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なぜ? まるで“ガラケー”の「ケースマ」を日本に投入するワケ 異色の韓国メーカーALTに聞く戦い方(3/3 ページ)

韓国のALT社が日本市場へ参入し、テンキー付きスマートフォン「MIVEケースマ」を第1号機として投入した。同社は大手出身者が集う少数精鋭のメーカーであり、ドコモの3G停波に伴うシニア層の需要取り込みを狙う。独自カスタムの入力システムやサポート体制を整備し、今後は5G対応モデルの展開も視野に日本定着を目指す。

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楽天モバイル回線は未検証 今後は5Gモデルも投入したい

―― 日本向けという点だと、周波数も4キャリア対応ですよね。

金氏 はい。ただし、現時点ではドコモ、KDDI、ソフトバンクの3キャリア対応としています。楽天モバイルは余力がなくて、検証ができていない状態です。

―― 今回はオープンマーケットモデルですが、キャリアモデルも狙っているのでしょうか。

金氏 海外メーカーが日本に進出して、いきなりMNOと取引するのはかなりハードルが高いことは重々承知しています。一方で、シニア向けの商品はショップでご案内いただくことが重要なので、ぜひMNOとはお付き合いできればと思っています。

 日本はメーカー数が減っているのか増えているのか微妙なところですが、昔とは状況も変わってきています。ALTは、小さく速く、かつ柔軟に対応できるのが強みの1つです。ぜひ日本に定着したいですね。

―― 発表会で李氏が紹介した今後の展開のスライドには、5G版のケースマを投入することが記載されていましたが……。

金氏 あの資料は本当に出してよかったのか(笑)。ただ、企画は検討している段階です。

―― でも、スマホとして使えるのが売りなら5Gはあった方がいいですよね。

金氏 そうです。国によっては4Gと5Gで料金プランが違います。そういったところだと、ケースマに5Gはいるのかとなりますが、日本は4Gと5Gで料金が変わりません。キャリアも5Gに投資をしていて、移行してもらいたいと思っています。日本なら、5G版でもいいと思っています。

MIVEケースマ
発表会で紹介したロードマップの資料には、2027年に5G対応のケースマを日本で発売する計画が記載されていた

セキュリティアップデートは「できるところまでやる」

―― 実際に触ってみると、ハードウェアの作りもしっかりしていますし、大手メーカー出身者の会社が手掛けているだけのことはあるなと思いました。

金氏 ありがたいことに、見る人が見ると、そのようにおっしゃっていただけます。自分自身、2年ぐらい前に始めて初代のSTYLE FOLDERを見た際に、これが作れるのはたいしたものだと思いました。ALTも製造はOEMにお任せしていますが、少ないながら、開発や設計の部隊は整っています。しかも、韓国の某大手メーカーで何十年とキャリアを積んだ方もいます。品質は韓国のMNO基準で、十分な実績を積み上げていますので、安心してご利用になっていただければと思います。

―― 取材日(2月16日)にヨドバシカメラのサイトを見たら、SIMフリーで1位になっていました。

金氏 これには僕らもビックリしています。ロジックはよく分かりませんが。

―― 今後、自社のECなどを増やしていくお考えはありますか。

金氏 可能性はあると思いますし、実際に検討し始めているところです。

―― この手の端末は使う期間が長くなりそうですが、OSアップデートやセキュリティアップデートはどのようにされていく方針ですか。

金氏 具体的に何年と言えるかは調整が済んでいませんが、セキュリティアップデートの必要性は承知しているので、できるところまでやっていきます。ただ、OSについては別の考え方もあります。もちろん必須の場合はやりますが、その一方でOSアップデートをすると大なり小なりユーザーインタフェースが変わってしまう。ターゲットとしているユーザーが、それを望むのかという話もあるので、様子を見ながら判断していきます。

―― しかし、ケースマという商標が取れたのにも驚きました。よく残っていましたね。

金氏 もちろん商標もちゃんと取っています。取ったのはだいぶ前で、2024年11月に出願して、2025年6月に取れています。1年半ぐらい前に、ベタでもシンプルな名前は何かないかを考え、ケースマになりました。今考えると、本当によく残っていましたよね(笑)。

取材を終えて:使い方を伝える上で店舗の存在が重要に

 海外進出の一環として、まず日本市場に狙いを定めたALTだが、第1弾をシニア向けにした背景には、やはりドコモの3G停波があった。スマホにステップアップしたい人はもちろん、大型のケータイとして使いたい人もターゲットにしているようだ。とはいえ、ケースマはベースがスマホ。通常のケータイとは操作の作法が大きく異なる。この点を伝えることができる、店舗のあるMVNOや家電量販店の役割が重要になりそうだ。

 一方で、キッズ向けのスマホは、市場環境の違いやキャラクターの版権をどこまで使えるか次第といったところで、投入にはまだ時間がかかりそうな印象を受けた。日本では、子どもに特化したスマホは絶滅状態だが、ケータイの需要を置き換えられれば商機はあるかもしれない。料金プランも関わってくるだけに、キャリアとの取り組みにも期待したい。

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