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ドコモSMTBネット銀行に三井住友信託銀行が前のめり――SMTBが狙う、年間数十万規模の「ドコモ解約予備軍」とは石川温のスマホ業界新聞

NTTドコモ、住信SBIネット銀行、三井住友信託銀行の3社が業務提携することになった。一番の目玉は住信SBIネット銀行が「ドコモSMTBネット銀行」に商号変更すること……なのだが、同社に対して三井住友信託銀行が出資比率を高めることも注目ポイントだ。

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「石川温のスマホ業界新聞」

 NTTドコモは2026年8月から住信SBIネット銀行を「ドコモSMTBネット銀行」に変更すると発表した。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2025年12月20日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 今回、NTTドコモと住信SBIネット銀行、三井住友信託銀行の3社の社長が登壇する記者会見を取材したが、NTTドコモよりも、三井住友信託銀行のほうがやりたいことが明確だったように思う。

 実際、三井住友信託銀行は12月25日に、NTTドコモから500億円で住信SBIネット銀行の株式を一部、譲渡を受ける。また、住信SBIネット銀行による300億円の第三者割当増資を三井住友信託銀行が引き受ける。

 これにより、三井住友信託銀行の住信SBIネット銀行への出資比率は34.19%から44.63%に上がる。議決権比率は50:50で変わらないが、三井住友信託銀行の住信SBIネット銀行に対するやる気ぶりが伝わってくる。

 三井住友信託銀行の大山 一也社長は「今後の成長に向けて積極的な投資を行った。ドコモSMTBネット銀行になったことで、我々と一体的に柔軟な経営が可能になった。我々は資本の活用フェーズにある。住宅ローンなどはドコモSMTBネット銀行に任せ、我々は富裕層向けにリソースを振り分けていきたい」と語った。

 もうひとつ、三井住友信託銀行が狙うのがドコモが抱える「死亡解約予備軍」だ。

 大山社長は「将来的には資産管理、承継領域にも取り組みたい。日本はいま超高齢社会、大相続時代に突入している。急な相続発生、将来の資産承継、資産凍結に備えている人は決して多くはない。そんななか、ドコモの通信サービスのお客様だけでも、お亡くなりに伴う手続きが年間数十万件規模もある。

 そうしたお悩みの際に時間や場所を問わず、インターネットで気軽に相談でき、手続き代行や専門家への相談などのサービスを受けていただくなど、信託銀行として長年、培ってきた当社のノウハウをドコモが持つ、日常の接点やデジタル技術を活用し、身近にお届けしていきたい」と抱負を語った。

 確かに、井伊基之前社長もずっと「死亡解約者が多くてつらい」とぼやいていた事があった。

 NTTドコモの場合、長期契約ユーザーも多く、らくらくホンなどの影響もあって、平均年齢が高いのだろう。日本では直近で年間160万人が亡くなっており、シェアを考慮すると「NTTドコモで年間数十万人規模の死亡解約」というのもうなずける。

 大山社長の話を聞いて「うちも、ドコモSMTBネット銀行経由で相談しておこうかしら」と思ってしまったほどだ。

 近所に三井住友信託銀行の支店があるが、正直に言って、敷居はとても高く、行ってみようという気にもならなかった。

 三井住友信託銀行として、いままでリーチできなかった層にドコモSMTBネット銀行経由で接点ができるとなれば、俄然、前のめりにもなるというわけだ。

© DWANGO Co., Ltd.

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