キャリアのAndroidスマホが「ストレージ128GB」に固定されがちな理由(2/2 ページ)
通信キャリア(MNO)から販売されるAndroidスマートフォンは、ストレージ容量が「1択」しか用意されていないケースが多い。特にミッドレンジ帯では顕著で、128GBを超えるストレージを選べるモデルはほとんど見ない。AQUOS sense10を例に出して解説する。
microSDの利用も有効だが注意点も ユーザーはどう選ぶべき?
キャリアにとって端末の在庫はリスクであり、大量に持つことは避けたいもの。特にミッドレンジはたくさん売れるものの、競合キャリアや直販販路を含めた価格競争が激しく、特典による差別化や値引き合戦もしばしば行われる。売れる販路もキャリアショップや家電量販店といった実店舗が多い。
そのため、キャリアでは最も売れる128GBに構成を一本化し、在庫の種類(色・容量)の極限まで削減する。その上で販売現場の説明負荷を低減し、回転率を上げる。ある種の合理化が徹底されているようにも感じられる。
ハイエンドであれば大容量の構成を求める需要も少なからずある。しかしミッドレンジは「少しでも安く」が最優先されるため、容量を増やすメリットよりも、価格を抑えた128GBを売り切ることに重きが置かれる。
その中でも大容量を求めるなら、オプションのmicroSDメモリカードで容量を調整してもらう方がビジネスとして合理的なのだ。通信キャリアがAQUOSやXperiaのミッドレンジを積極的に扱う背景には、microSDスロットが利用できることも大きな理由と考える。
結局のところ、キャリアモデルの128GB推しは“キャリア都合の最適解”でもある。廉価なものを求める消費者の声に応えるという側面もあるが、容量を増やすためにキャリアで128GBのmicroSDメモリカードを追加購入すると1万円以上もかかってしまう。場合によっては、大容量モデルを買う以上に高くついてしまう可能性もある。
それでは、ユーザーはどうスマホを選ぶべきなのだろうか。スマホの容量需要は年々増えている。高画質になる写真や動画、巨大化するゲームアプリ、SNSやブラウザのキャッシュ(サービスを快適に使う上での一時的なデータ)も肥大化している。
これから4年、5年と使っていく上で128GBが“最低限”のストレージなのは明らかだ。特に3年以上使う前提なら、使い方にもよるが、安いからといって128GBを選ぶメリットは薄い。メーカー直販も検討し、256GB以上の容量を選ぶといい。
microSDスロット搭載モデルならストレージを拡張できるが、microSDにはアプリを移行できない機種が大半なので注意したい。
キャリアスマホで128GB構成が多いのは、在庫管理、価格戦略、販売効率といったビジネスの構造が強く影響している。これはユーザーが望む選択肢とは必ずしも一致しない。
世間の標準はこれから緩やかに256GBへシフトしていくと思われる。それでもキャリアでは合理化から128GBが“標準”として続くだろう。ユーザーも、このようなキャリアの事情を踏まえ、売られているスマホは自分の求める用途に合っているか、長く使う上で不安がないかを吟味してから選んでほしい。
著者プロフィール
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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