、ワイヤレスリモコンとして使うことができなくなったのだった。ちょっと残念

 それはさておいて、Galaxy S25 Ultraのカメラがどんな感じになったのか、気を取り直してチェックしていくのである。

超広角カメラが約5000万画素になったメリットは?

 Galaxy S25 Ultraのアウトカメラの基本構成はGalaxy S24 Ultraと同じで、「広角」「超広角」「3倍(3x)望遠」「5倍(5x)望遠」の4種類のカメラ(クアッドカメラ)を備えている。左から見て上から順に超広角、広角、5x望遠。そしてその右にある小さなカメラが3x望遠だ。

Galaxy S25 Ultraレビュー
Galaxy S25 Ultraのクアッドカメラ構成。小さいのが3xの望遠カメラ。5x望遠カメラはペリスコープ型だ

 

 先に触れた通り、今回は5x望遠カメラに加えて超広角カメラもセンサーが約5000万画素になったのだけど、3x望遠カメラだけは約1000万画素センサーで据え置きというのがちょっと謎。

 例えば、「iPhone 16 Pro」「iPhone 16 Pro Max」のカメラだと「等倍(1x)」の次がいきなり「5倍(5x)」なので、その中間があるといいなあと思うことは確かにある。なので中間として3x望遠が付いているのは分かるが、スペックで見ちゃうとせめて1200万画素のセンサーが欲しいよねって気はする(実際の写りにそれほど差はないとしても)。

 では、ざっくりと撮っていこう。

 前モデルと比べて変わったポイント。それは標準カメラアプリのデザインだ。ズーム倍率の「1x」と「3倍(3x)」の間に「2倍(2x)」が追加された。これは大変よい。よく使うからね。

Galaxy S25 Ultraレビュー
Galaxy S25 Ultraレビュー
ズーム倍率のインタフェースがより分かりやすくなり、始めから「2x」がプリセットされている。2xって素直な画角で撮れて便利なのだ

 今までは倍率のとこをタップすると、その下に細かい撮影倍率のバリエーションが出たのだけど、今回は一体化された。分かりやすくなってよいですな。にしても「30倍(30x)」と「100倍(100x)」をサッと選べるのはさすがだ。

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倍率のところをタップするとさらに30xと100xが現れる。おそろしや……

 ではまあ、サクッといつものガスタンクを撮るところから始めよう。

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カメラアプリの画面。中央の記号は撮影ガイド。水準器兼構図ガイドで、従来より線が細くシンプルになったのはよい

 0.6xから10xまで一気に行きます。

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超広角は0.6xの13mm相当。写りは隅までしっかり
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メインカメラとなる広角(23mm相当)は2億画素から作りだした1200万画素の画像(16ピクセルを1つにしている)
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2xは46mm相当。2億画素の中心5000万画素分から1200万画素を作りだしているので余裕
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3xは69mm相当。2xとの大きな差はない感じなのでどっちを使ってもいいかな
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5x(115mm相当)の望遠で。よい写りです
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10x(230mm相当)の望遠で。5000万画素の中央1250万画素分を使っているのでかなりよい

 超広角が約5000万画素になって「画質がよくなった」というけれども、率直にいうと、こういうシーンでは差をあまり感じない。メリットがあるのはマクロ撮影時だ。

 以前から、ハイエンドのGalaxyシリーズはカメラが被写体に近づくと「フォーカスエンハンサー」が自動的に有効化される(マクロモードに切り替わると同義)。この時カメラが超広角へと自動で切り替わり、元の画角(1xなら23mm相当の撮影範囲)のデジタルズームになるのだ。

 メインカメラは、センサーサイズが大きくなるほどに撮影最短距離が長くなるので、近距離撮影時により近くまでピントが合う超広角カメラに切り替わるのである。

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被写体との距離が近くなると隅に黄色いマクロアイコンが表示されてフォーカスエンハンサーがオンになる。使いたくないときはここをタップすれば色が白くなってオフになる
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フォーカスエンハンサーオンで撮ったハヤシソースかけオムライス

 実際に使うと、かなり早い段階でフォーカスエンハンサーがオンになる。被写体まで10cmくらいなら、手動でオフにしてもいい。ただしその場合、背景のボケが大きくなる(ピントの合う範囲が狭くなる)。

 そこで全体にピントを合わせたい時はフォーカスエンハンサーを「オン」、背景は大きくぼかしたい時は「オフ」――って使い分けるようになったら上級者だ。さらに2xにするとその分大きく撮れるので、フォーカスエンハンサーを使って近寄って撮るか、背景をぼかすべくギリギリまでオンにしないのは、撮影手法としてアリ。

Galaxy S25 Ultraレビュー
フォーカスエンハンサーオン。カメラの光学的特性上背景までピントが合っている
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フォーカスエンハンサーオフ。このくらいの距離ならオフでもなんとかピントがあうけど、前後がボケているので広くピントを合わせたいときは不利

デジタルズームの品質も改善されている

 超広角と反対に、超望遠カメラも挑戦してみよう。

 サムスン電子は「S24 Ultraよりデジタルズームの画質が良くなった」というのだが、本当か――ガスタンクを30xで撮って拡大して比べてみよう。

 結果は一目瞭然で、ハッキリと分かるレベルで良くなってました

Galaxy S25 Ultraレビュー
定点観測のガスタンク撮り比べ。同じ30xでも、S25 Ultraの方がディテールがナチュラルなのが分かる

 全部ガスタンクだと面白くないので、東京から見た富士山で30xと100xを撮り比べてみよう。

 撮影場所は東京都世田谷区の某所。富士山頂との距離は、直線で90km弱くらいか。

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30x以上になると左上にサムネイルが表示されて撮影範囲が分かる
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30xで撮った富士山。東京から見る富士山ですよ。ジグザグの登山道がはっきり
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さらに100xでも撮ってみた。さすがにここまで上げると不自然な塗り絵っぽくなる

 100xって、35mm判換算で約2300mm。さすがにディテールはモヤモヤでのっぺりしているけど、登山道のジグザグがクッキリと見えるのだった。

 S25 Ultraの良さは望遠に強いことだと思うわけで、望遠作例をもうちょっとのっけておこう。

 5xの望遠で御茶ノ水駅からの列車群を取ってみる。

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5xで撮影。東京メトロ丸の内線とJR中央線と中央・総武線が同時にくるのを待ってみた

 電車の次は飛行機だ。10xの望遠で狙った。

 ちょっとシャッタータイムラグがあるので、倍率を上げると追うのが大変だったりする。けれど、これはこれでいい感じに撮れた。

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品川上空を羽田に向かう旅客機を10xで

 飛行機の次はガスタンク。といってもいつもとは違う場所から夕日を反射する姿を狙ってみた。望遠の圧縮効果も相まってかなり迫力がある。

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30xで夕暮れのガスタンク。望遠で切り取ると迫力が出るのだ

 もういっちょ。5xの望遠でポートレートモードのネコ。前ボケも作ってくれた。

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望遠でネコ。ポートレートモードを使用した

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