「Galaxy S26」は何が変わったのか ハードの進化は控えめでも“AIを動かす器”として存在感が増す理由:石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)
サムスン電子が米サンフランシスコでGalaxy S26シリーズ3機種を発表し、国内でも4キャリアから発売される。同社は新モデルをエージェント型AIフォンと定義し、AIを生活インフラとして浸透させる方針を掲げた。独自機能のNow NudgeやGoogleと連携したタスク自動化など、AIがユーザーを先回りする進化が主眼となる。
処理能力向上にフォーカスしたGalaxy、AIが進化のカギに
この自動化はβ版という位置付けで、対応言語は英語と韓国語のみ。残念ながら、日本語では利用できない。さらに実機ではUberしか操作できなかったが、フードデリバリーアプリなどにも対応を拡大してく方針だという。Pixel 10シリーズ以外で、現時点でこの機能に対応するのはGalaxy S26シリーズのみ。Galaxyが先行対応した「かこって検索」と同様、サムスンとGoogleが共同で対応を進めたものと見ていいだろう。
そのかこって検索も、Galaxy S26シリーズの登場に合わせて進化し、まとめて複数のアイテムを調べられるようになった。例えば、人物が身に着けている服と靴、帽子などをまとめて認識して、結果を返してくれる。1つ1つを囲っていく手間が省けて、利便性が向上する。
Geminiのタスク自動化やかこって検索の新機能は、今後、他メーカーのAndroidスマホに開放されそうだが、サムスンの強みはこうした機能をGoogleと共同で開発し、先行搭載できるところにある。また、Now NudgeやNow Briefなどの自社で開発したAIと、GoogleのAIをシームレスに統合しやすいのも同社ならではといえる。
ここ数世代のGalaxy Sシリーズは、ハードウェアに真新しい機能を載せるというより、処理能力を着実に上げ、AIをより快適に動かせる方向に進化してきた。実際、Galaxy S26やGalaxy S26+にも、最上位モデルのGalaxy S26 Ultraと同様、サムスン向けのカスタマイズをした「Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxy」が搭載されており、CPU、GPU、NPUがそれぞれ性能を上げている。
また、スマホの駆動時間を支えるバッテリーもベースモデルのGalaxy S26で4000mAhから4300mAhへと増量している。最上位モデルのGalaxy S26 Ultraはデザインやカメラのレンズ、プライバシーディスプレイの搭載といったハードウェアの刷新もあったが、以前のように1世代でガラッと変わることはなくなった。
この処理能力の底上げによって、通話の文字起こしの要約、AI消しゴムといった機能の速度が前モデル比で2倍に向上しているという。完成されたハードウェアはフォームファクターを大きく変更せず、AIを動作させるための器としてそのパフォーマンスを高めているのが今のGalaxy Sシリーズであり、エージェント型AIフォンを志向するサムスンの戦略といえそうだ。
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